企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

5. グローバル人材研修の課題別プログラム例

グローバル人材育成研修の中で、課題別(目的別)に行われているプログラムの代表的な例を紹介していく。

1)「語学」研修~全社的な人材の語学力向上を目指す

本社のグローバル化を推進する方策として、海外赴任の可能性の有無にかかわらず、全社員に語学教育を展開するケースが目立ってきている。全社的に人材の語学力を向上させていくことが目的だ。このような語学研修を実施する際は、対象者の違いによって分類し、いくつかのパターンで行われることが多い。

なお、全社的に語学教育を展開していくには、目的とゴール(何のために、いつまでに、どのくらいのレベルの人材を、どの程度にしていくのか)を明らかにしていくことが前提となる。そうした点が明確でなければ、的確に効果を測定することが難しくなるからである。

1. 全従業員を対象
全従業員の語学力のレベルの把握、向上を目的として行うパターンである。実施する際、TOEICの点数によって従業員を区分し、研修後もTOEICの点数を上げるための支援を行う。
2. 新入社員を対象
新入社員の段階でしっかりと語学を学んでもらい、同時に、グローバル化に対する意識付けを行う。
3. 選抜者を対象
従業員の中から、将来的にグローバル展開を担う人材と目される人物をピックアップし、重点的に語学力のレベルアップを図っていく。
4. 個人の希望・選択
従業員の語学を学ぶ意欲を尊重し、そのための学習する環境を整えていくことにより、従業員の主体的な学習意欲や努力を引き出していく。
●ビジネス英語研修

イメージ外国人と英語でビジネスを行う際に必須となるコミュニケーションスキルを習得するために、実践的なビジネス英語を研修として取り入れる企業が増えている。

カバーされる内容としては、ベースとなる「基本ボキャブラリー」「文法」「リスニング力」「スピーキング」「ライティング」のほか、「ミーティング・電話会議のスキル」「eメールライティングスキル」「ディスカッションスキル」「プレゼンテーションスキル」「ネゴシエーションスキル」など、実践的なスキルが用意されている。


2)「異文化コミュニケーション」研修~異文化環境に適応できるマネジャーを育成

海外拠点の成長や業績を大きく左右する要因の一つが、現地における日本人管理職のマネジメントの巧拙である。日本国内では当然と思われるような行動(指示・命令)や判断が、異文化環境ではさまざまな問題を引き起こすことが少なくないからだ。

そこで、異文化環境でマネジメントを行っていくために、ケーススタディーや映像教材を活用した「異文化コミュニケーション」を知り、体得していく研修へのニーズが高まってきている。異文化環境に適応できるマネジャーの育成を目的に、異文化環境でのマネジメントを疑似体験できるケーススタディーなどを通じて、価値観や考え方の異なるメンバーをマネジメントしていくための実践的なポイントを習得していく。

【プログラムの例】
  1. オリエンテーション
    • 異文化におけるマネジメントとは
    • マネジャーに求められる役割
  2. 異文化対応の基本
    • コミュニケーションとは
    • 異文化環境におけるコミュニケーションのポイント
  3. ケーススタディー:(1)方向性を示す
    • 着任のあいさつ
    • 自らのミッション・ビジョン・行動指針を伝える
  4. ケーススタディー:(2)人を動かす
    • 仕事の指示の出し方
    • メンバーのやる気を引き出すには
    • 異文化環境での会議
  5. ケーススタディー:(3)人を育てる
    • 評価のフィードバック
    • その人に応じた指導・育成
  6. 振り返りとアクションプランの作成

3)「海外赴任前」研修~海外赴任者を対象とした必須プログラム

海外に赴任する前に必須事項を学ぶため、行う研修である。赴任先で仕事を遂行し、成果を出すために身に付けておくべきビジネススキルと心構え(マインド)にポイントを絞り、短期間で集中的に学んでいく。プログラムとして盛り込まれる内容は、以下のようなものが中心となる。

【プログラムの例】
  1. ビジネススキル
    • 英語(現地語)によるビジネスコミュニケーションスキル
    • 異文化理解とコミュニケーションスキル
    • リーダーシップ・アサーション(自己主張)スキル
    • マネジメントスキル
    • リスクマネジメント
  2. 心構え(マインド)
    • 日本と赴任先の違い
    • 日本人と赴任先の人の違い
    • 違いの理解とコミュニケーションの重要性
    • 現地に赴いての実践計画案
  3. 基本情報
    • 生活していく上での基本情報(インフラ・安全面等)の収集・理解
    • その他必要となる個別情報

4)「新興国派遣」研修~新興国ならではの状況を理解し、対応していく

イメージ先進国とは、いろいろな面で状況の異なるのが新興国だ。現在、グローバル化は、この新興国が中心になりつつある。新興国でビジネスを円滑に進めていくために、必要な知識・知見や経験を得ることを目的として行うのが「新興国派遣」研修である。事前に現地へと赴き、数週間に渡って現地のインターン先の企業やNGO団体のメンバーと共同作業を行ったり、関係者へのインタビューやディスカッションを行ったりする。その中で、新興国でのビジネスの進め方や情報収集の仕方、異文化コミュニケーションスキルを習得していくことができる。このような経験を通じて、新興国でのビジネスをけん引できるリーダーを育成していくことを狙いとする。

