人的資本の考え方が広がるとともに、的確な人材採用がますますその重要性を増しています。特に中途採用において人柄や意欲とともに重視されるのがキャリアとスキルですが、書類選考でも面接でも、候補者が提出した履歴書や職務経歴書の情報をベースに確認していくことになるでしょう。しかし、そこに記載された内容が正しいものでなかったら……。採用後のミスマッチにつながる可能性があるだけでなく、場合によっては組織そのものが大きなダメージを受けるかもしれません。そうした事態を防ぐために行われるのが「バックグラウンドチェック(採用前調査)」です。この分野の専門企業であり処理件数国内最多の実績を持つ株式会社イーストアンドウエスト代表取締役の手塚賢一さんに、バックグラウンドチェックの仕組みやそのメリット、日本での普及状況などについてうかがいました。
そもそも企業は差別的な情報を求めていない
採用前調査を実施する企業が増えているそうですが、その背景には何があるのでしょうか。
採用前調査、つまりバックグラウンドチェックやリファレンスチェックといった事実確認は、欧米ではあたりまえの文化として根づいており、日本でも外資系企業などでは以前から行われていました。
近年は日本企業でも取り組むケースが増えてきています。当社はバックグラウンドチェックやリファレンスチェックを実施する企業として2003年の創業以来サービスを提供してきましたが、ここ数年は特に関心の高まりを感じます。現在は取引社数1,000社以上,一日にいただく調査依頼も100件を下回ることはありません。コロナ前と比較すると、お客様の数は30%増加しています。
これまで日本企業が採用前調査に消極的だった理由としては、差別的な情報にまで踏み込む身元調査との区別が曖昧だったことが大きいと思います。身元調査は差別を助長するため法律で禁じられており、労基署などもこれを厳しく規制してきました。そういう歴史が長かったので、採用時に事実関係の確認は必要だと感じながらも、風評などが気になってなかなか実施できない企業が大半だったのです。
しかし、バックグラウンドチェックは身元調査とはまったく別のものです。
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【INDEX】
- そもそも企業は差別的な情報を求めていない
- 候補者の同意を得た上で事実関係を確認
- 継続していくことで生まれる予防効果
- バックグラウンドチェックへの理解を広げたい

イーストアンドウエストは、バックグラウンドチェック(採用前信用調査)・リファレンスインタビューを専門に行っている会社です。この分野では東京商工リサーチ社から3年連続で国内ナンバー1の処理件数評価を頂いております(2019年~)。
弊社が行う作業は大きく分けて3つ。過去の職場への「ヒアリング」・履歴書が正しく書かれている事の「確認」・公開されている情報の「データ収集」の3点となり、それら3つの情報を迅速に違法性なく収集し、「公平な採用」と「企業防衛」に貢献する事を責務としております。