日本の人事部
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日立製作所では、「社会イノベーション事業」を中心に事業のグローバル化を進めており、海外売上高比率は43%を超えています。このような状況下、同社では現地主導経営を推進し、グローバル展開を加速するための「グローバル人財マネジメント戦略」を策定。これを推進する専任組織として、2011年7月に「グローバル人財本部」を新設しました。果たして、同社では具体的にどのようにして、新しい人財マネジメントを実践していこうとしているのでしょうか。日本の人事部「HRアワード2013」で「企業人事部門 個人の部 最優秀賞」を受賞され、いま多くの人事担当者の方々からの注目を集めている、同社人財統括本部副統括本部長(グローバル人財戦略担当)の山口岳男さんに、詳しいお話を伺いました。日本の人事部「HRアワード2013」企業人事部門 個人の部最優秀賞 受賞「人」基準から「仕事」基準へ ――日立製作所が取り組む、グローバル視点に基づく人財マネジメントとは株式会社日立製作所 人財統括本部 副統括本部長(グローバル人財戦略担当)山口岳男さんやまぐち・たけお/1975年に日立製作所入社。一貫して、人事・総務関係を担当。1985年~1990年、日立アメリカ(米国ニューヨーク)勤務。その後、本社勤労部国際グループ部長代理等を経て、2003年~2009年Hitachi Global Storage Technologies,Inc(米国カリフォルニア・サンノゼ)の人事部門責任者(Vice President)。2009年~2011年 株式会社日立総合経営研修所取締役社長。2011年4月から日立製作所人財統括本部副統括本部長。ーー日立製作所では、他社に先駆けてグローバル展開にシフトした人事戦略を推進されていますが、その経緯についてお聞かせください。 日立製作所の経営戦略において、グローバルでの成長は大変重要な課題です。もちろん、国内市場での成長も大切ですが、現在は新興国を中心とした海外での成長に重点を置いています。売上高は将来的に海外が5割を超える見込みですが、それと同時に人員構成も日本と海外の比率を5対5にする計画です。この数字の持つ意味は、とても大きいと思います。 なぜなら、あらゆる部門にインパクトをもたらすからです。例えば人財部門には、「日本の伝統的な人財マネジメントで日本人以外の人をマネジメントできるのか」「そもそもグローバルに展開するビジネスをマネジメントできるのか」などの問題があります。あるいは一部の本社機能が海外に移転することを想定すると現状の経営マネジメント、人財マネジメントで効率的にうまくビジネスを運営していくことは難しいでしょう。 そこで発想を転換し、まずグローバルという人財マネジメントがあり、その下に日本も含めた六つの極(日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、インド、中国)をフラットに置く。日本をアメリカやヨーロッパなどと並ぶ一地域と捉え、実際のビジネスと協働しながらグローバル共通の人財マネジメントの仕組み・なぜ、グローバル展開にシフトした人事戦略を推進するのか46

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