さらに、新興国の人々のニーズを肌で感じ取り、彼らの視点でビジネスを考えていくようなプログラムを盛り込むことによって、新興国市場のニーズにマッチした製品やサービスを開発したり、現地の事情にマッチした販売戦略を立案・実行できる人材を育成したりすることも可能だ。

5)「グローバルリーダー育成」研修~グローバルレベルで活躍していくリーダーを育成する

イメージ将来的に、グローバル経営を託すことのできる潜在能力の高い人材に対して、戦略的、計画的なリーダーシップ開発を行うことで、グローバルリーダーを育成していく取り組みである。

ある大手総合商社のプログラム例を見ると、本社部長クラスを対象に、1年間を通じて個別のリーダーシップ開発を行っている。年に数回グローバルリーダー候補が集まり(集合研修)、トップマネジメントによる「企業理念」「経営戦略」の理解のほか、数ヵ月に渡るアクションラーニングによる経営課題解決への提言およびグローバルマインドセットの理解などを、実践的なケースを交えて行っている。

なお、集合研修は本社と海外の両方で行い、社内トップやグローバル経営者との意見交換を行うことで、将来のグローバルリーダーとしての広い視野を養っていくという。このように現地のトップマネジメントが実践的な経営課題に積極的に関与することで、グローバルリーダーが育成されていく。


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よくわかる「グローバル人材育成」講座

1. グローバル人材育成とは

1. グローバル人材育成とは

グローバル人材に求められる役割は、アジアなど新興国における海外展開が本格化する中、現地法人でのトップマネジメント、またはミドルマネジメントが主流となっている。しかし国内ではマネジメント職に就いていなかった者が、海外でマネジメント業務を行うケースが多い。海外比率が急上昇する現状で、グローバルにビジネスを展開していくための人材育成が緊急の課題だ。この問題について考察する。


2. グローバル人材研修の現状

2. グローバル人材研修の現状

産業能率大学が実施した「グローバル人材の育成と活用に関する実態調査」を見ると、グローバル展開に伴って、多くの企業が日本人の「グローバルリーダー」「グローバルマネジャー」「ローカルマネジャー」が不足していると回答。グローバル人材を取り巻く状況について整理する。


3. グローバル人材研修の傾向

3. グローバル人材研修の傾向

一口にグローバル人材研修と言っても、各社が置かれている状況やグローバル戦略に応じて、さまざまな形式や内容がある。最近多く見られるグローバル人材研修の傾向について考える。また、その際に注意したい点にも言及する。


4. グローバル人材研修の種類と内容

4. グローバル人材研修の種類と内容

グローバル展開が求められている企業では、グローバル人材としての底上げを図るために、階層や職位ごとに一定レベルの内容の研修を行うケースが多い。全社的なグローバル人材育成に向けて、意識付けを図っていく狙いがあるようだ。グローバル人材研修の種類と内容を分類する。


5. グローバル人材研修の課題別プログラム例

5. グローバル人材研修の課題別プログラム例

グローバル人材育成研修の中で、課題別(目的別)に行われているプログラムの代表的な例「語学」研修、「異文化コミュニケーション」研修、「海外赴任前」研修、「新興国派遣」研修、「グローバルリーダー育成」研修を紹介していく。


6. グローバル人材研修企画・導入のポイント

6. グローバル人材研修企画・導入のポイント

グローバル人材研修を企画・導入するさいのポイントを整理する。まずは中長期的な人材育成体系図を作成し、外部研修機関との連携を測りながら、内容を詰める。さらに研修の利用効果を高めるための策も必要とされる。こうした各ポイントについて、詳しく見ていく。


テーマ別Index
研修・人材育成
社員研修を検討する際に押さえておきたい基本とノウハウ。研修の目的別に解説します。
社員研修・人材育成
新人研修・新入社員研修
マネジメント・管理職研修
モチベーション・組織活性化
グローバル人材育成
コーチング研修
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営業・販売研修
eラーニング
採用
人事担当者のための採用ノウハウ。採用の目的別に、基本、準備、注意点まで網羅。
中途採用
人材紹介
アルバイト・パート採用
人材派遣
新卒採用
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新卒紹介
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新卒採用コンサルティング
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ソーシャルリクルーティング
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人事戦略・人事系IT
企業に不可欠な人事システム、人事制度を解説。この分野のトレンドも把握できます。
人事制度
人事システム
給与計算
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人事労務
テーマに特化した労務関係の取組みを解説。導入の際のヒントが見つかります。
ワーク・ライフ・バランス、働き方改革
福利厚生
社宅・社宅代行
コンプライアンス・企業倫理
メンタルヘルス
その他
それぞれ分野ごとに、基本からサービスを検討する際のポイントを詳しく説明します。
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会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

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