新型コロナの感染拡大によって、企業のデジタルシフトが加速した。これに伴い、新たなビジネスモデルを担う優秀な人材の確保が急務となっている。だが、そうした人材はただ待っているだけでは採用は難しい。また、オンライン採用を活用して選考を進めてはいるものの、求職者の志望意欲を醸成しにくいといった声も聞かれる。中途採用を巡るこれらの課題をどうすれば解決できるのか。組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を手掛けるビジネスリサーチラボ 代表取締役の伊達洋駆氏と、リクルートで「リクルートダイレクトスカウト」のプロデューサーを務める藤原暢夫氏に、アフターコロナに向けた中途採用の在り方を聞いた。

- 伊達 洋駆 氏
- 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
(だて・ようく)神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。組織・人事領域において調査・コンサルティング事業を展開。研究知と実践知を活用した組織サーベイや人事データ分析を提供。近著に『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』(すばる舎)など。

- 藤原 暢夫 氏
- 株式会社リクルート プロダクト統括本部
HR領域プロダクトマネジメント室 「リクルートダイレクトスカウト」プロデューサー
(ふじわら・のぶお)2011年リクルートに入社。HRメディア新規開拓営業、HRメディア商品企画、人材紹介領域の事業企画・プロダクト担当を経て、20年より『リクルートエージェント』『リクナビ就職エージェント』『リクナビHR Tech』などのプロダクト責任者。2021年4月より現職。仕事で実現したいことは、テクノロジーの利便性と人肌感を融合させたサービスを創ること。
アフターコロナを見据えた人材確保が急速に進む
企業における中途採用の現状についてお聞かせください。
伊達:この2~3年は、コロナ禍の影響が大きかったと思います。新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年度は、採用が落ち込みましたが、翌年以降は回復基調にあり、企業にとっては採用がなかなか難しい状況に戻りつつあります。
中長期的に見ても、今の状況が突然変わることはなかなか考えにくいでしょう。少子高齢化が進み、労働力人口が減っているので、採用が簡単になるとは考えにくく、現在のような厳しい状況がこれからも続くと思います。
藤原:今、我々のビジネスは全体としてコロナ禍前の水準に回復しつつありますが、職種や業種によってばらつきが大きいのが実態です。
特に、コロナ禍をきっかけにDXを推進しなければいけないと考える企業が急増したことにより、DXを担えるデジタル人材や事業開発関連の人材は引く手あまたの状況になっています。
中途採用の課題は、どこにあるとお考えですか。
伊達:二点あります。一つ目は、オンライン採用への対応です。コロナをきっかけにオンライン採用が普及しました。これは、大きな転換点だったと思います。当初はオンライン採用にどう対応するのかが課題でしたが、現在は対面でも会えるようになってきているので、オンラインと対面をどう組み合わせるのかが課題となっています。
二つ目はテクノロジーの活用です。近年、テクノロジーの進展は目覚ましいものがあります。人事領域でもテクノロジーの導入が進んでいて、特に採用領域ではそれが顕著です。なぜなら、採用は大規模なデータを得られるからです。一方で、テクノロジーを活用して採用すること自体が歴史的にはまだ新しい現象なので、どう使えばいいのかがわからず、試行錯誤している企業も多い状況です。
株式会社リクルートが運営するダイレクトリクルーティングサービス「リクルートダイレクトスカウト」。採用ご担当者向けのサービス特徴は3つあります。
①質の高い即戦力中心の求職者にアプローチできる
②導入コストをかけずに採用の打ち手が増やせる
③スカウト工数を割かずに効率的に母集団形成ができる

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