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マネジメント・管理職研修をどう企画・実施するか

研修を企画・実施する上でのポイント・留意点

● 企画・実施に向けてのステップ

現在、変革期を迎えているマネジメント・管理職研修だが、研修を企画・実施する場合、どのような点を重視し、自社に合った内容を作成していけばいいのか。以下では、そのステップと留意点を整理していく。

【管理職研修実施のステップ】
ステップ1:
「求める管理職像」の明確化
  • 管理職に対する研修を実施するに当たり、その実効性を高めるためには、現在、自社にはどのような管理職が求められているのか、まずは自社として「求める管理職像」(期待する役割、求める能力・コンピテンシー、行動規範等)を、事前に明らかにすることが不可欠である。
  • その際、なるべく具体的な要件・能力へとブレークダウンしていき、関係者がそのイメージを共有化していくことが大切だ。
ステップ2:
「研修課題」(重点事項)の決定
  • 次に、求める管理職像と自社の管理職の現状を把握する。具体的には、受講予定の管理職が、これまで経験してきた役割や立場、その力量のレベルと成果、全体的に見た強み・弱み等を把握・分析することによって、自社の管理職の現状を明らかにする。
  • ここでは、求める管理者像と現状とのギャップが一つの大きな「研修課題」(重点課題)となる。研修では、導き出されたギャップの中から、どこに重点を置くかを明確にする必要がある。なぜなら、この研修課題の達成や解決によって、職場での成果の向上が見込まれるからだ。
ステップ3:
「研修目標」の設定
  • 研修課題や重点事項が達成された状況を具体化したものが「研修目標」である。これには「行動目標」と「学習目標」の二つがある。研修受講後のある時期までにどのような行動が取れるようになるかを示したものが行動目標であり、そのために何をどの程度理解しておく必要があるのかを定めたものが学習目標である。
  • また、行動目標と学習目標は受講者の目安となると同時に、研修の効果測定項目ともなる。
ステップ4:
「研修内容・方法」の決定
  • 行動目標と学習目標を実現するための「研修内容」の検討を行う。研修ではどのような知識・スキルを提供していけばいいのか。また、どのような経験の場を盛り込めば受講者に気づきが生まれ、学習が起こるのかを考え、決定する。
  • そして、研修内容をどのような「方法」で学習させるのかを検討し、研修技法を選択する。その上で、受講者の人数、日数などを勘案して、研修プログラムを確定する。
ステップ5:
「研修評価」と「効果測定」
    • 研修を実施した後は、その効果を測定する。近年、「効果測定」については、「カーク・パトリックの4段階評価」(研修満足度、学習到達度、行動変容度、成果達成度)を利用するケースが増えている。

【カーク・パトリックの4段階評価】

  • 研修満足度:受講直後のアンケート調査などによる学習者の研修に対する満足度の評価
  • 学習到達度:筆記試験やレポート等による学習者の学習到達度の評価
  • 行動変容度:学習者自身へのインタビューや他者評価による行動変容の評価
  • 成果達成度:研修受講による学習者や職場の業績向上度合いの評価
  • その際、受講者の学習促進や行動変容、成果達成へとつながるフォローとして、研修評価や効果測定を行うことが大切である。

● マネジメント・管理職研修の形式

研修を実施する場合、形式としては「公開型研修(社外)とインハウス研修(社内)」「一斉実施型研修と選抜型研修」「集合研修と自己啓発」がある。以下に、そのポイントを整理する。

【マネジメント・管理職研修の形式の例】
「公開型研修(社外)」と「インハウス研修(社内)」
  • 研修の「場」としては、「公開型研修(社外)」と「インハウス研修(社内)」がある。公開型研修(オープン講座)は研修会社が用意した既存プログラムに対して、社外の場へと社員を参加させる研修である。
  • 一方、インハウス研修は基本的に自社でプログラムを考え、自社内で行う研修である。その際、企画・立案や講師の派遣などで、研修会社の協力を仰ぐケースが多い。
「集合研修」と「自己啓発」
  • 研修は、参加者を集めて行う「集合研修」と、個人で学ぶ研修「自己啓発」に分けられる。管理職研修では「集合教育」が一般的であったが、近年では「自己啓発」も増えている。
  • 従来、「自己啓発」については通信教育による手法が多かったが、最近はeラーニングが増えつつある。単に知識を学ぶだけでなく、論述問題やケーススタディなどに取り組むことにより、マネジメントの疑似体験から自部門の課題抽出・整理など、実践的な学びを行うことのできるテキストが増えてきたからだ。組織として学ぶ機会をなかなか作れない現状がある中、自己啓発は効果的な手段となっている。
「一斉実施型研修」と「選抜型研修」
  • 管理職研修を行う際、新任管理職研修のように一斉に実施する形の研修と、テーマや課題に応じて、参加人員を選抜して行う研修がある。

● 企画・導入時のポイント

マネジメント・管理職研修を企画・導入する際、留意すべきポイントを以下にまとめる。

【留意すべきポイント】
事前のヒアリングで問題点・課題を把握する
  • 研修を企画する前に、今、職場で起こっている問題点や課題をヒアリングし、それを解決するコンテンツ(プログラム)を盛り込むことが、研修への参加意欲を高める。研修後の満足度の向上、有用感にもつながる。
  • 問題点、課題が大きな内容・テーマであれば、別途、解決に特化した研修を行うようにする。
基本を押さえた上で、実践できるスキルを習得させる
  • 管理職研修では、職場で実践できるスキルを習得させることが目的にあるが、その際、マネジメントの理論や基本をしっかりと伝えていくことが大切である。基本を知らなくては、実践での応用がうまくできないからだ。その上でマネジメントスキルを習得させ、行動促進を図っていく。
対話・グループワークを多くする
  • 自分の部署でしか状況を見られていない管理職が多いため、研修ではできるだけ他の部署の状況やマネジメント・部下育成・評価がどのように行われているかを体感できるよう、受講者同士の話し合い、討議を促す対話・グループワークを多くする。
  • 終了後、受講者同士の情報交換、交流が促され、自分自身のマネジメントの振り返りにつながる。
終了後、上司に報告させる
  • 研修終了後、実行計画書や各種の成果物を上司に報告させ、職場での実践を促進させる。
  • 一定期間が経過した段階で、実施状況を報告させることにより、研修の効果はより高まる。

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