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Mixed Realityの可能性
~日本航空の「仮想」訓練プロジェクト~(前編)

速水 孝治さん(日本航空株式会社 商品・サービス企画本部 業務部 業務グループ グループ長)

「匠の目」の伝承

日本航空株式会社 速水 孝治さん

MRならではの学習効果として、ほかにはどのようなものがありますか。

この仮想訓練プログラムの大きなメリットとして挙げたいのが「匠の目」の伝承です。やはり若手とベテランとでは、作業中に見ている箇所が違っていたりします。そして、それを口頭指示やマニュアルだけで伝達するのは難しい。ただし、このプログラムではベテランパイロットやベテラン整備士の「目の動き、目線の位置」を画面上に表示させることができ、今まで半ば暗黙知として若手に伝達が難しかった知見を伝えていくような仕掛けも実装可能です。

これにより、訓練者の目線を機器がトラックして、見ている箇所が違ったら教官が指摘することもできます。また、実機や既存のシミュレーターで訓練する場合と比較して、何度も繰り返し訓練しやすいので、トレーニング効果も高いです。「匠の目」を後世まで引き継いでいくこと、これだけでも今回のプロジェクトには十分な投資価値があるのではないかと感じています。

また、3Dホログラム映像を補足する説明を画面表示させることもでき、実際に現場で働く整備担当者たちに体験してもらったところ、「展開構造図をエンジンと同時に見ることができ、とてもわかりやすい」と言ってもらえました。どのパーツがどのように関係しているのかも立体的に再現できますので、理解促進に大きく役立つものであると実感しています。

 


2016/11/02実践活用事例Mixed RealityMR日本航空JAL

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