2. マネジメント・管理職に求められるスキル

マネジメントに必要な三つのスキル
管理職(マネジメント)に必要とされるスキルについて、ロバート・カッツが提唱している「カッツ・モデル」がある。「カッツ・モデル」では、マネジメントに必要なスキルを、「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」そして「コンセプチュアルスキル」の三つに分けて考えている。
テクニカルスキル
業務遂行能力。担当する業務を遂行する上で、必要な知識や技術のことである。
ヒューマンスキル
対人関係能力。仕事上の人間関係を構築する技術で、人を観察・分析し、望ましい働きかけを選択・実行する技術のことである。
コンセプチュアルスキル
概念化能力。仕事を取り巻く状況を構造的、概念的に捉え、取り組むべき課題の本質を見極める技術のことである。
図にもあるように、トップマネジメント(上級管理職)に近づくほど、「コンセプチュアルスキル」が求められ、ロアーマネジメント(新任管理職)であるほど、「テクニカルスキル」が求められることになる。管理職研修のテーマも、このような「カッツ・モデル」の考え方によって構成されることが多い。
注目されるのは、「ヒューマンスキル」が、常に重要であるという点。これは現場で部下を育成し、マネジメントしていくためには、どのような立場となっても必須の要件であることを示している。「ヒューマンスキル」の習得は、マネジメントする側が生涯、継続して行っていくべき事項だと言えるだろう。