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プロフェッショナルコラム

【第5回】組織間の連携を進め、業務の効率を上げる

注)本コラムは、当社(株)トッパンマインドウェルネス 取締役 松井が執筆いたしました。

 

今回は製造業の事例です。一つの製品が製作され、納品されるまでに、製造工程ではいくつかの部署がそれぞれの役割を果たしています。日々の戦略思考を活用し、一つの製品製作のために、各部署の協働関係を築き、成果をあげた山手さんの事例を紹介します。

 

【起こっていた出来事】

山手さんは技術部の主任。数年前に自社の技術力を活かした加工委託型のサービスを立ち上げ、顧客からの引き合いも順調に増加してきました。しかし、製造ラインでの細かなトラブルが頻発し、サービスの質やスピードが向上しない状況が続いています。製造ラインでしっかり改善工夫して欲しいと要求すると「言われたことはちゃんとやっている。技術部の仕様設計が不十分なのでは?」と、逆に責められてしまいます。案件の都度、このようなやり取りがあることで、お互いがストレスを感じている状態でした。

 

【捉え直したポイント】

そもそも、加工委託というサービスなので、全てを同じ仕様にすることはできません。技術部としても生産効率を考えて仕様設計するのですが、現場でうまくいかないことも起こりうると考えています。

ただ、自社の製造部の力があれば対応できる範囲のはずです。このサービスは顧客からのニーズも根強くあり、確実に稼げる仕事として育てていけるはずです。

このまま技術部と製造部の対立・交渉を続けるのではなく、お互いが協力し合って会社の業績向上に貢献できることを目指したいと、山手さんは考えました。

 

【新たに集めた情報】

山手さんは2つのテーマで、知恵を集めました。一つは、製造部でトラブルが起きた時どのように対応しているか、という現状把握。もう一つは、技術部と製造部の組織連携を促すためのセオリーを学ぶということです。

トラブル発生時の対応については、製造ラインの作業者、監督者、管理者にヒアリングを行いました。それにより、どのようなトラブルが起こったかを蓄積する仕組みがないことが判明しました。トラブル発生の都度、対応できる人を探して解消するというやり方のため、とても効率が悪いことがわかりました。

また、組織連携については、ある書籍で協業のステップという情報が参考になると思いました。その第一のステップは事実ベースで現状を知り、危機感を共有するということでした。

 

【実践と振り返り】

山手さんは、自分が得た情報から、次のような実践に取り組みました。

まず、生産企画部の協力を得て、この半年の生産稼動状況をまとめてもらいました。引き合い件数、対応件数、トラブル数などの状況と、各月の損益状況も出してもらいました。その数字を使って、このサービスで本当は達成できる数字と現状をまとめ、製造部と技術部のメンバーにプレゼンする機会を得ました。

もう1つは、トラブルから学ぶ仕組みをつくることです。製造ラインの監督者と一緒に、トラブルの把握と対応策を記録するフォーマットを作成しました。そのフォーマットを活用して、まずは2週間のトラブルの記録をお願いしました。2週間後、それらの記録内容を一緒に振返り、技術部が出来ること、製造部が出来ることを話し合ったのです。この打合せは、毎週3ヶ月ほど続けることで合意しました。

山手さんの想いと粘り強さでトラブル数は激減し、生産効率も上がり、業績向上への道筋が見えてきたのです。

 

【今回の事例のポイント】

この事例は、「自部署がやるべきことはしっかりやっている」という状態から、「会社の業績向上のために一緒に取組む」という状態への変革を進めた事例といえるでしょう。新サービス立ち上げという自分の仕事の目的を改めて考え、その目的実現に欠かせない関係者をしっかり巻き込んでいったことがポイントではないでしょうか。


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コラム執筆者
本田 郷士
本田 郷士(ホンダ サトシ)
株式会社トッパンマインドウェルネス マーケティングチーム
㈱トッパンマインドウェルネス、マーケティングチームの営業・コンサルタントとして、お客さまの課題抽出から解決策のご提案、実施をご支援します。
マネジメントや人材育成・組織変革の経験を基に、トッパンマインドウェルネスの営業およびコンサルタントとして、お客様の人材戦略の解決に日々取り組んでいます。
過去には、営業コンサルティング、マーケティング戦略策定などに携わる。
得意分野 リーダーシップ、マネジメント、コーチング・ファシリテーション、チームビルディング、コミュニケーション
対応エリア 全国
所在地 台東区

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