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よくわかる講座 人材紹介掲載日:2012/10/07

人材紹介とは

イメージ写真

代表的な中途採用手段の一つ

「人材紹介とは、人材採用を行う企業に対して、条件にあった候補者を紹介する採用支援サービスだ。人材紹介会社は、厚生労働省から許認可を受けた民間企業で、求人企業からの紹介料で運営される。そのため、正式には「有料職業紹介事業」となるが、一般的には「人材紹介」という表現の方が圧倒的によく利用されている。なお、人材紹介には、新卒を紹介する「新卒紹介」もあるが、本稿では主に中途採用における人材紹介について解説していくことにする。

人材紹介は、転職サイトや印刷媒体などを通じて募集告知を行う一般公募と並んで、代表的な中途採用手段である。日本の人材紹介ビジネスは長い間、厳しい規制を受け、科学者や医療関係者、通訳といった29の専門職に取り扱いが限定されていた。しかし、1997年の職業安定法の改正により対象職種は原則自由化となり、さらに1999年の規制緩和でほぼ全面的に解禁(建設業務、港湾運送業務を除く)されことで、人材紹介ビジネスは急激に成長。2000年度は867億円だった市場規模が、2007年には2771億円を記録するなど、わずか7年で3倍に膨れ上がった。2008年のリーマンショックでいったん冷え込んだものの、2010年度は2163億円にまで回復し、人材紹介は採用に欠かせない手段として、存在感を増している。

■民営職業紹介事業における手数料徴収の年度推移

出所:厚生労働省「民営職業紹介事業 運営状況」
(注)平成11年度は、平成11年12月~平成12年3月分の4カ月間に徴収した手数料である。

利用が広がる人材紹介

人材紹介の利用が広まっているのには以下のような理由が考えられる。

1)厳選採用に適している

人材紹介の料金システムは、その多くが「完全成功報酬制」となっている。人材を採用した時だけ費用が発生するシステムなので、採用できなかった場合のコスト的なリスクがない。人材をじっくり吟味し、求めるレベル以上の人材だけを採用したいという厳選採用に最適の料金体系といえる。

2)人事の業務負担が少ない

人材紹介には、候補者の絞り込み、応募書類の管理、連絡業務、条件交渉、内定から入社までのフォローなど、さまざまな採用実務を代行する機能がある。人事部門のスリム化が進み、マンパワーが限られる中で採用を成功させないといけない企業にとっては、業務の負担が少なく便利なサービスである。

3)募集の自由度が大きい

人材紹介は公募などに比べて、候補者のリストアップが素早くできる、社内外に非公開で募集できる、公募では集まらないような層にもピンポイントでアプローチできる、など募集の自由度が大きいという特色もある。スピードとフレキシビリティを重視する現代の企業経営に対応できる採用手段だといえる。

人材紹介と公募の違い

ここで人材紹介と公募の違いを簡単にまとめてみよう。

  人材紹介 公募 ポイント
先行投資のリスク × 人材紹介は完全成功報酬制なので、採用できなかった場合には費用は一切かからない。
採用業務の負担 × 人材紹介は候補者の絞り込み、応募書類の管理、連絡業務、条件交渉などを代行してもらえる。
非公開求人 × 人材紹介を利用すれば、社内外に知られたくない募集を非公開で行うことができる。
採用1名あたりの費用 人材紹介はコスト面のリスクがないかわりに、採用人数が増えた分だけ費用も人数分発生してしまう。

「人材紹介のメリット」については第2章で詳しく解説する。

人材紹介会社の種類

人材紹介会社には大きく分けて「登録型」「サーチ型」「アウトプレースメント型」がある。また、「紹介予定派遣」も人材紹介の一種と捉える考え方もある。本稿では主に「登録型」について述べていくが、人材紹介を理解するための基礎知識として、それぞれのタイプについて概観しておこう。

1)登録型

転職希望者にあらかじめ登録しておいてもらい、企業から求人があった時には、その登録者の中から適切な人材をリストアップして紹介するのが登録型だ。紹介される時には、専任のキャリアコンサルタントが応募意思を確認しているのが一般的なので、企業側はすぐに書類選考を開始できる。「人材紹介会社」という時、特にことわりがなければ、この登録型をさすことが多い。もっともベーシックな人材紹介会社といえるだろう。

登録型の中にも、幅広い業種・職種を扱う「総合タイプ」と、さまざまな業界・職種に特化した「専門タイプ」がある。一般的に、総合タイプは求人情報を大量に持っているので登録者も多数集まっている。もう一方の専門タイプは得意分野に強いキャリアコンサルタントがいるため、その分野に絞った転職活動を希望する求職者が集まっているのが特色といえる。ただ、総合タイプと専門タイプの境界線は明確に定まっているわけではなく、専門タイプに近い総合タイプやその逆などもある。

登録型

2)サーチ型

企業から依頼された求人にふさわしい人材を「探し出して(サーチして)」紹介するのがサーチ型だ。登録型がもともと転職を希望している人材を対象としているのに対して、サーチ型は転職希望のない在職中の人材であっても接触して、転職の動機づけから行うのが大きな違いといえる。「ヘッドハンティング」「スカウト」ともいわれる。

もともとは「エグゼクティブサーチ」といわれ、企業の社長、役員、管理職クラスの候補者を主に紹介するサービスだったが、現在ではその幅を中堅層やスペシャリスト、エンジニアなどにも広げている。紹介会社側で候補者を探すだけでなく、求人企業側が用意した人材リストに沿って転職意向を確認したり動機づけを行ったりもする。人材を探し出し、転職の動機づけを行うには、ある程度の時間と作業が必要になるため、契約開始時に着手金(リテーナー)といわれる費用の一部を前払いするのが一般的だ。

サーチ型

3)アウトプレースメント型

企業がリストラなどの人員削減を行った際に、退職者の再就職を支援するサービスが「アウトプレースメント」である。具体的な再就職支援の一環として、教育研修やキャリアカウンセリングなどと共に転職情報の提供(人材紹介)を行っている。アウトプレースメントの費用は、退職者を出した企業が負担するので、新たに雇用する企業が紹介料を支払う必要はない。

中高年の人材が多いなどアウトプレースメント型ならではの特徴はあるが、経験豊富な人材がコストゼロで採用できるメリットもある。

アウトプレースメント型

4)紹介予定派遣

正社員(または契約社員)として直接雇用することを前提に、最長6カ月間人材を派遣するシステム。人材紹介(有料職業紹介)だけでなく人材派遣の許認可も必要になる。派遣期間に企業と人材がお互いの相性を見きわめられるシステムであり、採用後のミスマッチを起こさないための一種の「試用期間」と考えるとわかりやすい。従業員として直接雇用する場合には、企業側・人材側のいずれもが同意することが条件となる。

派遣期間中は通常の人材派遣と同じく毎月の派遣料が発生し、直接雇用する際には別途「紹介料」が必要となる。ただし、一般の人材紹介の紹介料よりは安く設定されていることが多い。

紹介予定派遣

※それぞれの料金システムについては、第3章の「人材紹介のシステム」でより詳しく説明する。

人材紹介と人材派遣

名称がなんとなく似ている両サービスだが、その内容はまったく異なる。
人材紹介は、求人企業に候補者を紹介するだけのサービスで、入社後は求人企業に雇用されて働くことになる。人材紹介会社との関係は入社の時点で終わるのが普通だ。
一方の人材派遣は、いわば人材を貸し出すサービスなので、人材が所属しているのはあくまでも派遣会社である。また、紹介予定派遣は両者が複合したサービスである。人材紹介と人材派遣の違いは十分に認識しておきたい。


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