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プロフェッショナルコラム

第2回:実践からの学び-①関係者全員が参加することの意義

注)本コラムは、当社(株)トッパンマインドウェルネス 取締役 松井が執筆いたしました。

 

第1回では、ODNJによる組織開発の定義を紹介しました。

「組織内の当事者が自らの組織を効果的にしていく(よくしていく)ことや、
そのための支援」

 

ではこの当事者とは誰を選べばよいでしょうか?

当社の実践からの学びからは、「全員」という答えを大事にしたいと思っています。

 

一ツ橋大学名誉教授の野中郁次郎氏は、知識創造の経営を実現する組織はフラクタルな構造を持つと説明しています。フラクタルな組織とは、部分と全体が相似の関係にあり、どこの部分をとっても全体を代表するように自律分散的に行動している組織のことです。“マトリョーシカのような組織”とも表現されています。

組織の全員を集めることが難しい場合、部分のメンバーを選ぶ必要がありますが、その際には、全体と相似であることを意識して選び、全体に戻すことを忘れないことが大切になります。本コラムでは、全員参加を意図して取組んだ2つの案件を通じ、学んだことを共有したいと思います。

 

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■A案件とB案件、それぞれの案件概要は次の通りです。

◇1.A案件

○テーマ

社内プロジェクト やらされ感から主体的な参加姿勢に変える

○期間

4ヶ月

○内容(誰にどのような取組みを行ったか)

・部門内の関係者約10名に対し事前ヒヤリング(1対1)

・組織長へのエグゼクティブコーチング(3回)

・組織メンバー40名全員で対話(1回)

・全員での対話を受けて、コアチームを結成

・管理職を中心としたコアメンバーによって、対話を実施(2回)

(各回、事前・事後の打合せを実施)

 

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◇2.B案件

○テーマ

新規開拓をミッションとする営業組織の立ち上げ

○期間

3ヶ月

○内容(誰にどのような取組みを行ったか)

・組織長+管理職2名で、事前設計の打合せ

・関係者20名全員で、1泊2日の合宿で対話ワーク

全員での振り返り(2h)

※関係者は組織構成員10名と協力部署のメンバー10名

・組織長と当社で、部会の様子を聴講し、振り返り(3回)

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■A案件とB案件の共通点

①組織長の問題意識を背景に、結果を出すためにどういう組織の状態を目指すか、ということをゴールにおいたこと

②全員の参加機会を複数回設けたこと

③3~4ヶ月間という持続的な期間の取組みであったこと

④最後に全員で振返るというプロセスが取れていないこと

 

組織長のコミットメントが背景にあり、案件のスポンサーとしての役割を果たしていたので、全員参加という機会が設計できました。

また、数ヶ月間という期間は、取組みの中で「実践しながら学ぶ」というPDCAを回すことができ、効果的でした。

一方で、最後に成果を振返るのは、組織長やコアメンバーなどの一部メンバーのみであったことから、全員で成果を確認することができていなかったと考えます。

 

■A案件とB案件の異なる点

コアチームを作ったA案件に対し、B案件は管理職チームを核として開始したものの、結果的には組織長1名の意思決定で進んだことです。

 

振返ると、案件終了後の自走する力という観点では、A案件の方が変化があり、B案件は組織長が個別にメンバーの活動を支援するという状態が続きました。

もう少しドライに言えば、A案件は組織長が交代しても活動は続くことが予想されますが、B案件は組織長がいなかったら活動はストップしてしまうかもしれないということです。

これは、組織の変革に向き合うコアチームには、リーダー以外のメンバーも選び“全員が参加”している状態を作る必要があるということだと考えます。

 

当社が目指す支援は、顧客の「内発的変革が実現する」ことです。

今回ご紹介した両案件とも、当社の支援期間が終了してもその組織の活動は継続しており、効果はあったと評価いただいています。

一方で、両案件の比較からの考察で述べたとおり、組織メンバーが自分の力を活かし自走するためには、“全員が関わっている状態”を常に意識して支援のプロセスを設計する重要性を再認識するに至りました。


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コラム執筆者
本田 郷士
本田 郷士(ホンダ サトシ)
株式会社トッパンマインドウェルネス マーケティングチーム
㈱トッパンマインドウェルネス、マーケティングチームの営業・コンサルタントとして、お客さまの課題抽出から解決策のご提案、実施をご支援します。
マネジメントや人材育成・組織変革の経験を基に、トッパンマインドウェルネスの営業およびコンサルタントとして、お客様の人材戦略の解決に日々取り組んでいます。
過去には、営業コンサルティング、マーケティング戦略策定などに携わる。
得意分野 リーダーシップ、マネジメント、コーチング・ファシリテーション、チームビルディング、コミュニケーション
対応エリア 全国
所在地 台東区

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