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リモートワークでのコミュニケーション問題を、ロボットの力で解決する(前編)

吉藤 健太朗さん(株式会社オリィ研究所 共同創設者 代表取締役 CEO)

2016/11/30実践リモートワーク・働き方オリィ研究所吉藤健太朗OriHime

リモートワークが進む企業とそうでない企業との違いは、「目的の定義」と「柔軟性」にある

株式会社オリィ研究所 吉藤 健太朗さん

その他の会社での分身ロボット活用事例はありますか。

リモートワークの例ですと、営業シーンで活用いただく会社さまもあります。たとえば、資料を作成した社員本人がどうしてもプレゼンの場に同席できない場合、OriHimeを通じてのコミュニケーションが有効です。顧客側から資料についての詳しい質問を受けても、分身ロボットを通じてその場で返答することができますし、自分のプレゼン資料に対する顧客の反応をモニタ越しに感じることができますので、モチベーションアップにもつながるでしょう。

また、他の会社さまでは、従来は2名で海外出張していたところ、「1名+分身ロボット」で済むようになり、大幅なコストダウンを実現したケースもあります。その他、海外拠点とのコミュニケーションに用いたり、採用面接の一部を代行することに活用されたりと、その用途は拡大しています。OriHimeはかばんの中に入る大きさですのでそれほど重くありません。営業や面接のシーンで活用されるようになったのは、この携帯性が寄与していると思います。

リモートワークが成功する企業と、そうでない企業の違いは何でしょうか?

リモートワークを何のためにやるのか、その目的が定義されていることと、施策の企画・実行を行う際の柔軟性が大切だと思っています。「実際にSkypeなどのツールで試してみたのですが、なかなかうまくいきません。コミュニケーションにおけるアナログな部分が課題だと思っているので、OriHimeを試してみたい」という依頼を受けるケースがあるのですが、このようにすでにいろいろな可能性を試行錯誤されている会社さまは、うまく行くことが多いように思います。

私たちとしても、「OriHimeを納品して終わり」というスタンスではありません。それぞれの会社さまに使っていただきながら、課題を一つひとつ解決するために、機能をできる限りカスタマイズしたり、フィットする使用方法を提案したりもしています。目的に対して、柔軟かつ粘り強く現状を改善できる会社さまが、やはり成果を上げていらっしゃいます。

リモートワークが進む一方で、Face to Faceで行った方が、円滑に進む業務も当然あります。今後はおそらく、仕事のあり方も変わってくるでしょう。私自身が考えているのが、「生活するために仕事をしなくてはならない」時代から、「自分自身で選択して、本当にやりたいと思ったことをやる」時代への変化です。

子育てでも、趣味の世界でも何でもいいですが、それらを人生のメインに置いて、スキマの時間などをつかってリモートで仕事をこなすことも可能になるかもしれない。人生における主従が逆転する日が来るかもしれません。

 


2016/11/30実践リモートワーク・働き方オリィ研究所吉藤健太朗OriHime

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