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発達障がい者の業務課題の改善『構造化』のアプローチとは?

発達障がい者を雇用し、労務管理をしている方々には「業務に集中できない」
「指示通りに作業してくれない」「同じミスを何回も繰り返す」などで
頭を悩ましている方も少なからずおられることと思います。

こうした業務上生じる課題をどう改善していったらよいかを考える際に、
発達障がい者が脳の器質的障がいにより、特殊な五感の感じ取り方や思考回路を
もっていることを理解しておくことが大切になります。


例えば、大人が向かい合ってお辞儀をしている絵を「トンネル」と認識していたり、
電車に興味関心が強い当事者の話を聞くと、車両全体に興味があるのではなく、
実は先頭車両の窓の形や車両番号にこだわりや興味の的があったりなど
私たちが想定しない捉え方をしていることも多く、
その多様性には改めて考えさせられるものがあります。


こうした特性は、時にある種の才能に繋がる面がある一方で、
社会的場面や業務遂行をしていく場面では様々なつまづきが出てしまうことも多いため、
障がい特性を勘案しつつ本人の力がより発揮できる環境づくりについて検討していくことが大切です。

 

今回は「構造化」という視点から、
環境的な配慮や工夫の具体的な方法について考えていきたいと思います。

 

構造化とは、米ノースカロライナ州で1972年以来行われている
主に自閉症スペクトラム障がいの当事者とその家族を対象とした
「TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children)」という
生涯支援プログラムの中で提唱されたもので、状況理解をわかりやすくし、
心理的安定をはかりながら学習や就労の定着を促す環境づくりのプログラムです。

 

今回はその代表となる3つの構造化について紹介したいと思います。


■物理的構造化
これは業務内容ごとに各空間を物理的に区切り境界をつくることで、
様々な刺激に反応しやすい特性を勘案して
その場でするべき業務に集中しやすくするための空間的配慮です。

発達障がいの中でも注意欠陥・多動性障がいのように一つの作業に集中できなかったり、
ケアレスミスが多く見られる場合、周囲の視覚刺激や雑音が断続的に入ることにより、
注意の持続を難しくさせているというケースもあります。

最近はパーティションを導入している企業も増えていますが、
中には周囲の雑音が気になって注意の持続の妨げになっているケースもあるため、
そうした場合は耳栓等を活用するなども含めた配慮も有効になることがあります。


■時間的構造化
「いつ」「何をするか」について1日のスケジュールを具体的に提示することにより、
先々の見通しを立てやすくし、安心感をもって仕事に臨める環境づくりに繋がります。

また、作業スピードに課題が見られる場合は、タイマーを活用して、
同じ時間内にどれだけの作業ができるかをトライアルすることで集中力を引き出し、
パフォーマンスの向上に繋がるケースもあります。

その際はタイマーの使用前後の作業量等の記録をつけて
成果を具体的にフィードバックしていくと、本人のモチベーション向上にも繋がります。


■視覚的構造化
これは業務遂行に必要な情報を視覚的にわかりやすく提示するもので、
例えば「大事な情報は強調文字にする」「作業スケジュール表を色分けして表示する」
「業務マニュアルに文章に図や写真を添える」などの環境づくりが挙げられます。

新たな業務を行う際は「モデリング」と言って正しいやり方を示しながら一緒に作業をしてもらったり、
完成図を示してそれを見ながら作業してもらうなどの工夫なども有効です。

発達障がいがある人の中には、一見コミュニケーションが普通に行えるように見えても、
言語聴覚情報の理解につまづきがあるケースも少なからず見られるため、
指示通りに作業ができない状況が散見される場合は、
こうした視覚化の工夫の余地がないかを検討してみてもよいと思います。

 

以上に述べた構造化によるアプローチは、業務遂行上に生じる課題の背景にある
発達障がいの特性を把握することで行える対処となりますが、その特性は実に多様であり、
当事者もうまく言葉で説明できないことも多くあることから、個々の障がい特性を見立てたり、
把握することはなかなか容易ではないかと思います。

業務上の課題がなかなか解決できない際は、相談機関や専門家に相談してみることで
有効策が得られることも多くありますが、今回取り上げた「構造化」の視点を手がかりにしながら、
環境的な配慮や工夫として加えられそうなことを検討・試行し、モニタリングしていくことで、
障がい特性が見えてくるようになったり、
パフォーマンスの改善につなげていける可能性を高められるのではないかと思います。

 

                                                                      (エグゼクティブコラボレーター  中田 貴晃)

  • 安全衛生・メンタルヘルス
  • その他

臨床心理士/精神保健福祉士/社会福祉士/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
2009年度日本うつ病学会奨励賞受賞

精神科クリニック、障害者職業総合センター等で集団精神療法、デイケア、就労支援の他、スクールカウンセラー、千葉県医療技術大学校非常勤講師、千葉県庁健康管理室相談員を歴任。その後、EAP事業会社にて復職支援を中心にメンタルヘルス対策支援に従事。

中田 貴晃(ナカダ ヨシアキ) パートナー、エグゼクティブコラボレータ―

中田 貴晃
対応エリア 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県)
所在地 渋谷区

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