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3. モチベーション・組織活性化研修のプログラム例

モチベーション・組織活性化研修の中で、課題別(目的別)に行われているいくつかのプログラムを紹介していく。

1)新入社員の「早期離職」を防ぐ

イメージ近年、新入社員の早期離職傾向が強まっているが、その理由として、新入社員のモチベーションの低さを挙げる経営者、現場の責任者は多い。新入社員のモチベーション低下の主な理由は、採用の段階から生じている会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチのほか、配属後の成長実感の欠如、先輩社員・上司との人間関係がうまくいかないこと、希望通りの仕事ができないことなど、さまざまである。これらの状況を踏まえ、なるべく早期に一人の社会人として、仕事に対する取り組み方や問題解決の思考法などを習得させていく必要性が生じている。

プログラムでは、個人ワーク・グループワークを通して、まず、会社や仕事、周囲の人と協働することなどに対する「意味づけ」を行う。そうすることで、目の前にある仕事・求められるミッションに対するやる気と行動への意欲が高まり、周囲との関係性を深く考え、行動するようになるからだ。その結果、一人ひとりが将来に向けてのキャリアビジョンを描いていけるようにもなる。このようなアプローチを通して、新入社員のモチベーションを高め、離職の防止へとつなげていく。また、その先には早期戦力化の実現も見据えている。

●新入社員に対するモチベーションアップ研修の例

1.オリエンテーション
  • 研修開催の趣旨説明
  • 自己紹介(アイスブレーク)
2.会社理解・仕事理解
  • 会社とは何か
  • 会社と個人の関係性を考える
  • 仕事を通して貢献することの意味、仕事を通しての自己成長、自己実現
3.仕事の質を高め、プロフェッショナルになるための思考法
  • プロフェッショナルとは何か
  • プロフェッショナルになるための条件
  • 期待される社員の要件
4.良好な人間関係の作り方
  • 誰と仕事をするのか(仲間と仕事をすることの意味)
  • 人間関係を構築するために(コミュニケーションスキル)
  • コミュニケーション能力と自己成長
  • 組織における魅力ある生き方
5.モチベーションを上げるための思考法
  • モチベーションとは何か(人間の欲求を構成する要素、動機づけ要因となるもの)
  • 自分の特性を知る(自己分析・自己理解)
6.キャリアビジョンの描き方
  • 自分の持ち味を知る
  • 組織目標から個人目標へ
  • 仕事を通して実現したいこと、そのために必要となること
  • アクションプランの作成
7.まとめ
  • アクションプランの発表
  • 新入社員への期待

2)自分でモチベーションをコントルールする(セルフ・モチベーション・コントロール)

イメージモチベーションを自分自身でコントロールするのは大変難しいことだが、そのための基本となるのは、一人ひとりが気づきを得て、内面から変革行動を起こすことである。自分なりの目標を持ってそれを日常に埋没させないこと、日々の行動に意味づけを行っていくことが重要である。このように自分なりにモチベーションを維持、管理していくためには、自分でモチベーションをコントロールするスキルを身に付けていくこと(セルフ・モチベーション・コントロール)がとても重要だ。

セルフ・モチベーション・コントロールを目的とした研修では、自分でモチベーションをコントロールするためにステップを一つずつ確実に身に付けていくことがポイントとなる。また、研修が終わった後も、上司や同僚などと振り返りやフィードバックの機会を設け、意識してモチベーションをコントロールし、目標を達成していけるように仕向けていくことが大切である。

●セルフ・モチベーション・コントロール研修の例

1.自分のモチベーションを診断する
  • モチベーションの正体は「感情」である。自分の感情の状態を把握し、それを点数化していく
  • スコア(点数化)の要因(背景)を具体的に把握する(自己重要感、自己有能感、自己好感)
2.ポジティブなセルフイメージを作る
  • 人の行動はセルフイメージが作り出すことを知る
  • 自分を動かす原動力を知る(自分の欲求を理解する)
  • 自分がどんな欲求で動かされているかを理解することで、目標設定がしやすくなる(自分の行動を改善しやすくなる)
3.目標作り
  • 本当に実現したいことを明確にする
  • 正しい目標設定の仕方(快感を得られる目標、長期間に実現したい目標、価値のある目標)
  • 自己のモチベーション向上プランの作成
4.モチベーション・コントロールの技術
  • 自分を不快にする「プログラム」を理解する
  • 先延ばし行動に前向きな「意味づけ」を行う(良いことを考える、より大きな目標・快感と結び付ける)
  • 行動を促進するための原則を知る(モデリング、管理可能行動、ダウンサイジング、軌道修正)
  • 身体の使い方、言葉遣いを変える
5.日常での振り返り、フィードバックの機会を持つ
  • 常に、自分の「感情」と向き合う習慣を持つ
  • PDCAサイクルを意識する
  • 職場の仲間同士がメンターとなる

