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研修を結果につなげる!
習慣化のプロが教える「現場実践率を飛躍的に高めるノウハウ」

2015.6.23 掲載
古川武士氏 Photo

企業研修でいろいろなことを学んでも、なかなか現場で活用されない、また、長続きしないことに悩む人事は多い。忙しい日々の仕事の中で、どうすれば習慣化までたどり着けるのだろうか。習慣化のプロである古川氏は、乗り越えるポイントとして「行動の具体化」「リマインド」「柔軟性」を挙げる。今回のワークショップでは、研修後に実際に行われる「習慣化セッション」を再現。古川氏が習慣化に至るノウハウについて解説した。

プロフィール
古川武士氏(習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役)
古川武士氏 プロフィール写真

(ふるかわ たけし)関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。確実な成果を出すためには「習慣化」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術を基に、企業への行動定着支援を行っている。2万人以上のビジネスパーソンの育成に携わってきた。著書は「続ける習慣」など9冊で30万部を越え海外でも翻訳されている。


研修内容が実践されない理由は「曖昧」「忘れる」「時間がない」

習慣化コンサルティングの代表である古川氏は、これまで120社、2万人への研修を行い、「習慣化」が最も求められる課題だと痛感。ビジネス化を決断したという。開発された習慣化のメソッドは、法人研修のアフターフォローや仕組みづくりに活用され、すでに大手ビルマネジメント会社や百貨店、携帯電話キャリアといった企業で実績を上げている。

ワークショップは、古川氏による「人材を育成するときの五つのレベル」についての解説から始まった。「五つのレベルとは、(1)分かる→(2)できる→(3)実践する→(4)習慣化する→(5)教える、の五段階です。各々に壁がありますが、今日はこのうちの「(3)実践すると(4)習慣化する」について解説したいと思います」

研修は成功したが、実践されない。研修直後はやる気があったはずなのに、職場に戻ると多くの人が実践できていない――。古川氏は、研修そのものはうまくいきながらも、それでも学んだことが実践されないことについて、三つの問題点を指摘する。

「一つ目の問題は、何をするかを落とし込めていないことです。これは意外に本人も気付いていません。要するに、脳が『すぐ行動する』というレベルにまで、行動の中身が落とし込まれず、曖昧になっている。行動を習慣化させるには、何をすべきかが明確になっていないといけません。内容が抽象的になっているケースはすごく多いですね」

二つ目の問題は、本人が内容をすぐに忘れてしまうこと。アクションプランを書いていても、職場に行くと内容を忘れている。書いたはいいが、リマインド(思い出し)しないと思い出せない。当たり前だが、書いたものを見る習慣をつくらないと、いくら書いても同じだ。三つ目の問題は、日常業務に忙殺されて実践する時間がないこと。現場に戻ると、忙しくてそれどころではなくなる。ここを想定して対応しないと実践はできない。

ここで古川氏は、習慣化できないケースでのやる気グラフを示した。「やる気を縦軸、研修からの経過時間を横軸にすると、研修直後がやる気は一番高い。しかし、それも一晩寝ると一気に下がってしまいます。職場に戻るともうそれどころではなくなる。そして忘れてしまう、という流れです。だからこそ、やる気がなくなることを想定して、アクションプランを立てなければなりません。やる気が落ちるときにどう行動するかが問題です」

例えば、「早起きして、ジョギングしよう」と目標を立てる。簡単そうに見えて、ここにはすでに二つの難題が重なっている。早起きもジョギングもどちらも大変だから、互いが障害となって習慣化されない。「人には無意識下に、いつも通りをキープしたい気持ちがあります。要するに変化したくない。それをわかった上で習慣化策を考えないとうまくいきません」

古川武士氏 Photo

「どんなレベルでもいいから、毎日行う」で習慣化できる

現場実践・習慣化セッションについて、古川氏はまず研修内容を行動、習慣化する3ステップについてレクチャーした。

「ステップ(1)は〈行動を具現化する〉、行動内容が曖昧になっているから、行動しないわけです。(2)は〈リマインドの仕組みをつくる〉。仕組みを本人がつくることが重要です。習慣化は自発的、能動的でないと成功しません。でも皆さんは能動的な成長意欲は必ず持っていますから、それに火を付ければ必ずやれるようになります。(3)は〈柔軟性を担保する〉。忙しいことは仕方ない。でも習慣化で大事なことは、とにかくどんなレベルでもいいから、毎日やることです。ところが毎日と言われた瞬間に、受講生にとってはハードルが高くなるんですね。高くしてしまったハードルはやれるところまで下げて調整することが大事。完璧主義では継続できません」

古川氏は、このような習慣化への働きかけはすべての研修で、セットで行うべきと語る。ここで、人事で習慣化セッションを考える際の設計要件について解説した。

「まず、受講生の『肯定的学習意図』を軸にモチベートすることです。強制ではうまくいきません。そして、誰でも思考力を使わず『直感的』に具体的行動に落とし込めること。簡単に落とし込めるよう工夫することで、どんな人でもアクションプランが具体的になります。また、疲れた研修のラストでも『楽しく』プランできることも重要。研修で相当疲れていますから、できるだけ省エネで、楽しくできる仕掛をつくることです」

他では「行動の心理を知り、現場活用への観点を付与すること」。なぜ習慣化できないのか、その流れをきちんと解説しておく必要がある。また、時間は「1時間」のセッション内容にすること。そして「汎用性」のある内容にし、どんな研修の後でも行えるようにすることがポイントだ。

