割増賃金の基礎と毎月1回以上払いとの関係について
お世話になります。
労基法第24条第2項と第37条第5項の内容についてご質問がございます。
法第24条第2項にいう毎月1回以上払い・定期払いの例外として、労基法施行規則第8条に
「法第二十四条第二項但書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
一 一箇月を超える期間の出勤成績によつて支給される精勤手当
二 一箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
三 一箇月を超える期間にわたる事由によつて算定される奨励加給又は能率手当」
とあります。
他方、法第37条第5項にいう割増賃金の基礎賃金に算入しないものとして、労基法施行規則第21条に
「法第三十七条第五項の規定によつて、家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、同条第一項及び第四項の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。
一 別居手当
二 子女教育手当
三 住宅手当
四 臨時に支払われた賃金
五 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」
とあります。
ここにいう「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」とは法第24条第2項にいう毎月1回払い・定期払いの例外と同じものなのでしょうか。
色々調べても、同じものであるかのような解説が散見されますが、どこの条文にそのようなことが書かれているのでしょうか。
なお、厚生労働省のコンメンタールを見ると、「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金としては、賞与及び施行規則第8条に掲げられる手当があるが、これらについては、第24条を参照されたい」とあり、あたかも「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 イコール 施行規則第8条の内容」であるかのような解説となっています。
どう考えても「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」のほうが施行規則第8条の内容よりも広いように見えてしまいます。
一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金は、会社が支払期間を自由に決定することにより割増賃金の基礎から任意に除外できるものということなのでしょうか。
「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 イコール 施行規則第8条の内容」と解説しているものは、このように会社が本来割増賃金の基礎に算入すべきものを除外することがないようにするためのロジックではないかと思いますが、いくら条文をながめても、イコールとは思えないのです。
他方、イコールと考えないと、精勤手当・勤続手当・能率手当等に該当しないのに、例えば「これは三箇月に一度の手当にするから」といって割増賃金の基礎から除外するだけでなく、毎月1回以上払いの潜脱にもなってしまうように思えます。
逆に言うと、精勤手当・勤続手当・能率手当等以外に「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」というのは存在するのでしょうか。
(もちろん、毎月1回以上払いの原則に抵触しないという前提です)
どうかご教示願います。
投稿日:2018/12/19 10:12 ID:QA-0081140
- oonanaoさん
- 東京都/医療・福祉関連(企業規模 301~500人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、法令上に明確な定めはございませんので、あくまで解釈の域を出るものではございません。それ故、この場で確答まで出来るものではない旨ご了承下さい。
その上で申し上げますと、各々別条文で記載されており定められた文言も異なる事から全く同一というわけではないものと考えられます。やはり概念上は「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」のほうが施行規則第8条の内容よりも広いと考えるのが妥当と思われます。但し、実務上は両者の相違が問題になるケースも殆どないことから、そこまで考える必要性は通常ないものといえるでしょう。
更なる詳細について確認されたい場合は、人事労務上の実務問題というよりは法解釈論になりますので、労働法の大学教授等の研究者にお尋ねされる事をお勧めいたします。
投稿日:2018/12/19 11:21 ID:QA-0081143
相談者より
大変お答えしにくい内容の質問でありながら、誠実にご回答いただき、誠に有り難うございます。
専門家的視点での見解をお伺いしたかったので、参考になりました。
投稿日:2018/12/19 11:26 ID:QA-0081144大変参考になった
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