企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

2. コーチングをめぐる近年の傾向

コーチングへの理解が深まってきた一方、必ずしもうまく機能していないケースも目立つ

イメージコーチングがアメリカから日本に紹介され、企業に広く知られるようになって、既に10年以上が経過した。今では、職場の上司・部下との関係構築、コミュニケーションの改善、気づきや能力開発の手法・手段として、多くの企業で導入されている。

コーチングが組織にもたらしたプラス面、組織風土や人材育成風土の改善に貢献したポイントには、以下のようなものがある。

相互理解のための
「対話」の重要性が
浸透した
職場の中で「対話」することの重要性を、経営層から現場の管理職、メンバーに至るまでが認識するようになった。また、コミュニケーション改善の手段としてコーチングを知ることで、お互いが意識して対話するようになり、相互理解を心掛けるようになった。
「聴くこと」の重要性が
浸透した
これまで目標面談などでは、上司が一方的に部下の問題点や改善点を指摘したり、普段抑えていた思いや欲求を部下に伝えたりしていた。しかし昨今は、上司がまず部下の話を「聴くこと」から始めるようになり、「聴くこと」の重要性が職場に浸透していった。その結果、傾聴すること、問い掛けること、そしてそれらに基づき上司として建設的なフィードバックをすることなど、コーチングの基本的な構造について理解する管理職が増えている。
「コーチングスキル」への
理解が深まり、レベルも
ある程度向上した
コーチング研修が実施されることより、「目標面談」「キャリアプラン面談」など、限られた場面でのコーチングスキルへの理解が深まり、そのレベルもある程度向上した。

しかし、コーチングの重要性を分かっていても、うまくできていないケースは少なくないようだ。コーチングがうまく機能しない理由は、以下のような点が考えられる。

上司の一方的な
ニーズのために
運用されている
本来のコーチングの導入目的は、業績向上につながる本人の意欲や自律性の向上にある。しかし、現実的には、業績やパフォーマンスの上がらない部下を動かすための「操作手法」として運用されることが少なくない。
上から目線になっている 「部下にこうなってほしい」という思いが先行して、それができていない部下を否定する気持ちが無意識に出てしまうケースがある。そうした上司の上から目線の態度により、部下は居心地が悪くなり、上司が自分のことを分かってくれない、といった感情を生み出す結果となっている。
質問が誘導的に
なっている
「なぜ、できなかったのですか」「もっと、他に方法はなかったのですか」など、質問が誘導的になってしまい、部下が追い詰められた心境に陥ってしまうケースがある。このような質問の仕方では、部下の本音を導き出すことは難しい。
不自然な態度に
なっている
コーチングスキルを意識するあまり、面接を始めた途端に、表情が普段と違うものになってしまう上司が少なくない。妙な作り笑いや話し方をしていて、嘘っぽいという感情を部下に抱かせている。その結果、お互いに「演じ合う」ことになってしまっている。

コーチングの表面的な理解、そして優秀なコーチでいたいという過度な思い・態度が、効果的なコーチングの障害になっている。コーチングが導入されて10年あまりという「過渡期」の段階であることが、こうした現象を招いているのだ。つまり、コーチングが悪いのではなく、まだうまく使いこなせていないのである。だからこそ今、コーチング研修を行う意味がある。

近年のコーチング研修の特徴

コーチングに対する理解が深まるに従って、管理職研修の中にコーチング研修を取り入れ、管理職にコーチングのマインドとスキルを身に付けさせようとする企業が増えている。近年のコーチング研修の動向を見ると、以下のような特徴を挙げることができる。

