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中途採用の「実務」【5】選考

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(1)書類選考・筆記試験

●応募者の多寡や選考の目的・対象によって実施する

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書類選考は、応募者が必要な要件を満たしているかなど、書類によって受験者を絞り込むものである。大量の応募者が予測される際に、有効な選考方法である。また、面接を補完するものとして、筆記試験の実施も一般的に行われている。選考の目的や対象によって、専門知識試験、一般常識・教養試験、作文・小論文、適性検査などがある。


【書類選考・筆記試験実施のポイント】
書類選考 ・書類選考は人事が行う場合と、配属予定部門が行う場合がある。応募書類は個人情報が記されているので、取り扱いに最大限の注意が求められる。
・選考結果は、速やかに連絡する。
専門知識試験 ・専門知識試験は、応募者がどの程度実務の遂行能力があるか、客観的な判断の材料となるものとして有効である。特に、職種別試験は高度な専門職採用に有効なテストと言える。
・実施に当たっては、自社の昇進・昇格時に実施している社内試験を活用するほか、職種に関する資格試験などで出題されている問題を活用する方法もある。
一般常識・教養試験 ・一般常識・教養・時事問題などを組み合わせ、社会人としての素養を確認するテストである。テストする内容としては、公務員試験や行政書士試験などが参考になる。
作文・小論文 ・知識・文章表現力・理解力・思考力・創造性などを評価するためのテスト。中途採用の場合には、応募書類受付時に、履歴書と同時提出を求め、書類選考の際の検討材料とすることも多い。
適性検査 ・適性検査は、職務遂行やビジネスパーソンとして必要な能力や特性を備えているかどうかなどを、科学的・客観的に把握しようとするものである。採用時から入社後の昇進・昇格までをフォローするものとして、適性検査を導入する企業は多い。
・適性検査を選択する際には、応募者にどのような資質を求めるのか、どの適性を見るのか、検査結果をどう利用するかなど、検査の目的を明確にし、その上で数多くある種類の中から、目的に合ったものを選択する。

(2)面接

●必要な経験、スキルがあるかの確認が中心となる

中途採用の面接では、漠然と人柄を見るというより、必要な経験、スキルがあるかどうかの確認が中心となる。事前に履歴書や職務経歴書に目を通し、確認すべきポイントをリストアップしておく。合わせて、志望動機や自社に対する興味・関心の度合い、入社後の目標などを聞き、人物的に自社、配属予定部門にふさわしい人材かどうかを見極める。

【面接の目的】
  • 職務に必要な知識、能力、経験などを備えている確認する
  • 自社のビジョンや理念、経営方針、社風などに適しているかを判断する
  • 自社にふさわしい人柄、性格かを判断する
  • 事前選考での不明な点、掘り下げたい点などを聞き、再確認する
  • 採用条件や労働条件などについて話し合い、相互理解を得る

●面接者の選定

面接者は、社内でも有能とされる人物を起用したい。応募者にとっては面接で会った人の魅力が、イコール企業の魅力となるからだ。

【面接者選定のポイント】
  • 応募者の年代に合わせた人材を面接者に加えるとよい。年齢の違いによる微妙な常識や職業観の差が、不当な評価につながることもある。
  • 専門職の採用には、部門の責任者を加えるとよい。求める知識・技術を持っているかは、その部門の人間が一番よく分かるからだ。職場環境になじめるかどうかにも、現場責任者の判断が最良と言える。
  • 経営トップも参加するようにしたい。特に中小企業の場合、優秀な応募者を説得するためには、経営者の関与が大きい。

●面接に当たっての心構え

面接を実施する際には、以下のような点を心掛けるようにする。

【面接での留意点】
  • 面接を開始する際、まず企業・面接する側から率直に切り出す。
  • 事実や行動を聞く。
  • 話しやすい雰囲気を作る。
  • 答えやすい質問を設定する。
  • 応募者に選ばれる配慮をする。
  • 「不合格」と判断しても、投げやりな態度・言動、面倒な表情は慎む。

●質問項目とポイント

面接では、限られた時間の中で、応募者の本質をつかむようにする。

【質問項目とポイント】
導入 ・応募者の今朝の行動や、会場までの利用交通機関などを聞くなど、応募者の話しやすい話題から入り、双方が話しやすい雰囲気を作る。
現在の職について ・仕事の流れを順に追って聞いていく(あるいは自己紹介してもらう)。そこで課題や成果を聞き、能力の範囲を確認する。また、質問にロジカルに答えられるかも同時にチェックする。
転職理由 ・「なぜですか? どうしてですか?」という質問を投げ掛け、うわべだけでない「本音」を聞き出す。
会社の印象 ・自社の事業展開などを説明し、印象を聞く。
志望動機 ・募集職種を明記していても、必ず聞く。仕事内容に思い違いがないよう、ここで刷り合わせる。
キャリア目標 ・自社でどんな仕事ができると考えているかを確認する。それが入社後のエネルギー、モチベーションとなるからだ。
質疑応答 ・誤解のないよう、採用条件を刷り合わせる。

●評価・判断のポイント

面接によって得られた情報を総合して、応募者に対する評価を決定する。情報の各項目から得られることを理解した上で、自社としての優先順位に沿って評価を行う。

【評価・判断のポイント】
転職理由を見る ・仕事への取り組み方、労働観、仕事観、組織への適合性を評価する。単にわがままで自分勝手な転職であれば、採用後の早期退職も起こしかねない。
応募動機を見る ・新しい職に取り組もうとする意志や意欲、会社・仕事への理解度を評価する。意志や意欲は入社後の成長に深く関わるからだ。また、会社や仕事への理解度が低ければ、早期退職の原因になる。
キャリアを見る ・職務遂行能力を評価する。経歴を事実・業績ベースで詳細に聞き出せば、かなりの程度が明らかとなる。
希望の待遇・処遇を見る ・待遇・処遇の適合性を見て、入社後のトラブル・早期退職を防ぐ。また、自分の能力に対する客観的理解度を測る目安となる。

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