企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

新人研修・新入社員研修でお困りですか?
「日本の人事部」のコンシェルジュが最適な業者をご紹介!
完全無料!24時間受付中!
無料相談・見積もり依頼をする

新入社員教育(研修)の実務:
教育計画の構成と種類・内容

1)新入社員教育(研修)の構成

ここからは、実際に新入社員教育(研修)をどのように進めていけばいいのか、具体的に見ていくことにする。一般的に、新入社員教育(研修)の全体像は、次のような構成(フレーム)となっている(業種・業態、従業員規模などによって一部異なる。あるいは簡略化されることがある)。以下、各教育の種類について、基本的な考え方と内容について紹介する。

 種類担当部門
入社 入社前教育 人事・教育部門
導入教育 人事・教育部門
基礎実務教育(共通部分) 人事・教育部門
配属 現場実習 ライン部門(現場)
個別実務教育(職場教育:OJT) ライン部門(現場)
フォローアップ教育 人事・教育部門
継続教育計画 人事・教育部門

● 入社前教育

入社前教育は、入社前の不安を取り除くとともに、会社生活への期待を強化するために行う。採用難の昨今は、内定者フォロー(内定辞退防止)という目的も大きい。基本的な考え方として、その後の導入教育と関連付けておくこと、内定者にあまり負担をかけ過ぎないことが重要である。採用予定者には、労働契約が成立していないため、参加を義務付けることができないからだ。

内容としては、以下のようなものが一般的である。

  • 通信教育(eラーニング)によるもの…業務関連の知識や資格、語学
  • 集合させて講習や講義を行うもの…業務関連の知識やマナー研修
  • 旅行形式のもの…内外の会社の視察、市場見学
  • 課題によるレポートを提出させるもの…読書感想文や製品の感想

● 導入教育

入社後の導入教育は、入社前教育と同様の内容を、頭ではなく体で覚えることを中心に実施する。職場で働くことを現実としてとらえ、自信を持ってもらうためには、「動機づけ」を図ることが重要だ。全員を対象とするために集合研修が基本となるが、ロールプレイングなどの体験学習を用いるなど、参加意欲を高める工夫が求められる。具体的には、以下のようなプログラム(メニュー)が多い。

  • 会社概要(歴史、方針、経営理念など)
  • 組織、制度(方針、部門業務)
  • 事業、商品、サービス内容(主力商品・サービス、ビジネスモデル、新事業、海外事業など)
  • 会社諸規定
  • 労使関係
  • 健康、安全管理

● 基礎実務教育(共通部分)

基礎実務教育は、導入教育と同時に実施することが多い。新入社員全員に求められる知識やスキル、ビジネスマナーなどを学ぶために行う。盛り込むべき内容は、以下のような事項である。

  • 仕事に関する基本理解
    挨拶、言葉遣い、身だしなみなどの基本マナー
  • 基礎実務のスキル
    報連相、メール、ビジネス文書、電話、面談の流れ、プレゼンテーションの流れ、情報活用、ICTツール
  • 自分の役割
    仕事の責任、目標設定
  • 職場の人間関係とコミュニケーション
  • 自己啓発の進め方

● 現場実習

現場実習では、担当が人事・教育部門から現場のラインへと移る。新入社員は自社にどのような事業(仕事)があるのかを“実感値”で理解するため、各現場で一定期間、実務を行う。メーカーなどでは、工場で数ヵ月に及ぶ実習を行うこともある。また最近は、喫緊の課題となっているグローバル展開を想定し、海外での現場実習を実施するケースもある。

● 個別実務教育(職場教育:OJT)

Photo

導入研修を終えた後、新入社員は各職場へと配属(仮配属)される。この段階から現場での個別実務教育、いわゆるOJTがスタートする。職場への適応のほか、実務に対する自信を付けさせることが重要である。

忙しい現場ではOJTが無計画になりがちなので、新人の場合は綿密な指導計画を立てて、実施することを心がけなくてはならない。指導計画は、全社共通項目と部門別項目に分けて対応する。また、個人ごとの固有ニーズに基づく指導項目を加え、指導項目を日程表に組み込んで、フォローできるようにしておく。また、指導項目ごとに、実施マニュアルを作っておくといいだろう。新人が安心すると同時に、OJT指導員もそれに基づいて指導手順を考えることができる。

● フォローアップ教育

配属されてから一定期間が経った後、フォローアップ教育を行う。人事・教育部門によって行われるのが一般的だ。現場に配属されて、実際に仕事をしてみた上で感じたこと、悩みや課題を俎上(そじょう)に上げ、人事・教育部門との面談や同期の新入社員などとの話し合いを行ったり、フィードバックやアドバイスを受けたりする。そのうえで自分の今後の課題や方向性を明確にし、行動プランを作成して、現場に戻っていく。

