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2. コミュニケーションをめぐる近年の傾向

3社に2社が、組織内コミュニケーションに満足できていない

イメージ「ビジネス・コミュニケーション白書2010」(日本経営協会)を見ると、企業における昨今のコミュニケーション不全の状況がよく分かる。「特定の人に仕事が集中する」「他人の仕事に無関心」「結論の出ない会議が多い」など、組織内のコミュニケーションに満足できないと回答する企業は65.8%で、約3社に2社の割合に達しているからだ。不満の要因を聞くと、「部門間の横のコミュニケーション」が75.5%と最も多く、以下、「社員相互間」37.8%、「上司・部下の間」27.0%と続く。

職場内・職場コミュニケーションで目指していることは、「情報や組織目標の共有」86.2%が9割近くを占め、以下、「社員の意識改革」56.0%、「企業体質の強化」36.9%、「企業文化・組織風土の醸成」32.9%と続いている。そして、このような組織内・職場のよいコミュニケーションのために必要なことは、「必要とする情報が共有できる環境」が80.5%と最も多く、次いで「組織目標の共通理解」62.8%が続く。以下、「相手を理解しようとする意識」47.3%、「日常の会話」44.3%、「対面での話し合いの機会」43.6%、「相手への配慮、心遣い」43.0%が4割台で続いている。

これらの結果から、多くの企業がコミュニケーション不全を解消するために、「情報や組織目標の共有」を中心に、さまざまな施策・対応を求めている現状が浮かび上がってくる。

■図表1:組織内コミュニケーションの現状
満足できる 30.9%
満足できない 65.8%
無回答 3.4%
■図表2:どのコミュニケーションが不足しているか
部門間の横のコミュニケーション 75.5%
社員相互間のコミュニケーション 37.8%
上司・部下の間のコミュニケーション 27.0%
組織機能の縦の関係のコミュニケーション 24.0%
■図表3:組織内・職場コミュニケーションで目指していること
情報や組織目標の共有 86.2%
社員の意識改革 56.0%
企業体質の強化 36.9%
企業文化・組織風土の醸成 32.9%
■図表4:組織内・職場のよいコミュニケーションのために必要なこと
必要とする情報が共有できる環境 80.5%
組織目標の共通理解 62.8%
相手を理解しようとする意識 47.3%
日常の会話 44.3%
対面での話し合いの機会 43.6%
相手への配慮、心遣い 43.0%
管理職の意識・感性 36.6%
話し方・傾聴のスキル 28.9%
トップの意識・意欲 27.5%
仲間意識 23.2%
職場外での話し合いの機会 12.8%

出所:「ビジネス・コミュニケーション白書2010」(日本経営協会)

対面でのコミュニケーション・スキルを体得する機会が減ってきた

イメージ問題となるのは、近年さまざまな理由から、OJTによる対面コミュニケーション・スキルを体得する機会が減ったことである。その理由の一つは、前述したように、「ITを活用したコミュニケーションが増えたことで、対面による非言語の情報を含めた発信・応答の機会が減ってきたこと」だ。さらに、「バブル崩壊後の失われた10年間で多くの企業が新規採用を抑制した結果、それ以前に入社した中堅社員や管理職層が対面で後輩・部下を育成・指導した経験が少ないこと」「個人完結型でチームワークを意識する機会の少ない業務が増えたため、OJTでコミュニケーション・スキルを後輩に指導する機会が減ってきたこと」「テレワークやシフト勤務、育児・介護短時間勤務者が増加し、社員同士が職務上で時間と空間を共有する場面が減ったこと」などを挙げることができるだろう。

いずれにしても、日常の業務を通じてコミュニケーション・スキルを身に付ける機会が少なくなっているのは間違いない。こうした事態を打開しようと、OJTに委ねるだけではなく、off-JTで意図的にコミュニケーション・スキルの習得・向上を図っていこうと考える企業が増えてきているのだ。


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よくわかる「コミュニケーション研修」講座

1. コミュニケーション研修とは

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組織を機能させ、活性化していくには、コミュニケーションの量と質を向上させていかなければならない。その際、それにふさわしい方法やスキルが必要となる。コミュニケーション研修とは、このような組織内でのビジネスや仕事上におけるコミュニケーション能力の向上を目的とした研修のことである。


2. コミュニケーションをめぐる近年の傾向

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企業におけるコミュニケーションの現状と課題について、アンケート結果をもとに考察する。およそ3社に2社が、組織内コミュニケーションに課題を抱えている。その背景にある対面コミュニケーションの機会の減少についても触れる。


3. 近年のコミュニケーション研修の特徴

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コミュニケーション不全は、対面での対話が苦手と言われる近年の若手社員に限った問題ではない。職場の至るところでコミュニケーション不全が顕在化しており、それに対応するように、最近ではコミュニケーション研修の内容も、非常に多岐に渡っている。


4. コミュニケーション研修のプログラム例

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最近のコミュニケーション研修の中で、課題別(目的別)に行われるプログラムを紹介していく。管理職の「面談力」を高める「実践コミュニケーション・スキル研修」、「部下指導」に特化したコミュニケーション研修、「グループワーク」でコミュニケーション・スキルを学ぶ「社会人基礎力研修」「アサーション研修」で、自己主張・自己表現スキルを高める、コミュニケーションの重要性を気付かせる演劇的手法「インプロ研修」などがある。


5. コミュニケーション研修の企画・導入のポイント

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コミュニケーション研修を企画・導入する際、より効果を高めるためのポイントを整理。課題と目的を受講者と共有する。導入した研修を常に改善する。外部の専門家を活用する。ここにあげた注意点をもとに、研修内容をチェックするといいだろう。


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