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中途採用の「実務」【8】賃金・処遇の決定方法

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(1)賃金決定の考え方・方法

●本人が納得いく基準(方法)を設定する

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一人ひとりの持つ能力・知識、経験の異なる中途採用者は、新卒者のような一律での賃金決定が難しい。重要なのは、本人が納得いく基準(方法)を設定できるかどうかである。中途採用者の賃金決定方法の考え方としては、以下のようなものがある。


【賃金の決定方法(例)】
同年次入社者よりも高めに設定する ・中途採用者はその「専門性・キャリア」を買うという考え方に立つ方法である。中途採用者からは歓迎されるが、在籍社員から不満が出ることも考えられる。
同年次入社者の平均(標準)に設定する ・中途採用者と在籍社員の双方に公平感のあるのがこの方法だ。なお、年度により在籍社員がいなくなる会社は、予めモデルケースを作成しておくのがよいだろう。
同年次入社者よりも低めに設定する ・時間的に限られた選考だけでは、中途採用者の本当の能力は分からない。入社後、一定期間を「試用期間」という位置づけとし、賃金を低めに設定する方法である。
前職の収入を保障できるよう設定する ・前職での収入を下回った分について、「調整手当」などを支給する方法。また、賞与などでまとめて保障するケースもある。
年俸制を導入する ・能力のある中途採用者については、現賃金体系とは別に管理し、「年俸制」を適用するケースも少なくない。

(2)賃金以外の処遇決定の方法

●賞与の支給方法

賞与は通常、仕事の実績・業績、または会社への貢献に応じて支給される。では、賞与査定対象期間の途中から入社した中途採用者への支給は、どのように行っていけばいいのか。一般的には、以下の二つの方法がある。

【賞与の支給方法(例)】
査定期間中の在籍日数分のみ支給する ・中途採用者本人と在籍社員の双方に納得感の高いのが、この方法であろう。賞与の査定の対象期間の全期間に在籍していれば支給額は満額となるが、対象期間の半分しか在籍していなければ、5割の支給となる。
賞与を支給せずに、一時金を支給する ・即戦力を買って入社した中途採用者とはいえ、入社後、慣れるまでには時間も必要であり、すぐに業績を上げることは難しい。そのため、在籍期間が短い者については賞与を支給しないことも考えられる。しかし、入社後いきなり賞与がなくなっては生活設計が成り立たなくなってしまうので、一時金を支給して、調整をする。

●退職金への対応

一般的に、退職金は「退職時の基本給×勤続年数別支給率」で計算されることが多い。そのため、勤続年数が「0」から始まる中途採用者は同年次入社者と比べ、通常低くなる。今後、中途採用を積極的に進めていくためには、退職金制度の見直しが必要だろう。退職金制度を見直すとすれば、以下のような方法(方向性)が考えられる。

【退職金見直しの方法(方向性)】
  • 退職金の算定方法において、「基本給」のウエートを高め、「勤続年数別支給率」のウエートを下げる。
  • 在職期間中に功労のあった社員に対し、退職時に通常の退職金の他に、金一封を支給する制度を導入する。
  • 希望者については年俸制を導入し、別体系で賃金管理を行う。

●有給休暇の付与

有給休暇は通常、勤続年数1年ごとに日数が増加する。また、労働基準法において有給休暇は「6カ月間継続して勤続し、かつ所定労働日数の8割以上出勤した者」に与えられるため、勤続6カ月未満の中途採用者に対して有給休暇を付与する必要はない。しかし、いきなり有給休暇がなくなってしまっては困る人も出てくる。そのため、何らかの形で有給休暇を付与するのが望ましいだろう。方法としては、次のようなものが考えられる。

【有給休暇付与の方法(例)】
一定期間経過したら付与する ・採用後、3ヵ月経過したら5日与える
勤続の月数単位で付与する ・採用後、2ヵ月単位で3日与える

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