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組織の壁、実力の壁、言葉の壁
――“壁”を突破し続ける思考が世界を広げる

中央大学理工学部電気電子情報通信工学科教授

竹内 健さん

競争を避け、すき間をねらい、昇る前の“朝陽”を探す

それで技術を学ぶのではなく、MBAを?

竹内 健さん Photo

さっきも言ったように、自分の専門や過去の実績にこだわりすぎると、チャンスはなかなかつかめません。私の場合、せっかくアメリカに行くのなら、何か自分のステップアップにつながる分野をと考えて、技術者には縁のないMBAの取得を目指したんです。もちろんその選択の根幹には、経営やマーケティングを学んで、手塩にかけたフラッシュメモリの技術をもっと世の中の役に立てたい、具体的なビジネスとして大きく育てたいという思いもありました。それに「技術プラス経営」の二刀流なら両方の分野の“すき間”に入ることができて、競争相手が少ないだろうという思惑も働きました。競争を避けて、プレーヤーの少ない分野をねらう――それが私の、高校時代からの基本的なスタンスなんです。

“すき間ねらい”ですね。そういう発想に高校時代から目覚めていたんですか。

おそろしく頭のいい同級生がいて、どうやっても勝てなかったんですよ。一浪してようやく東大へ入ったら、今度はそのレベルがゴロゴロいるでしょう。人気の高い領域やある分野のど真ん中へ行って、本当に専門を究めている超優秀な人たちとやりあったら、私など勝てっこありません。だから生き残るために、専門と専門のすき間をねらうスタンスが、自然と身についたんです。大勢が競い合っている旬の領域は絶対にやらないと決めています。勢いがあってすごいなと思ったら、じゃあやめたと考える。まだ誰も注目していない、昇る前の“朝陽”をいつも探しているんです。大学で駆け出しの研究室を選んだのもそうだし、舛岡さんの誘いに応じてフラッシュメモリ事業に飛び込んだのもそう。だからMBAの取得も、すき間ねらいの私にとっては必然の選択でした。その後、フラッシュメモリ事業が大成功をおさめ、社内で研究開発に携わる人が爆発的に増えてきたので、2007年に東芝を辞めて東京大学に移ったのも、メジャーなことはやらない、ということです。

とはいえ激務のかたわら、MBAの入学試験の準備を進めるのは大変だったのでは。準備期間はどれくらいとれたのですか。

1年足らずですね。それはもう、英語から何から大変でした。留学する前も、してからも、人生でこんなに勉強したことはないというくらいしましたからね。普通は何年もかけて準備するそうですが、私は何も知らずに「とにかく行く!」と宣言してしまったものだから、引っ込みがつかなくなっちゃって(笑)。予備校通いなどの受験勉強プラス人事部との交渉で、精神的にかなり追い込まれたのは事実です。ただ、そういった私を開発チームの皆さんが、サポートして下さったのは、本当に有り難かった。今でもとても感謝しています。

それでも最終的には、制度の壁を乗り越えてMBA留学の意思を貫かれました。

もともと技術者の留学試験には通っていたのですが、結局、その権利を辞退して、文系の社員向けの留学試験を受け直すことを条件に、人事部がMBA留学を認めてくれたんです。幸い、入学試験にも合格し、スタンフォードのビジネススクールに行けることになりました。ところが人事部との交渉は留学中も続いたんです。制度が認める留学期間は1年半。でもスタンフォードでMBAを取るには2年かかります。会社に「帰れ」といわれても、私は「いや、帰らない」といい続け、双方ゆずらず、らちがあきませんでした。人事部としては、経営を学ぶのはいいけれど、学位をとったら例の先輩のように辞めてしまうのではないかという懸念もあったのでしょうね。MBAを取った人が相次いで会社を辞めていた、あの当時の人事部の判断としては、仕方ないと思います。でも、最後は延長を認めてくれました。組織の建前上、制度に例外を認めるわけにはいきませんから、技術者が期限を定めずMBAに挑戦できる新しい制度を設ける、という形を取ってくれたのです。その1期生が私、というわけです。

東芝はなんだかんだと言っても、個人を大切にしてくれる、懐の深い会社だと思います。会社の仕組みも理解せずに、勝手にやりたいことを主張していた私を活かす制度まで作ってくれた。こうした経験を通じて、会社の組織とはどういうものか、学ぶことができました。もし研究だけしていたら、人事部で何が問題になっているかなど、わかりませんからね。周りには随分迷惑を掛けてしまいましたが、何事もやってみないとわからない。貴重な経験でした。

