労働契約法における「不合理な格差」とは
現在、職員の定年は65歳です。それ以前は60歳定年、その後嘱託再雇用をしていました。嘱託給与は職員給与より低額です。そして現在も定年再雇用された嘱託が従業員として残っています。
先般、定年再雇用されたトラック運転手が正社員と同じ賃金の支払いを求めた裁判で、「定年後の再雇用での賃金引き下げは労働契約法違反」との判決が出ました。同一価値労働同一賃金の観点から「不合理な格差」と判断されたものと思います。
そこで、有期雇用と無期雇用の間の労働条件における「不合理な格差」の判断基準を教えてください。下記にいくつかを例示します。
①事務職の定年再雇用での賃金引下げ。
②同じ部署の事務スタッフにおいて、人事異動・転勤が前提の職員と、異動転勤のない嘱託(有期契約・常勤)の間に賃金格差を設けること。
③全国への異動・転勤が前提の総合職員と限定地域内での異動を希望したエリア職員との間に賃金格差を設けること。
④上記①②③のケースについて、本人同意の上契約書を締結している場合も「不合理」と判断されるものでしょうか。
以上
投稿日:2016/05/26 12:37 ID:QA-0066197
- ひとごとがかりさん
- 東京都/その他業種(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、当判決内容につきましては地裁レベルのものであり、また事案の詳細事情によって判断も異なる事が考えられます。加えまして、「不合理な格差」の明確な判断基準なるものまでは現状存在しませんので、あくまで参考意見としての回答になります旨ご了承下さい。
その上で申し上げますと、今回の判決内容、すなわち「同一価値労働同一賃金の観点」から考えれば、①のみでは不合理と判断されることになるでしょう。これに対し、②や③のように明確に役割や責任度合いが異なっており、現実にそのような差異が見られるとすれば、不合理とは考えにくいといえるでしょう。
ちなみに、今回の判決でも当人の同意が真に自発的な同意でないとされていますので、表面上の同意があるからといって賃金引き下げが可能になると即断する事は避けられるべきといえます。
投稿日:2016/05/26 20:43 ID:QA-0066208
相談者より
ご回答ありがとうございます。
「真に自発的な同意」かどうかも含め、事案の詳細事情によって判断が異なるということですね。
今後も注視していきたいと思います。
投稿日:2016/05/27 11:24 ID:QA-0066216大変参考になった
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