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研修会社の選び方

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自社だけで、全ての研修を実施するのは難しい。社内に人材育成や研修実務に長けた人材が数多くいるわけではないからだ。また、研修計画を立案するための時間をなかなか捻出するできないケースも多い。そこで、外部の研修会社を利用していくことになる。以下、研修会社を選ぶ際のポイントを整理していく。

研修会社の特性

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企業に研修プログラムを提供したり、人材育成に関するコンサルティングを行ったりする研修会社は数多いが、規模別に見ると、大手数社と多数の中小企業という構造になっている。大手の研修会社は、コンテンツやメニューが多く、講師の数も多い。いわば百貨店型の研修会社と言える。サービスレベルや営業担当者の対応は標準化していて、研修プログラムだけでなく、コンサルティング、組織開発、テキスト・ビデオの作成など、さまざまな付加価値を持ったサービスを提供している。また、自前の研修ルームなどの設備も整っている企業がほとんどである。

一方、大多数を占める中小研修会社は、一つのコンテンツに特化しているケースが多い。業界の中でもカリスマと呼ばれる講師が、独自のプログラムで行うケースもある。研修内容のカスタマイズについては、大手の研修会社と比べて、柔軟に対応してくれるケースが多いようだ。また、自社のニーズに合わせた個別の研修プランを立ててくれるなど、小回りのきく対応をしてくれる企業も多い。

研修会社を利用する理由、見直し頻度、研修費用

実際のところ、企業はどのような観点から研修会社を選んでいるのだろうか。「企業の教育研修に関する実態調査」(労務行政研究所・2011年)の中で、外部の研修会社を選んだ理由を聞いているが、「過去からの実績があるから」が55.8%と最も多く、回答企業の過半数を占めている。以下、「プログラムがしっかりしているから」47.5%、「会社(組織)として信頼できるから」42.0%、「自社の要望を研修内容に反映してくれるから」41.4%、「過去からずっと利用しているから」38.1%と続いている。

「実績がある」「信頼感がある」「ずっと利用している」といった失敗が少ない手堅さのほか、「プログラム内容」や「自社の要望に柔軟に対応してくれる」など、自社の人材育成ニーズと合致している点も、選択基準として重視されているようだ。 同調査では、具体的に利用している研修会社を挙げているが、その名前を見ても、大手から中小まで、実に幅広い顔ぶれが並んでいる。

■図表1:外部研修会社を選んだ理由
日本の雇用構造

出所:「企業の教育研修に関する実態調査」(労務行政研究所・2011年)

(注)選択肢の中には「ダイレクトメールで知ったから」があったが、回答数はゼロだった。※複数回答可

研修会社の見直し頻度は、「必要に応じて見直す」が72.0%と約4社に3社を占めた。次いで、「毎年見直す」が17.7%で続いている。経営戦略の要請によって、必要に応じて見直すケースが主流となっているようだ。

■図表2:外部研修機関の見直し頻度
区分全産業製造業非製造業
規模計1000人
以上
300~
999人
300人
未満
合計 100%
(181社)
100%
(49社)
100%
(64社)
100%
(68社)
100%
(98社)
100%
(83社)
必要に応じて見直す 70.2% 65.3% 73.4% 70.6% 65.3% 75.9%
毎年見直す 17.7% 24.5% 15.6% 14.7% 19.4% 15.7%
一定の期間で見直す 4.4% 6.1% 6.3% 1.5% 5.1% 3.6%
特に見直さない 7.2% 4.1% 4.7% 11.8% 9.2% 4.8%
その他 0.6%     1.5% 1.0%  

出所:「企業の教育研修に関する実態調査」(労務行政研究所・2011年)

ところで、外部の研修会社や外部講師を利用している企業は、どの程度の費用を支払っているのか。2009年度の実績を見ると、最低20万円から最高5339万円まで、実に幅広く分布している。これには従業員規模による格差もあるが、研修会社が実施しているセミナーに参加するだけのケースから、社内の教育・能力開発全般に関してコンサルティングしてもらうケースまで、そのかかわり方がさまざまであるため、このような幅広い金額の分布が生じていると考えられる。

平均額では、回答企業全体で733万円である。従業員規模別では、1000人以上が1999万円、300~999人が674万円、300人未満が348万円。なお、分布が幅広くなっているので、全数値の真ん中に位置する「中位数」で見ると、全体では400万円、1000人以上が1650万円、300~999人が500万円、300人未満が175万円という結果である。

■図表3:外部研修機関・社外講師へ支払った費用の総額(実績値)
- (社)、円 -
区分全産業製造業非製造業
規模計1000人
以上
300~
999人
300人
未満
社数 (59社) (10社) (19社) (30社) (30社) (29社)
2008年度 平均 8,946,610 23,222,000 9,346,316 3,935,000 11,411,667 6,396,552
  最低 100,000 1,000,000 1,500,000 100,000 100,000 400,000
  最高 83,220,000 83,220,000 35,480,000 20,000,000 83,220,000 20,000,000
  中位数 4,500,000 14,500,000 7,000,000 2,000,000 2,770,000 5,000,000
従業員1人当たり費用 20,533 8,816 20,258 24,613 15,045 26,211
2009年度 平均 7,329,831 19,989,000 6,740,000 3,483,667 9,465,333 5,120,690
  最低 200,000 1,000,000 1,500,000 200,000 200,000 300,000
  最高 53,390,000 53,390,000 20,000,000 20,000,000 53,390,000 20,000,000
  中位数 4,000,000 16,500,000 5,000,000 1,750,000 2,255,000 4,000,000
従業員1人当たり費用 16,762 8,428 14,981 20,688 13,987 19,633

出所:「企業の教育研修に関する実態調査」(労務行政研究所・2011年)

研修会社を選ぶ際のポイント

それぞれの研修会社には、得意分野がある。また、スター講師と呼ばれる人も存在する。研修会社を選ぶ際には、過去にどのような案件を手掛けてきたのか、どのような研修メニューを持っているのかなど、各社の特徴を理解し、その中から自社に研修ニーズと合った会社を選定していくことが大切である。

また、名前が同じ研修でも、研修会社によって内容が異なることは少なくない。そのためにも、Webサイト上で事前の情報収集をしっかりと行うようにする。場合によっては、他企業からヒアリングすることも有効である。


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