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[人事サービス]

2018/06/07

リアルタイム心理計測と機械学習による個人のワーク・エンゲイジメント向上要因を推定する技術を開発~「成長機会」や「裁量」など、一人ひとりのやる気向上要因を推定。組織の生産性向上に貢献:NTTデータ経営研究所

株式会社NTTデータ経営研究所(以下:NTTデータ経営研究所)は、ワーク・エンゲイジメント向上要因を評価するプロトコル開発の実証実験に取り組み、働く意欲を上下する一人ひとりの要因推定に成功しました。

実験の結果、ワーク・エンゲイジメントは個人の中でも経時的に変化しうるものであり、そうした変化は「自分が成長の機会を与えられているか(上司に評価されているか)」(※)といった実感や、「職場の温湿度環境」といった外部要因により変化することが示されました。

約半数の人が「上司に評価されている」と感じたときにワーク・エンゲイジメントが向上していましたが、ワーク・エンゲイジメントが変化する要因については大きな個人差が存在することが分かりました。

この評価プロトコルを活かすことにより、自社の従業員のワーク・エンゲイジメント向上要因を個人レベルで把握し、個々に有効な介入が可能となります。こうした取り組みにより、企業の生産性の向上だけでなく、離職の防止や優秀な人材の確保も期待できます。

 

今後、NTTデータ経営研究所では、こうした個人の特性に踏み込んだ評価プロトコルの提供を通して、多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが、やりがいをもって働ける環境を構築する支援コンサルティング等を提供していきます。

※仕事の資源に関する先行研究における「成長機会(Growth Opportunities)」成分の中で寄与の高い「上司からの評価」項目を実験で使用。
参照元:S ROTHMANN K MOSTERT M STRYDOM. A PSYCHOMETRIC EVALUATION OF THE JOB DEMANDSRESOURCES SCALE IN SOUTH AFRICA. SA Journal of Industrial Psychology,32 (4) 76-86 (2006).

 

【背景・活動の経緯】
いまや人口の三人に一人が高齢者という時代になり、少子高齢化が深刻化しています。それにともなって労働力人口も減少の一途をたどっています。こういった人口構造の変化を受け、企業には従業員の離職を防ぎ、労働力を確保することが求められています。

厚生労働省の調査によると、入職超過率(転入職者÷退職者)はここ3年で低下しており、離職率は約11%(2016年度)と、横ばい状態です。特に、大学の新卒就職者の三年目までの離職率は、32.2%(2016年度)で、厚生労働省が調査を始めて以来、就職者の約3割となっており改善の兆しは見えていません。

従来から日本の労働市場では、長期的に従業員の育成を行うことで、企業特有の能力を蓄積することを重視してきました。これは、長期雇用によって従業員の作業効果が上昇し(=経験曲線効果)、ほかの企業に対して優位性を高めることが期待できたからです。しかし、離職率が上がり雇用の流動性が高くなると経験曲線効果を期待することができず、結果として企業の収益性を下げる可能性があります。また、企業には、従業員の離職にともなって新たな人材確保費用と人材教育費用がかかる等、コスト面のデメリットも大きいことが指摘されます。

 

そうした背景の中で、従業員の離職を防ぐための施策として注目されているのが、「自発的な貢献意欲(エンゲイジメント)」の向上です。これまでの伝統的な日本企業文化として、「共同体としての仲間意識」を重視するような施策(例:年功型賃金・終身雇用)により、企業への帰属意識を育ててきましたが、IT・グローバル化等の環境変化によって働き方への価値観が多様化してきました。中でも、優秀な人材ほど自己のキャリア実現を図るため、「エンゲイジメントの意識」が強いことが報告されており、企業側は「働きがいのある企業」の実現を目指す必要が出てきています。

こうしたワーク・エンゲイジメントへの注目が高まる一方で、これまで調べられてきたのは単一時点かつ個人間で共通の要因についてであり、日々のエンゲイジメントの変化要因やその個人差については明らかにされていませんでした。これらの課題は、実際の職場で日々の変容や個人差に対応した適切な介入などを目指していく上で大きな障壁になると考えられます。また、直接的に「あなたはどのような理由で仕事へのエンゲイジメントが上がると思いますか?」と聞く様な手法では、そもそも回答が難しく、本人の無自覚的な要因については評価できないという問題があります。

 

そこで、この課題を解決するために、記憶に頼ることなくリアルタイムでワーク・エンゲイジメントとその他の状況に関するデータを取得し、さらにそれを経時的に実施する実験プロトコルを開発し、個人のワーク・エンゲイジメントの変容要因を評価することを目指しました。

 

【実証実験における役割】
 企画・実験・解析:
NTTデータ経営研究所
 研究助言:島津 明人教授(北里大学 一般教育部人間科学教育センター)

 

【概要(特長)】
 期間:
一人当たり2週間
 参加者:35名(大手サービス業とNTTデータ経営研究所の従業員)
 内容:実験期間中、平日の出勤時、昼休憩、退勤時(さらに月曜日のみ朝)に、実験参加者のスマートフォン経由で、リアルタイム心理質問尺度(現在のワーク・エンゲイジメントの強度と、仕事の状況、対人関係、プライベートの状況等)に回答してもらいました。また、ワーク・エンゲイジメントが変化したタイミングでも回答させました。

取得情報:
ワーク・エンゲイジメントの指標として、以下の3項目を取得し、それらの加算得点で評価しました。

 活力:仕事で活力があふれるように感じている
 熱意:仕事に熱心に取り組んでいる
 没頭:つい夢中になって仕事をしている

同時に、仕事の資源(成長機会等)、仕事の要求(量・質)、環境(音や温度)、組織の人間関係、プライベートの人間関係、気分状態 等の17項目を取得しました。

さらに、定期アンケートでは定期ごとの情報(出社時刻や食事の有無、仕事内容等)、ワーク・エンゲイジメント変化アンケートではワーク・エンゲイジメントが変化したイベントの情報に関する項目を取得しました。

解析方法:
ワーク・エンゲイジメント3指標の総合得点を目的変数に、その他17指標を予測子として(全変数を実験参加者内で標準化)、機械学習の一手法であるスパースモデリング※を実施し、一人ひとりの「ワーク・エンゲイジメントモデル」の重み係数(ワーク・エンゲイジメントの変化を予測する強さ)。

モデル構築で問題になる過学習を避けるため、正則化係数の選択に当たっては5分割交差検定で、最も予測誤差(MSE)が少なくなるものを選択しました。

さらに、一人ひとりのモデル係数にワーク・エンゲイジメントの平均値及び標準偏差を加え、階層クラスタリング(ウォード連結・相関距離)を実施しました。

※スパースモデリング:予測子の量が観測数より多い場合(ワイドデータ)に、目的変数を予測する予測子以外を排除する(スパースにする)回帰分析の一種

 

【本件に関するお問い合わせ先】
■ 報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括部 経営企画部
広報担当
Tel:03-5213-4016
E-mail :webmaster@keieiken.co.jp

■ 共同実験に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
情報未来イノベーションセンター
ニューロイノベーションユニット
小林、茨木

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社NTTデータ経営研究所 http://www.keieiken.co.jp/ /6月5日発表・同社プレスリリースより転載)


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