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5. アルバイト・パート採用の課題

アルバイト・パート採用の課題

アルバイト・パート採用担当者が抱える課題

アルバイト・パートに対して「すぐに辞めてしまう」「教育に時間がかかる」など、悩みを抱える担当者は多い。こうした「アルバイト・パートの課題」は以下の通りだ。

■ 表:アルバイト・パート採用者が抱える課題
できれば即戦力(経験者)を採用したい 65.7%
突発的な欠員に困っている 36.3%
採用してもすぐに(一人前になる前に)辞めてしまう 28.3%
教育・訓練に費やす時間が増加傾向にある 18.8%
シフト管理を効率化したい 15.9%
募集・採用業務が増加し、負担になっている 13.0%
労務管理について相談できる人・部門・機能がなく困っている 5.3%

出所:求人情報サービス「an」 (n=2568※複数回答可、2011年調査より)

「定着率」を高める採用の工夫

もともとアルバイト・パートは、正社員のように長期勤務を前提とする雇用形態ではない。しかし、アンケートの結果から、急な退職や早期離職が大きな負担になっていることがうかがえる。そこで、募集や採用の段階でできる「定着率を高める」工夫についてまとめたい。

1)面接時の十分な説明

イメージ画像

アルバイト・パートが勤務開始後すぐに辞めてしまうという早期離職を課題にあげる企業は多い。その主な退職理由は、「思っていた仕事内容と違っていた」「失敗した時に厳しく叱られた」など。つまり面接時に仕事内容や職場環境、待遇条件、さらには仕事の厳しさなどを正しく、わかりやすく伝えておくことで、ミスマッチやフォロー不足による早期離職をかなり減らすことができる。

注意しなくてはならないのは、若年者、特に学生の場合、社会人経験やアルバイト経験がほとんどないということだ。十分に説明したつもりでも、相手には仕事内容や厳しさがきちんと伝わっていないことがある。また、アルバイトを補佐的な業務と捉えている人も多く、ミスで怒鳴られたりすると腑に落ちず、早期退職へつながる。

従って、単に仕事内容などを説明するだけでなく、「こういうことがあったら厳しく叱ることもあるが、それは同じミスを繰り返さずに成長してほしいからだ」といったことを事前に、具体的に伝えておくことである程度防ぐことができる。

2)採用後の職場環境

採用後には、現場できちんと仕事を教え、面倒を見る「教育係」が非常に重要だ。人事・採用担当にそれができればよいが、アルバイト・パートの場合は、先輩の若手社員やアルバイト・パートが新人を指導するケースも多い。先輩スタッフが職場の人間関係や、業務のあらゆる情報を伝えることで、新人のアルバイト・パートスタッフは職場に対して安心感を得る。従って、先輩の指導やフォローが行き届かないことで、新人は不安を増長させ、早期離職の原因となる。

採用時の対策には、アルバイトの教育担当者を採用面接に同席させるという方法がある。採用面接の場から立ちあわせ、また採否にその意見を取り入れることで、教育担当者にも自覚や責任感が生まれ、新人の面倒をよく見るようになるのだ。

もちろん、仕事ぶりをきちんと評価する、精神的なインセンティブとなるよう良い点をしっかりほめる、新人をいきなり繁忙期に放り込まないようシフト管理を丁寧に行う、など職場環境に気を配ることは何よりも重要である。

「採用効率」を高める採用の工夫

アンケート結果からも分かるように「突発的な欠員」「募集採用業務の負担増」に悩みを抱える採用担当者は多い。いかに定着率を高めても、アルバイト・パートが正社員より勤続年数が長い例はまれだろう。どうしてもアルバイト・パート採用の頻度は高くなるため、採用業務の効率化が非常に大事だといえる。

1)面接キャンセルをいかに防ぐか

せっかく面接のスケジュールを組んだのに当日キャンセルになると、大きなロスとなる。特に若年層の応募者には事前連絡なしというケースも珍しくなく、採用担当者の徒労感につながっている。そこで面接キャンセルを減らすためのポイントをまとめた。

  • スムーズな電話対応のために全員で募集情報を共有する
  • 採用担当者は応募者からの連絡後、可能な限り近い日程で面接を設定する
  • 普段から店舗や事業所の雰囲気を良くしておく
  • 求人広告と実際の職場のギャップを減らす

2)採用における企業ブランドをつくる

先の項目であげた「普段から店舗や事業所の雰囲気を良くしておく」は、いわば募集企業のブランドづくりといえるものだ。地道な工夫や努力を積み重ねることで、応募者が「ここで働きたい」と思うような企業ブランドを形成できれば、その後の採用は非常に楽になる。

以下に採用における企業ブランド向上させるチェックポイントをあげた。

  • 丁寧な電話対応を心がけ、問い合わせに対して真摯に応える
  • 面接では良いことだけでなく、デメリットも話す
  • 応募者に対して、スタッフは挨拶をする
  • 面接官は笑顔で親しみやすい雰囲気を意識する
  • 店内・会社の清掃に気を配る(特にトイレの清掃)
  • 楽しくいきいきと働け、人間関係のよい職場環境を整える
  • 応募者に対して店・会社のコンセプトや他にどんな人がいるのかなど、詳しく説明する
  • 担当者やスタッフの身だしなみに常に気をつける
  • 偉そうな態度をとらない

こうした環境・雰囲気づくりはアルバイト・パート採用だけでなく、既存社員や顧客、取引先にもよい影響を与える。事業所全体で取り組むことで企業や店そのものの価値向上につながっていく。


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