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人材紹介のシステム

本章では、人材紹介会社のタイプ別に、「求人開始から入社までの流れ」、及び「料金システム」について説明していこう。

登録型【完全成功報酬制】

登録型人材紹介会社の場合、内定を出した人材が入社した場合にのみ紹介料が発生する完全成功報酬制となることが多い。大まかな流れは以下の図をまずご覧いただきたい。
※契約内容により採用フローには若干の違いがある。

求人依頼・求人票作成
⇒人材紹介会社が候補者を選出・紹介
⇒求人企業での書類選考
⇒面接・内定
⇒内定通知書提示
⇒入社
⇒紹介料支払い
  • 完全成功報酬制の契約は、「コンティンジェンシー契約」と呼ぶ場合もある。
  • 実際に求人を依頼する前には、各人材紹介会社のシステム説明を受け、紹介料の支払い方法、早期退職の場合の返金規程などを盛り込んだ「覚書」や「契約書」を取り交わすことになる。個人情報の保護に関する取り決めを行う場合もある。
  • 求人票は、人材紹介会社側で作成してくれることが多いが、必要なデータはあらかじめ用意しておく必要がある。
  • 実際の紹介は、近年では電子メールで、履歴書や職務経歴書などの個人資料、および人材紹介会社からの推薦状などがセットで送られてくることが多い。個人情報をしっかり管理できる受け取り方を決めておきたい。
  • 書類選考から面接、内定までの間は、候補者に連絡を取る場合は必ず人材紹介会社を経由する。
  • 内定通知書(オファーレター)には、具体的な年収など採用条件を明示し、社印を押した書面で交付する。
  • 入社受諾後から初出社までの期間にも、内定者と接触する場合は、人材紹介会社に一報を入れておく。
  • 紹介料は、採用した人材の「理論年収」の30%前後が相場とされる。(ただし、職種、キャリア、採用難易度により異なる)
「理論年収」とは
紹介料を算出するベースとなる年収。通常、年収は「給与+賞与」だが、このうちの賞与を前年実績の平均額で支給するものと見なして計算したものが「理論年収」となる。 中途採用で入社した場合、最初の賞与は査定期間に在籍していないため金一封程度となることが多く、実際に初年度に支給される「給与+賞与」の合計額と「理論年収」には差が出ることには注意したい。
※内定通知書にもこの理論年収を記載する。年俸制の場合は、年俸総額がそのまま理論年収となる。

サーチ型【固定報酬制・複合報酬制】

サーチ型人材紹介会社の場合、人材のサーチに取りかかる前に費用を全額支払う「固定報酬制」と、着手時と紹介時・入社後に分割して支払う「複合報酬制」がある。いずれも着手時や紹介時に支払った料金は採用の成否とは関係なく返金されないので、求人企業と人材紹介会社の信頼関係が重要となる。大まかな流れは以下の図をまずご覧いただきたい。
※契約内容により採用フローには若干の違いがある。

■固定報酬制
求人依頼
⇒サーチ費用支払い(全額)
⇒候補者のサーチ
⇒紹介
⇒求人企業での選考
⇒条件交渉・内定通知書提示
⇒入社
  • 固定報酬制の契約は「リテーナー契約」と呼ばれる場合もある。
  • 人材紹介会社が責任を持って人材を探すシステムなので、一定期間は1社だけに依頼を限定する専属契約(エクスクルーシブ契約)とするのが一般的だ。
  • 企業と人材紹介会社の信頼関係の上に成り立つ紹介システムなので、人材確保の可能性は高いといわれる。仮に一定期間内に適切な人材を採用できなかった場合にも、一種の保険として、その後も採用できるまで紹介を続けるような契約とする場合もある。
■複合報酬制
求人依頼
⇒着手金支払い(費用の3分の1)
⇒候補者のサーチ・紹介
⇒中間金支払い(費用の3分の1)
⇒求人企業での選考
⇒条件交渉・内定通知書提示
⇒入社
⇒成功報酬支払い(残りの3分の1)
  • 複合報酬制の契約は「コンティンジェンシー契約+リテーナー契約複合タイプ」の意味である。
  • 標準的なパターンは、サーチ開始時に着手金として費用の3分の1を、候補者紹介時に中間金としてさらに3分の1を、そして入社後に成功報酬として残りの3分の1をというように3分割して支払うシステムだ。
    ※人材紹介会社によって料金支払いのタイミングなど契約パターンが異なるので十分確認したい。
  • 総費用は、採用した人材の理論年収の40~50%が相場といわれる。
  • 完全な固定報酬制ほどではないが、採用の成否にかかわらず支払わなくてはならない費用が発生するので、人材紹介会社の実績などを十分に把握した上で依頼することがポイントになる。

紹介予定派遣

派遣期間は通常の人材派遣と同様に派遣スタッフとして受け入れ、一定期間終了後に企業と人材の双方が合意すれば直接雇用することになる。大まかな流れは以下の図をまずご覧いただきたい。
※契約内容により採用フローには若干の違いがある。

求人依頼
⇒候補者の紹介・企業での選考
⇒派遣スタッフとして就業開始
⇒派遣期間(毎月派遣料金支払い)
⇒双方が直接雇用に合意
⇒従業員として入社
⇒紹介料支払い
  • 派遣での就業開始前には、面接や履歴書による選考が可能だ。
  • 派遣期間中(最大6カ月間)は、通常の人材派遣と同様に毎月派遣料を支払う形となる。
  • 派遣期間終了後に、企業と人材の双方が合意すれば、従業員として直接雇用に移行できる。この場合の直接雇用は正社員だけに限らず契約社員でもよい。
  • 直接雇用に移行する場合には、人材紹介会社(派遣会社)に対して紹介料を支払う必要がある。一般的に、通常の登録型人材紹介よりも安価に設定されていることが多い。
  • 紹介予定派遣でも、派遣法で派遣不可業務とされている職種については対象とすることができない。ただし、病院等への医療関連業務(医師・看護師など)のみは例外的に可能となっている。

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