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アルバイト・パートの「現状」

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店舗網の拡大や新業態・ブランドの開発などで成長を目指す流通や小売、外食、サービスなどの業界では、アルバイト・パートの採用が非常に重要な位置づけを占める。そのため近年は、出店地域での人材獲得競争が激化し、採用時給は高騰を続けている。さらに少子化による働き手の減少も始まるなど、アルバイト・パートの確保に向けて、企業間の競争はより激しさを増している。

(1)アルバイト・パートとは?

●アルバイトは「臨時で雇う人」、パートは「正社員より労働時間が少ない人」

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正規雇用の正社員に対して、非正規社員であるアルバイトとパートにはどのような違いがあるのか。実は、アルバイト・パートは、法律の上では名称によって特に区別されていない。パートタイム労働法で「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定義されているだけである。一般的には、次のように分類(区別)されることが多い。


【賃金の決定方法(例)】
アルバイト ・アルバイトは、仕事や勤労を意味するドイツ語「Arbeit」からきた言葉。戦前の旧制高校の学生の間で使われた「隠語」であり、家庭教師など、学業の片手間に行う仕事をアルバイトと呼んでいたことから広まった。そのため、現在でもアルバイトは、学生の仕事というイメージが広く定着している。
・求人を出す企業側でも、アルバイトを「臨時で雇う人」と考えており、「繁忙期だけ」「土日だけ」「夜間」だけといったスポット的な扱いで、正社員とは異なる仕事内容が多く、期間も短期のものが多い。
パート ・パートは「パートタイム」が省略された言葉で、短時間労働者を意味する。一般には主婦の短時間労働で使われることが多い。
・求人を出す企業側は、パートを「正社員より労働時間が少ない人」と考えているが、業種・職種によっては正社員と同じような仕事をする場合も多く、期間も長期に及ぶケースが少なくない。

ただし、長期のアルバイトもあれば、正社員と同じ仕事をするアルバイトもある。また、学生やフリーターの場合は、フルタイムでもパートタイムでも「アルバイト」と呼ばれることがあり、主婦の場合はフルタイムでも「パート」と呼ばれることがある。厳密な定義がないため、呼び方には例外も少なくない。

アルバイト・パートの中にフリーターと呼ばれる層もあるが、これは「フリーアルバイター」の略であり、学生と主婦を除き、アルバイトで生計を立てている人を指す。1980年代後半、アルバイト情報誌『フロムエー』編集長だった道下裕史氏がネーミングして広まったものである。当初は、音楽や演劇など夢の実現や自由を求めて定職に就かない人たちのことを意味したが、バブル崩壊後は、就職氷河期や失業などでやむを得ずフリーターになる人が数多く出てきた。

(2)雇用者に占めるアルバイト・パートの「位置づけ」

●2015年時点で1365万人。雇用者に占める割合は4人に1人に

次に、アルバイト・パートの就業者数を見てみよう。総務庁の「労働力調査」によると、アルバイト・パートとして就業する人は2002年で1053万人だったのが、2015年では1365万人にまで達し、この13年間で実に312万人増加している。雇用者に占める割合も、21.3%から25.8%に上昇し、4人に1人の割合を占めるようになった。一方、正社員は減り続けており、雇用者に占める割合は70.6%から62.6%と、8.0ポイント減少。全体としての労働力人口が減る中にあって、非正規社員であるアルバイト・パートは“存在感”を増し続け、企業の重要な労働力となっていることがわかる。

十分にアルバイト・パートの確保ができなかったため、出店計画を中止するなど、業種や仕事内容によっては、アルバイト・パートの存在がなくては成り立たないことも多い。外食産業では、アルバイト・パートが店長を務めていることも珍しくない。また、サービス業以外の業界で、「雇用形態の多様化」「固定費(人件費)の変動費化」という経営課題に対応するため、コア業務に専念する正社員の雇用を一定数に保ち(あるいは抑制し)、非正規社員で定型業務に対応しようとする企業が増えていることも、アルバイト・パートが増加している大きな一因である。

■図表1:非正規社員の推移(万人)
アルバイト・パート派遣社員契約社員・嘱託
2002年 1053 43 230
2003年 1089 50 236
2004年 1096 85 255
2005年 1120 106 278
2006年 1125 128 283
2007年 1164 133 298
2008年 1152 140 320
2009年 1153 108 321
2010年 1192 96 330
2011年 1229 96 360
2012年 1241 90 354
2013年 1320 116 388
2014年 1347 119 411
2015年 1365 126 404
■図表2:雇用形態別に見た雇用者の割合の推移(%)
アルバイト・パート派遣社員契約社員・嘱託非正規社員その他正社員
2002年 21.3 0.9 4.7 2.5 70.6
2003年 22.0 1.0 4.8 2.6 69.6
2004年 22.0 1.7 5.1 2.6 68.6
2005年 22.4 2.1 5.6 2.6 67.4
2006年 22.1 2.5 5.6 2.8 67.0
2007年 22.5 2.6 5.8 2.6 66.5
2008年 22.3 2.7 6.2 2.9 65.9
2009年 22.6 2.1 6.3 2.7 66.3
2010年 23.3 1.9 6.5 2.7 65.7
2011年 23.8 1.9 7.0 2.5 64.9
2012年 24.1 1.7 6.9 2.5 64.8
2013年 25.4 2.2 7.5 1.6 63.3
2014年 25.7 2.3 7.8 1.6 62.5
2015年 25.8 2.4 7.6 1.6 62.6
■図表3:アルバイト・パートの性別・年齢別人数(万人:2015年)
男性女性
15~24歳 90 104
25~34歳 46 129
35~44歳 29 247
45~54歳 21 262
55~64歳 48 211
65歳以上 79 100

*出所(図表1~3):「労働力調査(2015年)」(総務省)


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