クヨクヨ悩むより動く、具体的かつ戦略的に動く

帰国後は次世代フラッシュメモリのプロジェクトマネジャーとして世界のライバルとしのぎを削り、2007年からは活躍の舞台を大学へと移されました。転機を迎え、また壁にぶつかったとき、どういう心構えで乗り越えてこられたのでしょう。

竹内 健さん Photo

一つだけ明確にいえるのは、自分の頭の中だけで考えていても時間のムダだということです。どんな仕事でもクヨクヨ悩むより、まず動く。それもただ動くのではなく、何が問題かを明確にして具体的に行動することが大切だと思います。たとえば大学で好きな研究をしたければ、自分で資金を獲得しなければなりません。そこで国から予算をつけてもらうために、政府の公募プロジェクトに応募するのですが、最初はどうすればいいのか、申請書の書き方一つわかりませんでした。こういうとき、徹底的に情報収集をします。人脈をフル活用し、実際に採用された人たちにお願いして、片っ端から提案書を見せてもらいました。それも採用されたものと落ちたもの、両方を。何十枚も見ているうちに、自ずと書き方らしきものが見えてくるんですよ。またある人は、私にこう教えてくれました。提案のコツは「大・小・大」だよと。

どういうことですか?

つまり研究の目的や背景など、提案の頭の部分でまず大きな夢を語って、評価者を惹きつけるんです。でもそれだけではただの大風呂敷ですから、途中のプロセスや実際の手法については、具体的かつ現実的に論を進めて緻密さもアピールします。そして最後に結論で、もう一度大きな夢を語って印象づけるというのが「大・小・大」のテクニック。こうしたアドバイスも、自ら動いて人にアプローチしなければ得られなかったはずです。

やはりチャンスの芽は多くの場合、人を介して現れるんですね。

ただ「人に会う」ということを安易に考えている人があまりにも多い。たとえばメールで忙しい相手に興味を持ってもらい、アポイントをとりつけるにはどんな書き方をすればいいのか。アポイントが取れたとして、限られた時間内で何を聞き、自分をどうアピールするのか。一人の人に会うために、そういうステップを一つひとつ具体的かつ戦略的に準備している人がどれだけいるでしょう。意外と少ないのではないかと思います。私も講演会などに呼ばれて、参加者の方と名刺交換をすることがありますが、「また何かあったらよろしく」だけのことも多い。「悩んでいる」「チャンスがない」などという割に、準備不足ではないでしょうか。だからチャンスが来ているのに、チャンスだと気づかない。日頃から準備している人には、チャンスが来たとき、迷わずそうだとわかるはずです。

竹内先生のように、変化を恐れず、新しいことにすすんでチャレンジする人材を支援するために、人事部としては何が必要でしょうか。アドバイスをお願いします。

やる気のない社員に無理やりチャレンジを促すより、とにかく一人でも二人でも、やる気のある人材を見出して、盛り立てていくことに尽きると思いますね。最近の若者はよく辞めると言われます。私は決して辞めることは勧めないし、どんな下積み仕事でも3年から5年は黙ってやってみなければ何もわからないと思います。ただ、会社を辞める若者たちが、みんなやる気がないわけではないでしょう。むしろやる気があるからこそ、それをうまく発揮できずに苦しんで、辞めていく人材も少なくないのではないでしょうか。

どうすればそういう人材を活かすことができるでしょうか。

たとえば、社内フリーエージェントのように組織内で人が自由に動ける制度をもっと活用できたらいいですよね。考えてみれば、社内だって一つの大きなジョブマーケットなんですから、いきなり外へ出てしまうより、その中で流動的に移れたほうが、会社だけでなく個人にとってもいい。意欲ある若者が辞めてしまうのは、内部で移れる可能性がないとあきらめるからかもしれません。別の部署に移りたいなんて言ったら、上司の手前悪いんじゃないかと、真面目に考えてしまうのでは。もっというと、仮にその会社を一度辞めても、戻ってこられるようなパスも考えるべきだと思います。日本の企業文化では“裏切り者”扱いですが、「外へ出たからこそ鍛えられた」「違う視点が身についた」など、会社にとってもメリットは少なくありません。私も含めて、最初に勤めた会社に愛着を持っている人は多いのではないでしょうか。戻れるものなら戻って、力になりたいと思っている人も多いでしょう。職場の内外にはいろいろな壁があります。しかしその壁の向こうに良き上司や仲間が待っているのも、また職場なのです。どんどん壁を乗り越えていきましょう。

竹内 健さん Photo

(取材は2012年7月5日、東京・文京区の中央大学にて)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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この記事ジャンル 組織風土改革

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