● 継続教育計画

人事・教育部門は、OJTおよびフォローアップ教育の結果を受けて、今後(2年目以降)の教育計画を現場の上司と各新人にフィードバックする。

2)形式

● 集合研修、自己啓発(e-ラーニング)、OJTが三本柱

新入社員教育(研修)を実施する形式としては、集合研修、自己啓発(e-ラーニング)、OJTが一般的だが、特徴を整理すると、以下のようになる。それぞれの特徴を生かし、三つの形式をうまく回して新入社員に必要な知識・スキル、能力を身に付けさせていくことが重要である。

集合研修
  • 非日常的な場で行われるので、集中度が増す
  • 受講者同士による相互の学び、啓発が期待できる
  • その場でフィードバックをもらえる
自己啓発
(e-ラーニング)
  • いつでも、どこでも学ぶことができる
  • 自分のペースで実施でき、繰り返し学べる
  • 必要な部分だけを取り出して、効率的に学べる
OJT
  • 実務に即した学びを習得できる
  • 学んだことが、すぐに実践に活かせる
  • コストがかからない

3)求められる能力(社会人基礎力)

● 基本となる能力がないと、知識・スキルも身に付かない

図表1は、「知識」「スキル」と「能力」および「気質・価値観」の関係性を示したものである。仕事をするには、そのために必要な「知識」「スキル」を身に付ける必要があるが、「能力」はそう簡単には身に付くものではない。基本的に知識やスキルなどは能力の上に成り立つものであり、能力が十分に開発されていないと、後天的に習得可能な知識やスキルも身に付けるのに時間がかかってしまう。能力のベースがしっかりとしていなければ、有用に機能しないのだ。能力は、知識やスキルを有効に使うためのOS(基本ソフト)に相当するものと捉えることができるだろう。そういう意味でも、新入社員の頃から能力を伸ばすための教育・研修を行うことは、とても重要である。

図表1:知識・スキルと能力の関係
図表1:知識・スキルと能力の関係

近年、さまざまな研究機関などがビジネス現場で求められる「能力」について発表しているが、特に経済産業省が発表している「社会人基礎力」は、新入社員にとって早期に習得が望まれる能力要素と言えるだろう(図表2)。

図表2:経済産業省「社会人基礎力」の能力要素
図表2:経済産業省「社会人基礎力」の能力要素

4)教育効果を高める方法・アプローチ

● 参加意欲を高めるための工夫

効果的な教育を行うには、教育内容を随時見直していかなければならない、近年行われている中で代表的な方法・アプローチには、以下のようなものがある。

  • 研修全体に参加型意識を高め、自主性を尊重するカリキュラムとする
  • 導入研修の内容を、理論的なものから実践的なものとする
  • 導入研修で、講義中心から実習、体験学習をベースとしたプログラムに変更する
  • 導入研修とフォロー研修の集合研修を、一貫して実施する体制とする
  • OJT教育の期間を延長する
  • 先輩やトレーナーとの討議による相互理解を増やす
  • 脱落者を出さないよう、フォロー面談の頻度、回数を増やす
  • 個別に指導する体制を設ける

5)早期からの「キャリアデザイン」
(自律型人材育成に向けて)

● 新入社員の頃から、意識して取り組ませる

Photo

近年、自律型人材の育成に向けて、キャリアデザインを描くことの重要性が叫ばれている。言われたことをそのまま実行するだけの受動的な働き方ではなく、一人ひとりが「自分らしく働きたい」「変革にチャレンジしたい」「自らの成長を実感したい」という意志を持ち、「キャリアデザイン」を主体的に描くことが、会社と個人の持続的な成長を実現させていくからだ。新入社員の頃から、意識して取り組ませることが大切である。

人間は自分にとって価値があると思うことを実践・体感することにより、生きがいを感じ、自己実現・充実感を覚える。そしてさらに努力し、成長していこうとする。そのため、キャリアの「節目」には立ち止まり、これまでのキャリアや出来事を振り返り、担当している業務を見つめ直し、将来をデザインする必要がある。このようなアプローチを新入社員の頃から意識することで、自らのキャリアを自らの手で作り出すことのできる、自律型人材が育っていくのである。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

よくわかる「新人研修・新入社員研修」講座

新入社員教育(研修)とは何か?

新入社員教育(研修)とは何か?

