今こそ考えたい「企業文化」の共有
リモートワーク環境でいかに維持し浸透させるのか
- 佐々木 丈士氏(Facebook Japan株式会社 人事統括 (Head of Human Resources))
- 齋藤 洋子氏(ユニバーサル ミュージック合同会社 人事総務本部 人事部 部長)
- 楠本 和矢氏(HR Design Lab. 代表/株式会社博報堂コンサルティング 執行役員)
企業が持続的に発展していく上で欠かせない「企業文化」。社内に企業文化を浸透させることの重要性が叫ばれる昨今だが、一方では新型コロナウイルスの影響が拡大し、オンラインを中心とした就業環境でのコミュニケーションに課題を抱える企業も少なくない。コロナ収束後もリモートワークが一定レベルで継続されることが見込まれる中、新しい働き方のもとで企業文化を共有していくためには何が必要なのか。現在も完全リモートワークで事業を展開しているFacebook Japan、エンターテインメント業界ならではの働き方改革を実践するユニバーサルミュージックの取り組みをヒントに、企業文化の浸透について考察した。
(ささき たけし)フォード・ジャパン・リミテッド、フィリップ モリス ジャパンにおいて人事ビジネスパートナーとして、さまざまな事業部門の組織開発を担当。2015年6月よりフェイスブックに入社、日本、韓国、パートナーシップ事業部の人事戦略を担当。
(さいとう ようこ)2002年ユニバーサル ミュージック合同会社人事部採用担当として入社。産休・育児休職を経て、人材開発企画に従事し、2013年EMIミュージックとの合併・組織統合プロジェクトに参画。2015年人事部部長に就任し、人事制度・雇用制度の再構築および働き方改革などを通じて経営課題に取り組む。
(くすもと かずや)神戸大学卒。丸紅株式会社、外資系コンサル会社を経て現職。多くの企業支援案件の統括役を努め、現在は、HR Design Lab.代表として実践に基づくHRソリューションを開発提供。著書に『トリガー 人を動かす行動経済学』『パワーファシリテーション』『人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント』など
仕事内容や報酬は他社でも代替可能だが、企業文化は「唯一無二の価値」となる
セッションの冒頭では、株式会社博報堂コンサルティング 執行役員/HR Design Lab.代表を務める楠本和矢氏が登壇した。
2001年に設立された博報堂コンサルティングは、博報堂グループの中でもブランディングやマーケティングの領域に特化したコンサルティング会社。楠本氏が率いるHR Design Lab.は、人材育成や組織活性化など、HR領域においても豊富な知見を有する。特徴的なのは学びを即座に現場で活用できるレベルまでコンテンツを落とし込む「再現性」で、それらのコンテンツは研修プログラム「JAMシリーズ」として提供され、現場の従業員に備わるスキルや暗黙知を引き出すための継続的な仕組み作りを支援している。
博報堂コンサルティングは、企業文化を「その組織の従業員に共有されている、すべての行動に関して何を重視するか、何を好むかについての価値観」と定義している。楠本氏は「組織に属する一人ひとりに対し、企業文化に即した行動を促す役割がある」という。
「何のために企業文化を醸成するのかを突き詰めていくと、答えはシンプルです。まずは人を採用するため、そして人を辞めさせないため。仕事内容や報酬などの基本条件は他社においても代替可能ですが、企業文化はその会社にしかない、唯一無二のものだと言えます」
それでは、企業文化を浸透させるための「カルチャーマネジメント」には何が必要なのだろうか。楠本氏は以下の要件を紹介した。
博報堂グループ初の、HR(人材育成)に特化した専門組織、“HR Design Lab. ”代表の楠本和矢を筆頭に、今を生きるミドルマネジャーに特に必要となるスキルにフォーカスし、博報堂が有する生活者の視点+クリエイティブなアプローチを融合した、独自の人材育成ソリューションを開発。 現場での「実践知」に満ちたプログラムが好評を博し、受講満足度は平均98.8%。顧客からの熱い支持に支えられている。
博報堂グループ初の、HR(人材育成)に特化した専門組織、“HR Design Lab. ”代表の楠本和矢を筆頭に、今を生きるミドルマネジャーに特に必要となるスキルにフォーカスし、博報堂が有する生活者の視点+クリエイティブなアプローチを融合した、独自の人材育成ソリューションを開発。 現場での「実践知」に満ちたプログラムが好評を博し、受講満足度は平均98.8%。顧客からの熱い支持に支えられている。
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