悪いアクションプランの8割は「何を」「どうするか」が不明確

いよいよここから、現場実践・習慣化セッションの実演デモが始まる。「ここで前の研修が終わりました。コミュニケーション研修だったとしましょう。それでは、本日の研修内容のレジュメを元に、今後実践することを五つ書き出してみましょう」

ステップ1 行動を具体化する
「ここで、演習を行います。悪いアクションプランリストを配りますので、まずはグループで、このプランの何が悪いのかを考えてみてください」

ここで参加者から、例文のどこが良くないかについて意見発表が行われた。

例1「顧客のニーズをきちんと捉える」
「例文は具体的でなく、何をどうするかが不明確ですね。良い例は『お客様のニーズを確認する際に困りごとを確認するだけでなく、〈理想の状態〉〈ありたい姿〉をたずねる』ことです」

例2「PDCAを心がける」
「そもそもPDCAという行動がなく、何をどうするかが不明確。良い例は『週報にKPT(継続・問題点・挑戦)の欄をつくり、毎回記入する』ことです」

例3「語学力を高める」
「いつやるかが決まっていません。場面が決まらないと、発動のきっかけもない。もともとある習慣に合わせ技を行うことは良い方法だと思います。良い例は『毎日、電車の中では英会話を聞く』ことです」

古川氏は1000以上ものアクションプランを研究し、悪いアクションプランのポイントを確認した。悪いプランの8割は、「何を」「どうするか」が明確でなかった。アクションプランは、その瞬間がきたときに、すぐに行動できるものでなければうまくいかない。プランの書き換え例がいくつか紹介された。

BAD「信頼関係を構築する」

GOOD「顧客訪問後は24時間以内にお礼のメールを送信する」

BAD「上司を巻き込んで営業する」

GOOD「ターゲット顧客への訪問時は訪問前後に上司との打ち合わせ時間を15分確保してもらう」

BAD「WINWINで考える」

GOOD「お客様に購買を勧める際は、お客様にとってのメリットを明確に伝える」

ステップ2 リマインドの仕組みをつくる
人は忘れてしまうので、それを前提に忘れない仕組みを用意する必要がある。ここで通常はディスカッションを行い、個々のリマインドの方法について考える。いかにすれば自分を発動できるかについて、本人が本気で考えるのだ。

「自己チェック習慣としては〈アクションシートをチェックする〉や〈リマインドカードを携帯する、貼っておく〉。小さく書き出して持ち歩くことはよい方法です。他に〈スマホアラームを設定する〉という方法もあります。また、他者チェック習慣もあり、〈上司にフィードバックをお願いする〉〈メンバーに行動を宣言する〉という方法もあります。周囲に手伝ってもらうことはよい方法です」

人は「やれない自分が嫌い」だから柔軟性が必要

古川武士氏 Photo

ステップ3 柔軟性を確保する
習慣引力には法則があり、人は変化が怖いため、いつも通りをキープしようとする。だからこそ、スタート当初はその抵抗に勝てるよう、内容に柔軟性を持たせる必要がある。

習慣化の流れは、まずアクションを最初起こそうとすると、現状に戻す引力が強く働く。最初はここが一番大変になる。だからここでは「ベビーステップ」と呼ぶ、小さく始める手法を用いる。徐々に抵抗が弱まってきたら、そこで例外ルールをつくっておき、とにかく毎日続けることを死守する。徐々に飽きてくる場面もあるが、モチベーション対策を取りながら習慣は続けていく。

「少しずつ始めるベビーステップは大変効果があります。赤ちゃんのように、少しずつの行動で連鎖を途切れさせないのです。抵抗する気持ちがなくなるまでは、ハードルを低く設定します。コツは〈時間を短くする〉〈場所・場面を限定する〉〈難易度を下げる〉。ほんの少しでも毎日やれれば気持ちはつながります」

もう一つの手法は「例外ルール」だ。外出時、上司不在時、超多忙時、休日、疲労時といった言い訳してしまいそうな場面用に、例外の条件を決めておく。人はやれなかった自分と向き合いたくない。嫌な自分と向き合うと止めてしまうため、少しでも行って毎日続ける。少しでもやることが重要だ。

「心理的に『今日もやった』と思えることはすごく大切です。何もしないことが一番いけませんから、無意識下に行動を覚えさせるためにも必ず毎日行うようにするわけです」

最後に古川氏は、習慣化セッションを人事で行う際の注意事項に触れた。習慣化セッションは全社展開し、会社の姿勢を示す上でも人事から講師を出すことに意味がある。そのとき人事に求められるスキルは以下のようなものだ。「第一に受講生の前向きな意欲を引き出すこと。それが能動的な取り組みを促します。そして、受講後の疲れを楽しさでカバーすること。セッションのリズムやツールが必要になります」
「弊社の行動・習慣化セッションは、講師経験がない人事担当の方でも実践できるよう、緻密に設計されています。二日間のワークショップも開催していますので、よろしければご参加ください」と講演を締めくくった。

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習慣化コンサルティング株式会社は、習慣化に特化した日本で唯一のコンサルティング会社です。独自の習慣化メソッドを開発し、これまで120社以上、2万人の社員の育成に携わってきました。当社は、企業研修後の「行動変容」をテーマに行動の習慣化の仕組みづくりと朝型勤務&残業削減の習慣化支援といったコンサルティングを行なっております。

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