企業ブランデイングは従来の手段だけでは不十分であり、中で働く人にこそ体現してもらう必要があります。しかし近年、理念・カルチャーの浸透を課題と感じる企業は多く、なかなか実現できているケースは多くありません。
スープストックトーキョー様は「世の中の体温をあげる」という企業理念を大切にされ、悩んだときはそこに立ち返り、理念にもとづく社員・パートナーの行動を後押しされています。
SmartHRでは、従業員がnoteなどで自発的に発信するカルチャーを大切にしており、共感する気持ちを言葉にすることで社外へのコミュニケーションを活性化させています。
メンバー一人ひとりがブランドを体現していく会社をつくるために、どのようなコミュニケーション・制度・人材育成などを実践されているのか。スープストックトーキョー江澤さん、SmartHR薮田さんにお話を伺いました。
(記事制作:SmartHR)

- 江澤 身和さん
- 株式会社スープストックトーキョー 取締役副社⻑ 兼 人材開発部⻑
短大卒業後、フリーターを経て2005年にパートナー(アルバイト)として入社。1年後に社員登用されて複数店舗の店長を歴任し、法人営業グループへ異動。現在は、株式会社スープストックトーキョーの取締役副社長兼人材開発部長として新たな採用・育成の仕組みづくりに取り組む。「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」では個人部門・チェンジメーカー賞を受賞した。

- 薮田 孝仁さん
- 株式会社SmartHR 執行役員 / VP of Human Resource(人事責任者)
2006年より株式会社ECナビ(株式会社VOYAGE GROUP)にてWebディレクターとして従事。2008年に株式会社ライブドアに入社し、2011年より人事を担当。2013年LINE株式会社に商号変更を経て、2013年4月より採用、育成、組織活性化を担当する人材支援室の立上げに従事。2018年12月、SmartHRに入社し、2019年1月より現職。採用、人材育成、評価制度、組織改善の分野を担当。
「ブランド力は人がつくる」とは?
「ブランド力は人がつくる」という考え方で分社化されたとお聞きしました。具体的にどのような考え方なのでしょうか?
江澤:私自身がアルバイトとして入社をしてその後パートナーとして2店舗を経験した中で、日々スープストックを利用してくださるお客さまにとっては、「お店で接した人たち」がブランドイメージになると考えて店舗に立っていました。
その後は正社員になっていろいろなお店で働くなかで、一人ひとりがブランドの顔であり、ブランド力は人がつくっていくことをお店のメンバーにもずっと話していました。どんなにいいことを言っていても、最後はお客さまにしっかり想いを伝えたり居心地の良い空間を提供したりできないと、違うよね……となってしまうのでそこはしっかりやろうと。
そういった話をすると、自覚がそこまでなかった方もしっくりくるというか、きちんと理解していい意味で緊張感のようなものが生まれることが多いです。
ありがとうございます。そもそもどのようなきっかけで生まれた考え方なのでしょうか?
江澤:もともとスマイルズという会社の一事業としてスープストックトーキョーがあったのですが、分社のタイミングはちょうどスマイルズで新しい事業が続々と走り出していたときだったんですね。
会社ではスープストックトーキョーが一番歴史が長く、働いているメンバーも多くなってきたなかで、正直メンバーの元気がないように感じていました。やはり新しいことに光が当たりがちだったので、実直にやっているメンバーが自分の仕事に自信を持てなくなっているようでした。
現在の社長である松尾がそういった現状を見て、一つのブランド、一つの会社としてより「人」を磨いていく必要があると考え、分社化を切り出したのがきっかけです。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「HRTechクラウド市場の実態と展望 2021年度」