【人事戦略】戦略人事とは? 経営戦略の実現に向けて解説

戦略人事とは、会社の経営戦略に沿って組織や人材のマネジメントを行う手法です。近年、働き方の多様化や労働人口の減少に伴い、 最適な人材配置など経営目標の達成への関与が求められています。この記事では、戦略人事の機能と役割、日本で戦略人事が求められている背景や戦略人事の導入に成功した事例を紹介します。
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戦略人事とは
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戦略人事とは、経営戦略の遂行に人事が積極的に関与して人材・組織の有効活用を推進するマネジメント手法で、戦略的人的資源管理と呼ばれることもあります。戦略人事の定義や、日本の企業で戦略人事が求められている背景を紹介します。
■企業の経営目標を達成する人事施策
戦略人事は、経営資源の一つである「ヒト」を活用して企業の経営目標達成を目指す人事施策です。正確かつ効率的に業務を行う従来の人事部とは異なり、戦略人事では経営層と協力して人員配置や組織のあり方などを積極的に提案する施策です。
近年は、ビジネス環境や社会情勢を見通しにくい「VUCAの時代」と言われていますが、企業は多様化する市場ニーズに柔軟かつスピーディーに対応しながら競争力を高める必要があります。戦略人事を取り入れることで経営環境に合わせた人材活用が可能になり、企業の変革や業績向上を目指すことができます。
■日本で戦略人事が求められる背景
少子高齢化や働き方の多様化に伴い、日本でも戦略人事の重要性が注目されています。
労働人口の減少に加え、年功序列や終身雇用制度の終焉によって人材の獲得競争が激しくなっています。より良い労働条件を求めた転職も一般化しており、優れた人材を確保して定着させるためには能力を存分に発揮できる組織作りをする必要があります。
また、多様な働き方に対応しながら企業の生産性を高めるためには、個人の能力や希望を把握した上で意欲的に仕事に取り組める環境を整えることも大切です。さまざまな価値観を認め合える職場づくりも必要となるでしょう。
■日本で導入が進まない理由
欧米諸国の企業では戦略人事が普及している一方、日本の企業では戦略人事が進んでいないことが現状です。
経営戦略が不明確であれば、戦略人事のプランを立てることは難しいです。人材や組織の改善のためには人事部や現場の声に耳を傾ける柔軟さ、人事部も経営側に説得力のある提案ができるよう、戦略人事に関する知見と経営戦略へ理解を深める姿勢が求められます。これらのことから、会社の業績向上には経営側と人事部の連携が欠かせません。
また、人事制度変更に抵抗がある社員がいるために戦略人事の導入をためらう事例もあります。導入計画を明確にした上で、社員にとって不利益が生じない制度であることを説明すると、導入への理解が得られるでしょう。
■戦略人事と人事戦略の違い
戦略人事は経営側と協力して推進していくのに対し、人事戦略は人事部の業務内容を改善するという違いがあります。
人事戦略の主な目標は、社員の採用方法や教育研修の進め方など人事制度の改革を目指すことです。社員が人事制度に納得していれば人事戦略が成功したことになります。
一方、戦略人事は経営目標の達成を目指して人材の活用計画を立てることが特徴です。例えば、店舗数を増やす目標がある場合、スタッフに求める人材像を具体化して採用計画を立て、店舗運営や教育研修を統括する役職者を設けるというように、目標達成の計画を具体化して経営層に提案します。
つまり、戦略人事は経営戦略の中に人事が検討した人事戦略を組み入れ、社員だけでなく企業全体の成長を促進する仕組みといえるのです。

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戦略人事が持つ4つの役割
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従来の人事施策から戦略人事にシフトするためには、各種オペレーションに加えて組織・人材開発への積極的な関与が必要です。
戦略人事の4つの機能と役割を紹介します。
■HRBP(HRビジネスパートナー)
HRBPとは、人事が経営層や管理職のビジネスパートナーとして、採用から教育研修・人材配置までを経営戦略に沿って人事施策を企画・推進していく役割です。人事施策の効果を高めるためには現場のニーズや実態を理解した上で、経営層と考え方を合わせることが求められます。
経営層と現場を橋渡しする一面もあるため、社員の話を聞き、時には相談対応するなど信頼関係を構築していく必要があります。従業員サーベイやアンケートで集めた社員の意見を、人事施策に反映させるのも一つの方法です。HRBPは戦略人事におけるリーダーシップを担う役割ともいえるでしょう。
■CoE(センター・オブ・エクセレンス)
CoEとは、人事制度をはじめ採用活動・評価制度や労務管理といった戦略人事の遂行に必要な知見を現場や経営層に提供する役割です。社内の人事コンサルタントとされることもあるため、人事のプロフェッショナルとして人事業務のすべてに深い知識が求められます。
CoEは、経営層や現場から得た情報を集約・分析して人事施策に反映させる役割もあります。タレントマネジメントシステムで得られた分析データを活用して、社員と会社双方のパフォーマンスを高める企業も増えてきました。
■OD&TD(組織開発&人材開発)
ODとは、企業理念や将来ビジョンを現場に浸透させて経営目標を実現できる組織を作る役割です。課題を洗い出して組織の方向性を改善したり、社員がパフォーマンスを高められる環境を整備する役割もあります。
TDとは、教育研修などによって社員の能力や資質を引き出し、経営戦略を実現できるように社員の成長を促す役割です。ジョブローテーションなどで社員を最適配置して、潜在能力の開発を試みる場面もあります。
組織の善し悪しが社員のパフォーマンスに影響するため、ODとTDは密接な関係性にあると言えるでしょう。
■OPs(オペレーションズ)
OPsとは、勤怠管理・給与計算など定期業務や入退社・異動といった従業員の勤務に関連する手続きを受け持つ役割です。戦略人事を効率的に進めるねらい定期的なオペレーション機能を外部やBPOサービスにアウトソーシングする企業もみられます。税理士に年末調整業務を委託したり社会保険労務士に給与計算・勤怠管理を依頼することもアウトソーシングの一つです。
会社と社員の信頼関係を保つためにもOPsは重要な役割を果たしています。また、採用業務などで外部の担当者とコミュニケーションを取る場面もあり、会社のイメージを形成する一面も持っています。
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戦略人事を進めるタレントマネジメントシステム
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