日本の人事部 2019 Vol.7
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企業と個人を結ぶ“エンゲージメント”とは「人・組織・経営」研究の第一人者に聞くかつて企業と個人は、新卒一括採用・終身雇用制度によって生まれる、ある種の「主従関係」で結びついていました。企業は従業員の生活を生涯にわたって保証し、従業員は企業のために働く。こうした考え方が多くの日本企業に根付いていたのです。しかし今、企業と個人の関係は大きく変化しつつあります。企業が従業員の生活を保障し続けることが難しくなる中で、転職や副業をする人が増加。企業という枠を越えてキャリアを考えることも、当たり前になりました。キャリアプランに合わせて個人が働く環境を選べるようになれば、人材の流動化が進み、企業と個人の関係は対等なものへと変わっていきます。こうした状況下で企業と個人を結びつけるのが、「エンゲージメント」。組織と個人の成長の方向性が連動し、互いに貢献し合える絆です。自社に愛着を持ち、共に成長していきたいと考える従業員を増やすことは、今後の企業経営における重要な課題であるといえます。では、人事や経営者はどのように従業員のエンゲージメントを高めていけばいいのでしょうか。「人・組織・経営」に関する研究の第一人者の方々に、「組織開発」「幸福学」「リーダーシップ」という三つの観点から、そのヒントについて語っていただきました。正解のない不確実な時代に必要なリーダー像とは?儲けに対する健全な欲を持ったリーダーが新たなビジネスを動かす幸せな経営は対話から エンゲージメントを高める“やりがい”と“つながり” 一橋大学大学院 経営管理研究科 教授楠木 建さん慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授前野隆司さん巻頭インタビュー人や関係性などの「見えにくいもの」に働きかけて組織を活性化 現場と協働する人事が「組織開発」の担い手になる 南山大学 人文学部心理人間学科 教授人間関係研究センター センター長 中村和彦さん

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