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プロフェッショナルコラム

人を変えるために理解すべき「人の根源的仕組み」

『人は“本質的”に変われるのか』
これは、多くの人事担当者・人材開発担当者にとっての命題であるように思う。

あえて「本質的」と表現したのには理由があり、人が表面的に変わるのは多くの方が可能であると理解している。例えば、経営陣や上司の前で取り繕うことや、家庭とビジネスでの対応の違いなどの表面的な変化である。
しかし、本質的な人間の変化(ものの見方や考え方、行動の基本姿勢が変わるなどの知性の成長)となると、大きく意見の分かれる問いであるように思う。

今回のコラムでは、人間の根源的なところに目を向け、人が変わることが可能かどうか。そして、可能なのであればどのように変えるべきか、を考察していく。

まず、このことを考察するために、以下2つのことを見ていく。
1つ目は、「脳の可塑性」についてであり、
2つ目は、「人間の恒常性(ホメオスタシス)の仕組み」である。

順を追って説明していく。

まずは、「脳の可塑性」について説明する。
過去の学術的見解では脳(知性:ものの見方や考え方、行動の基本姿勢など)は、肉体的発達と同じように、20歳代で成長は止まると考えられていた。つまり、ビジネスパーソンは大学を卒業し、数年の社会経験から知性を成長させることは無く、ある一定の知性レベルで判断をしていくことになると考えられていた(もちろん知識や経験も身についていくが、方法論の学習であり、知性レベルとしては限界があると考えられていた)。
しかし近年、この考え方は否定されており、多くの脳科学者が「脳の可塑性(脳を構成する神経と、そのネットワークは固定されたものではなく、環境や与えられた影響に応じて変化する能力があること)」を認めている。
つまり、知性レベルは20歳代で止まるものではなく、学習や外部からの影響によっていくつになっても成長させることが可能であるということである。

これらのことから、今回のテーマである「人は“本質的”に変われるのか」ということの一つの解として、脳の可塑性から考えて、人が本質的に変わることは可能であるということが言える。

しかし、私自身コンサルティング業務や研究業務の中で人や組織を見ているが、多くの場合において変化を起こすことが出来ていない現状である。とりわけ、年齢の高い方や、歴史の古い組織ほど、時代(環境)に合わせて変革をすることに苦労されているように感じる。

それは、なぜなのか。

そこには、冒頭で記載した「人間の恒常性(ホメオスタシス)の仕組み」が深く関係している。まず、恒常性(ホメオスタシス)という言葉に関して説明する。

【恒常性とは、生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す(出典:Wikipedia:恒常性)】

つまり、人間が変化せずに一定でいようとする性質である。
例えば、寒いところに行くと、熱を逃がさないようにするために、毛の根元にある毛を起こすための立毛筋という筋肉が縮み鳥肌が立つ、といったことである。
これらの性質は、人間が生命を維持する上で大切なことであるが、この性質があるせいで、人や組織は変化を嫌い、一定(過去の延長戦上に留まる)でいようとしてしまう。

では、どのようにしてこの人間の根源的部分を打開し、人を変えることが出来るのか。そこには、人間の脳の構造を理解する必要がある。
人や組織の変革を考える上では、単なる手法的理解ではなく、根源的人間の理解が必要である。

次回は、人間の脳の構造の説明をし、その後に人間的側面から見た具体的な人や組織を変えるためのアプローチ法を考察していく。

次回は、10月23日(水)にコラム投稿いたします。

以上


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コラム執筆者
新島 泰久也
新島 泰久也(ニイジマ タクヤ)
株式会社タナベ経営 戦略総合研究所 人材開発
学習体系構築・人事制度構築・職場環境改善・意識変革など、あらゆる人づくり・組織づくりの課題のためのソリューションを提供します。
人材開発コンサルタントとして、学習体系構築・働き方改革・人事制度構築等に従事した後、戦略総合研究所 研究員として『人と企業の成長を科学する』をテーマに、人材・組織開発分野における研究やコンサルティングメニューの開発・実践をしている。
得意分野 モチベーション・組織活性化、人材採用、キャリア開発、リーダーシップ、コーチング・ファシリテーション
対応エリア 全国
所在地 大阪市淀川区

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