新入社員教育(研修)は内定者フォローの後、4月入社前後に実施される。これまでの学生という消費者の立場から、生産者としての社会人となることに伴い、まずは意識の転換を図り、会社組織において職務・業務を遂行する上で必要な基本的な知識・スキル、ビジネスマナーなどを身に付けてもらうために実施されるものである。ここではその目的などを整理する。


近年の新入社員教育(研修)の傾向と課題

近年の新入社員教育(研修)の傾向と課題

ここでは、新入社員の気質、経営環境の変化に対応した新入社員教育の必要性、採用活動から配属後フォローまで一貫した体制作り、など近年の新入社員教育(研修)傾向と課題を整理する。


新入社員教育(研修)の実務:教育計画の構成と種類・内容

新入社員教育(研修)の実務:教育計画の構成と種類・内容

ここからは、実際に新入社員教育(研修)をどのように進めていけばいいのか、具体的に見ていくことにする。新入社員教育の種類について、基本的な考え方と内容について紹介する。


新入社員教育(研修)の実務:近年の取り組み例

新入社員教育(研修)の実務:近年の取り組み例

企業の置かれた環境が変化する中、新入社員に対する教育のあり方も変わってきている。ここでは、近年、新入社員教育(研修)で話題となったケースを紹介する。


新入社員教育(研修)の実務:内製化、外注化

新入社員教育(研修)の実務:内製化、外注化

新入社員教育の内製化・外注化、それぞれのメリットとデメリットを整理し、導入時のポイントをまとめた。


新入社員教育(研修)の実務:教育担当者の心構え

新入社員教育(研修)の実務:教育担当者の心構え

新入社員教育(研修)を実施する際、どのような点に留意したらいいのか、そのポイントをまとめる。


テーマ別Index
研修・人材育成
社員研修を検討する際に押さえておきたい基本とノウハウ。研修の目的別に解説します。
社員研修・人材育成
新人研修・新入社員研修
マネジメント・管理職研修
モチベーション・組織活性化
グローバル人材育成
コーチング研修
コミュニケーション研修
営業・販売研修
eラーニング
採用
人事担当者のための採用ノウハウ。採用の目的別に、基本、準備、注意点まで網羅。
中途採用
人材紹介
アルバイト・パート採用
人材派遣
新卒採用
就職サイト
新卒紹介
新卒採用アウトソーシング
新卒採用コンサルティング
内定者フォロー
ソーシャルリクルーティング
適性検査
人事戦略・人事系IT
企業に不可欠な人事システム、人事制度を解説。この分野のトレンドも把握できます。
人事制度
人事システム
給与計算
給与計算代行
人事労務
テーマに特化した労務関係の取組みを解説。導入の際のヒントが見つかります。
ワーク・ライフ・バランス、働き方改革
福利厚生
社宅・社宅代行
コンプライアンス・企業倫理
メンタルヘルス
その他
それぞれ分野ごとに、基本からサービスを検討する際のポイントを詳しく説明します。
貸会議室・研修施設

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

社宅でもUR賃貸住宅

記事アクセスランキング

<アンケートのお願い>採用マーケットの構造変化に関する意識調査

注目コンテンツ


『日本の人事部』受けさせたいスキルアップ系講座特集

コミュニケーションや英語力、個人の生産性やPCスキルなど、ビジネス上必須となる多彩なプログラムをご紹介



「健康経営特集」
従業員の健康づくりを通じて生産性向上を目指す!

健康経営の推進に役立つ多彩なプログラムをご紹介。資料請求のお申込みや資料のダウンロードも可能です。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


強い企業ではなく、変化できる企業が生き残る。<br />
2020年以降を見据えたグローバル人材マネジメントの実現に向けて

強い企業ではなく、変化できる企業が生き残る。
2020年以降を見据えたグローバル人材マネジメントの実現に向けて

日本企業の海外売上比率が高まっているが、一方でグローバル人材の育成やマ...


“守り”の姿勢では人が採用できない時代。<br />
いま人事に求められる“攻め”の採用手法とは?

“守り”の姿勢では人が採用できない時代。
いま人事に求められる“攻め”の採用手法とは?

企業の採用意欲が極めて高い水準にある近年、求人サイトや人材紹介会社から...


『日本の人事部』 主催イベント

日本の人事部「HRカンファレンス」

日本最大のHRイベント

日本の人事部「HRカンファレンス2017-秋-」を11/14(火)~22(水)に開催します。


日本の人事リーダー会

日本の人事リーダー会

早稲田大学戦略研究センター教授の枝川義邦氏を講師に迎え、第11回会合を8/30(水)に開催。