日本男子リレーチームから感じた組織力
この夏、多くの感動を与えてくれた、リオデジャネイロオリンピック日本選手団。
中でも今回は、陸上男子4×100mリレーで銀メダルを獲得した、
日本男子リレーチームから感じた組織力についてお伝えします。
既に様々な専門家が分析され、ご存知の方も多いかと思いますが、
バトンパスが銀メダル獲得の大きなキーポイントでした。
リレーに出場する4選手の持ちタイムの合計は、
金メダルを獲得したウサイン・ボルト擁するジャマイカが39秒68。
失格にはなりましたが、全体の3番目にゴールしたアメリカが39秒52。
日本チームは40秒38と、決勝に出場した8チームのうち、7番目の持ちタイムでした。
個々の走力だけで勝負しては勝つ可能性が低いことを意味します。
しかし、リレーにはバトンパスがあります。
いかにスピードを落とさず加速した状態でバトンをつなげるか。
手から手へつなぐ際に少しの距離を稼げるか。
この上手さを見るのが、持ちタイムからリレーのタイムを引いた「利得タイム」です。
ジャマイカ 4人の合計(39秒68)-リレー(37秒27)=2秒41
アメリカ 4人の合計(39秒52)-リレー(37秒62)=1秒90
日本 4人の合計(40秒38)-リレー(37秒60)=2秒78
日本チームのバトンパスがいかに巧みかがわかる数値となっています。
このバトンパスは、人間の体で考えると関節であり、
会社組織で考えると、縦の関係では結節点となる管理職、
横の関係では部署間の連携となります。
能力、やる気、考え方に差のある組織において、
いかに個々を有機的に結び付け、上下左右の温度差なく、
ゴールに向かって歩を進めることができるか。
ここに組織における強弱の差があると私は考えます。
強い組織は目指すゴールが明確で、組織全体に共通認識があります。
強い組織は個人個人が役割を認識し、自発的に能力を高める努力をし、
組織に対して貢献できる範囲を広げています。
強い組織は目標達成のために時々刻々変化する状況においても、
柔軟に変化を受け入れ、能動的に工夫を重ね、前向きに順応しています。
経済が右肩上がりに発展している世の中では結果が出やすかったため、
一人の強いボスが剛腕をふるって組織を牽引すれば組織もまとまりました。
しかし変化が激しく情報も多く、結果が見えづらい世の中では、
強いボスのトップダウンだけでは細かいところまで対応できず、
組織全体に活力が生まれにくくなっています。
組織の潤滑油、関節となる管理職の質と数が、組織全体の強さを生み出します。
日本リレーチームのように個々が世界と戦える走力を身につけるべく、
たゆまぬ努力と研鑽を積み重ねること。
そしてその個が持つ力を足し算ではなく、掛け算にするバトンパスができること。
そのバトンパスの効果を最大化させるように管理職が良い潤滑油となること。
そのためには互いの良さ、特徴の理解を深め、
相互に尊重し、信頼し合いゴールを目指すことが重要です。
日本リレーチームが世界に示したチームワークや組織力。
一度自社に置き換えて考えてください。
どのバトンパスを改善すればよりよい組織になるか。
私自身も管理職の一員として見つめなおそうと思います。
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1974年9月23日、大阪府出身。1997年近畿大学を卒業後、人材採用コンサルティング企業に入社。これまでに述べ500社を超える中堅・中小企業の採用活動を支援している。
岩田 徹(イワタ トオル) ヒューマンリレーション事業部 執行役員

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