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人事マネジメント「解体新書」

人材難の時代における「ヘッドハンティング」活用法
~「即戦力」をサーチする際の留意点とポイント(前編)

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企業のM&Aが活発化し、ビジネスモデルの変化が早くなっている現在、事業展開のスピード化・専門化に対応するため、「即戦力」の人材に対する中途採用ニーズが高まっている。しかし、即戦力となるスキルや多様な経験を持つ人材を、求人サイトから調達することはなかなか難しい。そもそもそういった人材は、中途採用マーケットにほとんど現れてこない。そうした中、即戦力を探し出す方法として「ヘッドハンティング」に注目が集まっている。そこで今回は、ヘッドハンティングの活用方法について迫ってみたい。まず前編では、ヘッドハンティングを利用した採用方法、ヘッドハンティング会社利用上の留意点、ヘッドハンターの見分け方、料金体系における注意点など、昨今の人材難の時代において、ヘッドハンティングをうまく活用するためのポイントを整理する。

「ヘッドハンティング」とは何か?
◆人材紹介における「登録型」「サーチ型」の違い

「即戦力」となる人材の獲得が求められる中、求人サイトでは思うような人材と出会うことができず、限界を感じる企業も少なくない。そのような状況下、即戦力の採用に有効と言われる「人材紹介」が、中途採用マーケットの中で一段とプレゼンスを上げている。人材紹介ビジネスは求人企業と求職者を仲介し、雇用・転職をあっせんするもので、紹介する形式によって「登録型」と「サーチ型(ヘッドハンティング)」に分かれ、それぞれ以下のような特徴がある。

【登録型VSサーチ型(ヘッドハンティング)】
登録型 ・予め登録された人材の中から、ピックアップして紹介する形式。職種や経験年数などの諸条件で、人材紹介の申し込みを取り付けておいた顧客企業と、事前に転職情報サイトや人材紹介会社に対してプロフィールや転職希望先などを登録した求職者の中から、求人・求職条件が一致する組み合わせを仲介する。

・「転職希望者ありき」が前提のため、登録者の中に企業が求める人材がいないと紹介できない。場合によっては、多少妥協した人を紹介するケースもある。

・転職市場になかなか出てこない優秀な人材に対するアプローチが弱いのが難点である。

・それでも企業が登録型の人材紹介会社に求人を依頼するのは、中途採用における募集・採用業務の効率化、迅速性が見込めるからだ。
サーチ型
(ヘッドハンティング)
・顧客企業からの依頼により、人材を掘り起こしていく形式。具体的な動きとしては、役員や幹部社員、研究者など、特定ポストに就くような採用難易度の高い人材を探し出す案件を要請された後、その人材要件(スペック)に叶う候補者をリストアップし、水面下でアプローチをかけ、転職を働きかける。

・対象となる人材は、登録型の人材より専門性が高く、年収や待遇、職位も高い傾向がある。転職後の待遇条件はアップするので、手数料(サービスフィー)も高額になることが多い。

・ヘッドハンティングという紹介形式の特質上、案件情報の秘密は厳守され、活動そのものも秘密裏に行われる。

サーチ型である「ヘッドハンティング」は、企業から依頼を受けて積極的に人材を掘り起こす。その際、優秀な人材ではあるが、特に転職活動を行っていない「潜在的転職希望者」に対しても独自のルート・ネットワークからアプローチするので、企業からの求めに対して、妥協することなく尽力する点が大きな特徴と言える。登録型が「転職希望者ありき」のシステムであるのに対して、ヘッドハンティングはまさに「企業からの人材依頼要件ありき」のシステム。この「スタンス」の差が、両者の一番の違いである。

◆いま、「ヘッドハンティング」が求められる背景

日本でも人材の流動化が進んできているが、アメリカなどと比べると自分から意図的にステップアップをしようとするケースはまだ少ない。特に現在企業に勤務していて、評価・実績が高く、相応のポジションに就いているビジネスパーソンが、自ら進んで転職市場に出て来ることは稀である。そのような状況下で、求人サイトに出稿したり、人材紹介会社が求人広告を打ったとしても、社内外で高い評価を受けている優秀な人材が集まりにくいのは当然のことだ。

それに対してヘッドハンティングは、企業から依頼された人材要件を基に、優秀で即戦力となると判断した人材へ直接声をかけてアプローチする。そのため、現在は特に転職を考えていない人でも、「そこまで言うのなら、とりあえず会って話を聞いてみよう」と思うこともある。そして、ヘッドハンターと具体的な話をしていく中で気持ちが変わり、転職を決意する人も少なくない。つまり、サーチ型であるヘッドハンティングという人材紹介のスタイルは、登録型ではなかなか転職市場に出てこなかった優秀な人材を意図的に掘り起こし、転職へと突き動かしていく手法なのだ。優秀な即戦力を求める企業にとって、この点が大きな魅力となっている。

 


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