「目標管理」における
活用
「目標管理(MBO)」において、コーチングを活用するケースが増えている。目標管理を単なるノルマ管理にすることなく、一人ひとりが目標達成に対して主体的に取り組んでいくようにするために、目標設定の面談や成果のフィードバックのなかに、コーチングの手法を採用しようというものである。
「実践」にウエートを
置いた プログラム内容に
コーチングスキルはもちろんのこと、いかに部下の本音を導き出し、自律的な態度・行動をさせるかといった、「実践」にウエートを置いたプログラムを導入するケースが目立っている。具体的には、「日常場面のコーチング」「営業の動向指導」「評価面談での質問」といった、場面別のコーチング研修へのリクエストが多くなっているようだ。
グループコーチングの
活用 (1対1から
1対N、N対Nへ)
基本的に、コーチングは「1対1」で話すことが想定されているが、現実の職場の中では、「1対1」で話し合うことは必ずしも多くない。そこで、「1対1」ではなく「1対N(複数)」によるグループコーチング、さらにはワールドカフェのような「N(複数)対N(複数)」と対象を広げていく形で行うケースも出てきている。このような複数でコーチングを行うことにより、グループメンバーの意識改革や行動変容を促していくことが期待されている。

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よくわかる「コーチング研修」講座

1. コーチング研修とは

1. コーチング研修とは

コーチング研修とは、部下がその気になり、意欲的に動くように促すためのスキルを習得するための研修だ。マネジャーが、部下と一緒に目標を設定し、達成へのステップを見守り、要所に応じて助言を与えていくコーチングスキルを身につけることで、人材が主体的に動く強い組織をつくりあげる。


2. コーチングをめぐる近年の傾向

2. コーチングをめぐる近年の傾向

コーチングが日本に紹介され、10年以上が経過した。今では職場の上司・部下との関係構築、コミュニケーションの改善、気づきや能力開発の手法・手段として、多くの企業で導入されている。企業風土にもたらしたメリット・デメリットを整理し、近年のコーチング研修の特徴を見ていく。


3. コーチング研修の種類と内容

3. コーチング研修の種類と内容

コーチング研修とは、部下がその気になり、意欲的に動くように促すためのスキルを習得するための研修だ。マネジャーが、部下と一緒に目標を設定し、達成へのステップを見守り、要所に応じて助言を与えていくコーチングスキルを身につけることで、人材が主体的に動く強い組織をつくりあげる。


4. コーチング研修のプログラム例

4. コーチング研修のプログラム例

コーチング研修の中で、「目標管理面談」「同行営業」「マネジャー層向け」「グループコーチング」など、課題別(目的別)に行われているいくつかのプログラムを紹介していく。


5. コーチング研修の企画・導入のポイント

5. コーチング研修の企画・導入のポイント

効果的なコーチング研修を実施するためには企画・導入でそれぞれ押さえておきたいポイントがある。ここでは5つに絞って解説する。


テーマ別Index
研修・人材育成
社員研修を検討する際に押さえておきたい基本とノウハウ。研修の目的別に解説します。
社員研修・人材育成
新人研修・新入社員研修
マネジメント・管理職研修
モチベーション・組織活性化
グローバル人材育成
コーチング研修
コミュニケーション研修
営業・販売研修
eラーニング
採用
人事担当者のための採用ノウハウ。採用の目的別に、基本、準備、注意点まで網羅。
中途採用
人材紹介
アルバイト・パート採用
人材派遣
新卒採用
就職サイト
新卒紹介
新卒採用アウトソーシング
新卒採用コンサルティング
内定者フォロー
ソーシャルリクルーティング
適性検査
人事戦略・人事系IT
企業に不可欠な人事システム、人事制度を解説。この分野のトレンドも把握できます。
人事制度
人事システム
給与計算
給与計算代行
人事労務
テーマに特化した労務関係の取組みを解説。導入の際のヒントが見つかります。
ワーク・ライフ・バランス、働き方改革
福利厚生
社宅・社宅代行
コンプライアンス・企業倫理
メンタルヘルス
その他
それぞれ分野ごとに、基本からサービスを検討する際のポイントを詳しく説明します。
貸会議室・研修施設

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

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