3)個人の「やる気」を支える多様なアプローチ

モチベーション(やる気)は、働く個人の土台を支える大きな力である。しかし、働く個人を取り巻く就労環境は大きく変化し、かつ複雑化している。何より、組織からは強靭な気力(精神力)に基づいた主体性や自己責任が求められている。与えられる目標も、厳しいものがある。しかし、単にやる気を出すように求められているだけでは、何をどうすればいいのかよく分からないまま、日常業務に忙殺されることになってしまう。すると、なかなか思うような成果を出せず、場合によってはメンタル不全に陥るケースも出てくるだろう。そのようなリスクを回避し、個人が主体的に仕事に取り組めるよう、「やる気」を支えていくための多様な研修メニューが求められている。

●個人の「やる気」を支える多様な研修例

■「クリエイティブマインド開発」研修
  • 自分に気づき、多様化するビジネスに活かせる思考力と交渉力を身に付ける
  • 発想力、創造力、展開力・交渉力について、相互学習を通して取得する
  • ポジティブな見方や考え方を習慣化する
1.オリエンテーション
  • クリエイティブマインドを維持し、やる気を高めるための習慣・スキルを習得する
2.プロフェッショナルな思考とは
  • 経営的感覚を高める(的確な時代認識、プロの力の原理・原則)
3.発想を創出する思考プロセス
  • クリエイティブマインドとセンスを磨く(発想展開力の確認、前向きな姿勢への習慣)
4.クリエイティブセンスを最大化するために
  • 思考のマネジメントを学ぶ(思考の壁の意識、戦略的思考力をアップする、思考スピードを上げる、課題から新たな発想と成果を創出する、成果を最大化する思考マネジメントとは)
5.まとめ
  • 次なる課題へ~セルフパワーアップ
■「セルフ・エンパワーメント」研修
  • 経営組織における主体性とは何かを理解する
  • 主体性の確立を図るために自己理解を深め、セルフマネジメントの方法を体得する
  • 自己成長の啓発課題と解決の方向を明確にする
1.オリエンテーション
  • セルフ・エンパワーメントとは(心が安定し、エネルギッシュで創造的な生き方のために、現在の自己を理解する)
2.主体性の確立
  • 自分の意志から始める
  • 主体性を確立した人の行動特性について
  • 主体性確立のための課題を明確にする
3.自己理解を深める
  • 自己理解を深める視点
  • 自己のサブパーソナリティを知る
4.主体性を高める
  • 自己を客観視する
  • サブパーソナリティとの付き合い方
  • 主体性を高めることと自己主張
5.主体性行動を強化する
  • 主体性行動に至るプロセス
  • 主体的行動を高め、それを評価する
6.自己の指針を創造する
  • 「修羅場(体験)」における自己理解
  • 理想のサブパーソナリティを描く
7.まとめ
  • さらなるセルフ・エンパワーメントへの課題
  • 今後の自己成長に向けて

4)部下の「モチベーション」を引き出す

イメージ部下のモチベーション低下は、日頃の業務の些細な部分から生じることが多い。上司はモチベーションの理論をはじめとした基本的な知識を理解すると同時に、自分の仕事(マネジメント・指導・育成)の中で部下のモチベーションを低下させている部分に気づき、部下のモチベーションをうまく引き出していくことが求められる。

しかし、多くの管理職層は部下のやる気を育てていくためのフレームワークや理論をしっかりと学んでいない。自らの経験で学んだ我流の理論でマネジメントを行っているケースが多いのが実情だ。それで部下をやる気にさせようと思っても、効果はあまり期待できないだろう。

このような背景から、自らの仕事の仕方を振り返りながら、部下のモチベーションを上げていくための考え方・手法を学ぶ「モチベーション・マネジメント」研修が増えている。研修を通じて、リーダーのモチベーション方法が変わり、部下も「やらされ感」がなくなり、自ら工夫し、積極的に仕事に取り組むようになり、活気のある職場風土が形成されていくことになる。

