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絵描き

ルノアールの油彩が3億円、ピカソは113億円…。
絵の本当の価値がわかる絵描きなんていない?

書画骨董と言えば、昔からのコレクター・アイテムですが、素人には価値のわかりにくい世界でもあります。古びた壺が何千万円もしたり、たった1枚の絵が何億にもなったり。そんな不確かな値のつく作品をつくり出す「絵描き」自身も、じつは奇妙に思っているのではないでしょうか。(コラムニスト・石田修大)

落札価格が1万円→6600万円へ跳ね上がった油彩画

イメージ

「花かごを持つ女」(右)と「婦人習作」ルノワール(1841年~1919年)はフランス印象派の画家で、裸婦像、少女像などを得意としていた。

6月初め、東京都内で開かれたオークションで、ルノワールの1対の油彩画「花かごを持つ女」「婦人習作」が3億1000万円で落札されたという。新聞が一面で報じるほどだから、記録的な値段なのだろうと記事を読み進むと、国内最高は2000年に落札された岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」の3億6000万円であり、海外では昨年ニューヨークでのピカソ「パイプを持つ少年」の約113億円が最高なのだという。

ルノワールにせよ岸田劉生にせよ、美術史に残る大した絵描きには違いないが、それにしても1枚(ルノワールは1対2枚だが)で日本のサラリーマンの生涯賃金を超える値がつくとは、いったいどんな評価基準になっているものか。ルノワールの落札者が広島県廿日市市のウッドワン美術館と知って、2年前の記事を思い出した。

一昨年2月、東京で開かれたオークションに作者不詳の婦人像が出品され、主催者は落札予想価格を1~2万円に設定していた。洋画家中川一政のコレクションの一部であり、ゴッホの作品に似ていたため、念のためアムステルダムのゴッホ美術館に問い合わせていたところ、オークション直前になって、ゴッホの修業時代の油彩画で行方不明になっていた「左向きの農婦の頭部」と判明した。

改めて落札予想価格を300万円以上にして出品し直したのだが、この作品を6600万円で落札したのがウッドワン美術館。同美術館は住宅建材メーカーの会長である中本利夫氏が館長を務めており、さっそく話題の作品を含むコレクション特選展を開催、農婦の肖像見たさに来館者が押しかけたという。

作者不詳なら数万円、それがゴッホの作品とわかったとたんに、数千倍の値をつける人が出てくる。展覧会を見学に来た地元の小学生の談話が愉快だった。「自分でも描けそうだが、すごいお金になるなんてびっくりした」。仮に、この小学生が描いたものだとしたら、さて何千円になったことか。

号何百万円の大家から号7000円クラスの下っ端まで

ピカソやゴッホはさておき、活躍中の現代作家の絵の値段はどのように決められるのか。絵描き自身が自身の力量、評価を見定めたり、あるいは画廊と相談して決めているらしい。絵の値段に含まれるのは絵描きの収入、仲立ちをする画廊の取り分、そして額装の実費だが、ケースによっては売値の半分ほどが画廊の収入になるというから、絵描きの実入りは額面ほど多くはない。もちろん評価が高まれば値段も高騰するから、結局は人気次第ということか。 もの書きは原稿用紙1枚いくらだが、絵の値段でよく耳にするのが「号いくら」という言い方。号何百万円という大家もいるが、号7000円とか10000円クラスの絵描きも多い。10号なら7万円から10万円という計算になる。 号の基本は葉書大の大きさと言われ、号数が倍になれば倍の大きさと誤解されることが少なくない。ところが実際は人物(F)の0号で17.9×13.9㎝、葉書(14.8×10.0㎝)より一回り以上大きい。しかも1号で22.1×16.6㎝、10号が53.0×45.5㎝で、大きさは号数に比例しない。おまけに同じサイズでも風景(P)、海景(M)になると長辺は同じだが短辺が少しずつ短くなる。 値段も必ずしも号数に比例しないという。4号~10号あたりの大きさは号いくらで計算できることもあるが、それ以下では割高になるし、20号、30号といった作品になると、号数の大きさほど高くはならない。有名作家の絵の値段が都心の地価並みに高いとはいえ、土地と違って必ずしも面積が広いほど高いわけではないようだ。

「絵は高い」というイメージが浸透してしまった不幸

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「黒と金のノクターン、落ちるロケット」。ホイッスラー(1834年~1903年)はラファエル前派や日本画に影響を受け、革新的なスタイルを創り上げ、近代絵画に貢献した。

絵に対する価値観は時代によって変わるが、19世紀後半にはアメリカの画家ホイッスラーの作品の評価をめぐって裁判まで開かれている。ホイッスラーはヨーロッパで活躍していたが、花火の夜景を描いた「黒と金のノクターン、落ちるロケット」をイギリスの代表的評論家ラスキンが「公衆の顔面に絵の具の壺を投げつけたようなもの」と酷評したことから、裁判沙汰に発展した。

絵画の潮流が多様化し始めた時代で、ジャポニスムに傾倒したホイッスラーの作品が、ラスキンの忌諱に触れたためだった。裁判は絵の評価から値段の適正さに及び、ラスキンは「画家は仲間内での位置をわきまえ、費やした労力に見合う正当な値段を要求すべき」と主張したという。「費やした労力」を基準にしたのは、微細な部分まで丁寧に描いた写実主義の発想だろうが、この伝でいけば描きなぐったようにしか見えない抽象画はもちろん、パソコンで描く現代のアートなど一文の価値もないことになる。

絵画が王侯貴族の占有だった時代には、発注主の意のままの買い手市場だった絵の値段は、富裕な商人らが絵を求めるようになって市場が一気に広がり、やがて一般の美術愛好家も加わって値段の幅も大きくなった。中でも、投機の対象になるような作品は信じられぬ値をつけ、バブル期の日本でピークに達している。

30代でピストル自殺したゴッホも、修業時代に描いた作品すら、死後1世紀余の日本で6600万円で売れたと知ったら、何と思うだろう。ゴッホにしても現代の無名の画家にしても、描きたい絵を描いているだけで、バカ高い値段を期待しているわけではあるまい。

日本では絵は高いというイメージが染みついてしまっている。一部の金持ちや美術館が競り落とす絵は別として、平凡なサラリーマンやOLでも1枚や2枚は好きな絵が買えるのが当たり前で、そんな身近な流通ルートを絵描き自身も望んでいるのではあるまいか。

(数字や記録などは2005年5月現在のものです)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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