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プロフェッショナルコラム

003:リモートワーク社員の評価の仕方②

皆様、こんにちは。グローネス・コンサルティング 人材育成コンサルタントの内藤です。今回のコラムは前回に引き続き、リモートワーク社員の評価の仕方です。第一回目である前回は、リモートワークにおける評価の難しさについて見解を述べました。今回はそれを踏まえて、具体的にどのように評価を行えばよいかをお伝えしたいと思います。

 

現在、多くの日本企業が導入している「役割等級型成果主義人事制度」では、期初に決めた「数値目標(プロセス目標含)」と、各等級の人材要件定義から「行動目標」を定め、それを数段階(大抵はDからS段階)で評価するようになっています。部下は設定した目標に向けて、自分の役割(≠業務)を果たす行動が求められます。そして上司は、期末において「達成度合い」と「期中の行動」を評価します。

 

リモートワークにおいて問題になるのは、この「行動評価」です。たとえば「後輩を積極的に指導している」「様々な提案をしてリーダーシップを発揮した」などは、リモートワークでは確認できません。行動評価は「職場で働く」ことが前提となっているのです。

そもそも、従来のマネジメント概念は「部下の働きぶりを管理する」というものです。部下に役割を認識させ、話し合いで重点目標と行動指針を定め、日頃の働きぶりを観察し必要があれば指導を行い、期末で評価面談を行うというのが「マネジメント・サイクル」でした。しかしリモートワークでは「働きぶりの観察」ができません。そのため、リモートワークで働く部下に対して「本当に働いているのか? 業務時間を私用に使っているのではないか?」と不安を抱く管理職も見受けられます。

 

また、過程も把握しにくくなります。日本企業では「役割」という曖昧な職務範囲の中で、上司との日頃のコミュニケーションを通じて、状況確認と次の業務の形成を行うという働き方をしています。そのため欧米企業のように個々人がパーテーションで区切られた職場ではなく、机を向かい合わせて皆で固まって働くという職場となっています。上司は職場全体を俯瞰しつつ、部下一人ひとりの様子に気を掛けるというのが、日本企業の管理職像なのです。

 

リモートワークでは、行動把握が困難です。しかし一方で、年間すべてリモートワークで働く部下というのも稀です。週3日はリモートで働き、2日は出社するといった部下をどう評価すれば良いのでしょうか? その答えは「明確な職務範囲の形成と目標設定」「定点的な面談による認識のすり合わせ」「評価フィードバック時での根拠の提示」の三つです。

そしてこの中で、もっとも難しいのが「明確な職務範囲の形成と目標設定」です。これまでは「期初における役割の提示」はありましたが「職務範囲」は曖昧なままでした。役割という曖昧な職務範囲の中で、皆で隙間を埋め合うという働き方は、リモートワークでは不可能です。リモートワーク時と限定して、リモートワーク中の職務範囲を決めることが重要となります。

 

リモートワークは「職務給的評価方法」で、オフィスワークは「役割給的評価方法」で行う。こうした運用の工夫が必要となるのです。では職務給的評価方法とは、具体的にはどのようなものでしょうか? 第三回に続きます。

 

次回予告:リモートワーク社員の評価の仕方③「職務給的評価方法」

 

 

 


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コラム執筆者
内藤 広宣
内藤 広宣(ナイトウ ヒロノブ)
株式会社グローネス・コンサルティング 取締役営業本部長 兼 教育研修プログラム開発室長
「何のための研修か?」を問い続ける人材開発業界のタカ派
老舗の大手教育研修会社から新興の研修会社まで、教育研修会社数社で営業を経験、大手企業から地方の地場企業まで延べ数百社を担当した後、「理想の教育研修会社」を創るためにグローネス・コンサルティングに参画、営業本部長に就任する
得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、労務・賃金、安全衛生・メンタルヘルス、人事考課・目標管理、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント、コーチング・ファシリテーション、チームビルディング、コミュニケーション、プレゼンテーション、ロジカルシンキング・課題解決、営業・接客・CS、ビジネスマナー・基礎
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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