株式会社インタツアー:神戸大服部准教授登壇。激動の採用市場に適応する「経営戦略に基づいた新卒採用の方法論」 [講演レポート]

日本の人事部「ＨＲカンファレンス2022-春-」開催レポート

神戸大服部准教授登壇。激動の採用市場に適応する「経営戦略に基づいた新卒採用の方法論」

作馬誠大氏（株式会社インタツアー代表取締役社長）
服部泰宏氏（神戸大学大学院経営学研究科准教授）

特別講演 [H-4]2022.06.21 掲載

採用活動が早期化、オンライン化する中で、採用対象であるZ世代の価値観が変化。採用環境や学生の状況が大きく変わりつつある。企業は今、現状を理解したうえで対策を打ち、経営戦略に基づいた採用を行う必要がある。本講演では採用に詳しい神戸大学の服部准教授を迎え、経営戦略に基づいた新卒採用をどう設計するのかについて議論した。

プロフィール

作馬誠大氏（株式会社インタツアー代表取締役社長）

（さくまあきひろ）2020年より、株式会社インタツアー代表取締役社長に就任。同社では学生の日本最大級の企業インタビュープラットフォーム『インタツアー』を展開し、学生のより本質的な就活とOne to One の共感を採用ブランディングにもたらす支援を行っている。

服部泰宏氏（神戸大学大学院経営学研究科准教授）

（はっとりやすひろ）日本企業における組織と個人の関わりあいをコアテーマに、経営学的な知識の普及の研究、日本、アメリカ、ドイツ企業の人材採用に関する研究などに従事。2018年以降は、企業内で圧倒的な成果をあげる「スター社員」に関する研究も行っている。

新卒採用市場の現在：市況の変化を踏まえた前提条件とは何か

インタツアーは新卒採用領域で、採用マーケティングサービスを展開。毎月約14万人の学生に利用されているメディア、インタツアーを運用しており、本質的なマッチングを支援している。同社には100名近くのインターン学生が所属しており、リアルな学生の動きや変化を捉えながら、事業を展開している。

インタツアーは、学生と企業がインタビューという手法で接点を持てる新しい新卒採用サービスだ。インタビュー後のレビューを学生発のコンテンツとしてSNS配信することができ、3年生だけでなく1年生、2年生も参加している。企業はインタツアーの導入により、ターゲットを絞ったSNS発信で母集団形成が可能。集まった学生の志望度を独自のツールで可視化できる。また、内定後の離脱をなくすために、企業の魅力を最適なタイミングで発信することも可能だ。

講演ではまずインタツアーの立見雄哉氏が、新卒採用市場の現在について解説した。

「22年卒についての企業アンケート（マイナビ調査）によれば、『量・質とも満足』と回答した企業は36.5％で、昨年に比べて1％ほど減少していますが、採用充足率は21年卒と比較して向上。全体的な満足度は上がっています。しかし、上場企業と非上場企業の間では充足率に約8％の差があり、『大学＋大学院』においては前年の約12％差から約18%差へと拡大。採用格差が広がりつつあります」

そして、採用における課題についての質問では、「母集団の確保」と「辞退の増加」と回答した人が増えている。22年卒でより増えているのが「辞退の増加」だ。

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