2. グローバル人材研修の現状

グローバル人材を取り巻く状況
産業能率大学が実施した「グローバル人材の育成と活用に関する実態調査」を見ると、グローバル展開に伴って、多くの企業が日本人の「グローバルリーダー」「グローバルマネジャー」「ローカルマネジャー」が不足していると回答している。いずれの人材も、7~9割の企業が不足としているが、この割合は3年後もほぼ同様となっている。当分の間、ことグローバルに関しては人材不足が続くと考えている企業は多い。昨今の事業のグローバル展開のスピードに対して、人材の確保が追い付いていない現状が見て取れる。
さらに、同調査では企業へのインタビュー調査を併せて行っており、その中で育成の問題にも言及している。それによると、海外派遣者の教育は、語学が中心で赴任の直前に実施されることが多く、体系的な育成を行っている企業は少数にとどまっている。また、グローバルリーダーの育成について、まだ実施に至っていない企業が少なくないとのこと。現地人材の育成も、拠点ごとで個別に取り組んでいるケースが多く、温度差やバラつきが生じていると言う。このように、グローバル人材の育成に関して、多くの企業がさまざまな課題を抱えていることがわかる。
現状 | 3年後の予想 | |
グローバルリーダー | 86.7% | 86.6% |
---|---|---|
グローバルマネジャー | 91.6% | 92.6% |
ローカルマネジャー | 74.7% | 74.1% |
出所:「グローバル人材の育成と活用に関する実態調査」(産業能率大学・2012年)