●「モチベーション・マネジメント」研修例

1.オリエンテーション(講義、個人・グループワーク)
  • アイスブレーク(研修の目的の共有)
  • グループ内での自己紹介
2.モチベーションとは
  • モチベーションの意味と機能の共通理解
  • 自分自身のモチベーションについて考える
  • PULL型とPUSH型のマネジメントについて
  • グループディスカッション
3.部下のモチベーションの理解
  • 部下のモチベーションの高さ(低さ)、支える要因、阻害要因
  • 日頃からの観察、部下に聴くことの重要性
4.自分のマネジメントスタイルのチェック
  • 人をやる気にさせようとする時の、上司の行動の癖を知る
  • コミュニケーションについて
5.個人(組織)レベルのアプローチ
  • 自律感を持たせるために必要なこと
  • 仕事の価値を気づかせる
  • 部下の承認を行う
  • 部下に自分は有能だと感じさせる
  • 反発する部下からやる気を引き出す術
6.まとめ
  • マネジメントスタイルの発表

5)組織活性化を目的とした「ワールドカフェ」

イメージ近年、組織活性化を目的とした研修としてよく開催されるのが「ワールドカフェ」である。ワールドカフェとは、「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできるカフェのような空間でこそ創発される」という考え方に基づいた話し合いの手法である。

具体的には、4~5人の「島」を作り、それぞれの島ごとに模造紙をテーブルクロスのように置いていく。対話のテーマを設けて、各々が自由に語りながら、模造紙にメモや絵を描いていく。20分程度の話し合いを行った後、各島のホスト役を決め、それ以外のメンバーは違う島に旅立っていく。このような流れを2~3回行い、最後に元の島に戻り、他の島で体験した学びや気づきを共有していくというものである。誰かが何かを一方的に教えるのではなく、共に対話する中から生まれる気づきに価値があることを実感させていく場である。

このようにワールドカフェとは、リラックスした雰囲気の中での会話(ダイアローグ)によって参加者全員の納得感が得られるファシリテーション手法である。例えば、新規事業を開発するプロジェクトメンバーのチームビルディングやビジョン・バリューの共有、アイデア創出、戦略策定、コミュニケーションの活性化など、さまざまな目的で活用されている。話し合いのプロセスを通じて新しいアイデアが生まれるだけではなく、相互理解や共通認識の醸成に役立っていて、組織の活性化に大きく寄与している。


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よくわかる「モチベーション・組織活性化」講座

1. モチベーション研修・組織活性化研修とは

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「モチベーション」は一般的に、「やる気」や「動機づけ」と訳される。モチベーションが個人のアウトプットや生産性に大きく影響するが、個人の集まりである組織でも同様だ。では、一人ひとりのモチベーションを高め、組織を活性化させていくためには、どうすればいいのか。その考え方と具体的な方法であるモチベーション研修・組織活性化研修を詳しくみていく。


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社員のモチベーション向上が経営上の重要テーマとなっているが、多くの日本企業では「モチベーションクライシス」と呼ばれる状況が発生している。右肩上がりの成長が見込めない中、社員はモチベーションが保てず、生産性が著しく低下している。この章では、こうした日本における現状を解説する。


3.モチベーション・組織活性化研修のプログラム例

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モチベーション・組織活性化研修の中で、課題別(目的別)に行われているプログラム手法を紹介する。●新入社員の「早期離職」を防ぐ。●自分でモチベーションをコントルールする。●個人の「やる気」を支える多様なアプローチ。●部下の「モチベーション」を引き出す。●組織活性化を目的とした「ワールドカフェ」。


4.モチベーション・組織活性化研修の企画・導入のポイント 

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モチベーション研修、組織活性化研修を導入する際、最大限の効果を上げるために踏まえておきたい4つのポイントを解説。


5.モチベーションの理論・用語解説 

5.モチベーションの理論・用語解説 

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テーマ別Index
研修・人材育成
社員研修を検討する際に押さえておきたい基本とノウハウ。研修の目的別に解説します。
社員研修・人材育成
新人研修・新入社員研修
マネジメント・管理職研修
モチベーション・組織活性化
グローバル人材育成
コーチング研修
コミュニケーション研修
営業・販売研修
eラーニング
採用
人事担当者のための採用ノウハウ。採用の目的別に、基本、準備、注意点まで網羅。
中途採用
人材紹介
アルバイト・パート採用
人材派遣
新卒採用
就職サイト
新卒紹介
新卒採用アウトソーシング
新卒採用コンサルティング
内定者フォロー
ソーシャルリクルーティング
適性検査
人事戦略・人事系IT
企業に不可欠な人事システム、人事制度を解説。この分野のトレンドも把握できます。
人事制度
人事システム
給与計算
給与計算代行
人事労務
テーマに特化した労務関係の取組みを解説。導入の際のヒントが見つかります。
ワーク・ライフ・バランス、働き方改革
福利厚生
社宅・社宅代行
コンプライアンス・企業倫理
メンタルヘルス
その他
それぞれ分野ごとに、基本からサービスを検討する際のポイントを詳しく説明します。
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