無料会員登録

日本の人事部への登録は45秒で完了!
※登録内容はマイページで確認・変更できます。

※「@jinjibu.jp」からのメールが受信できるようにしてください。

既に会員の方はこちら

または各SNSで登録

日本の人事部があなたの許可無く投稿することはありません

既に会員の方は
こちらからログイン

ログイン

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・ログイン

ありがとうございます。会員登録が完了しました。
メールにてお送りしたパスワードでログインし、
引続きコンテンツをお楽しみください。

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・自動ログイン

会員登録とログインが完了しました。
引続きコンテンツをご利用ください。

マイページ

会員登録済み


選択したSNSアカウントは既に会員登録済みです。

タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ【第35回】
「人への投資」の「その先の未来」

法政大学 キャリアデザイン学部 教授

田中 研之輔さん

タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ

令和という新時代。かつてないほどに変化が求められる時代に、私たちはどこに向かって、いかに歩んでいけばいいのでしょうか。これからの<私>のキャリア形成と、人事という仕事で関わる<同僚たち>へのキャリア開発支援。このゼミでは、プロティアン・キャリア論をベースに、人生100年時代の「生き方と働き方」をインタラクティブなダイアローグを通じて、戦略的にデザインしていきます。

タナケン教授があなたの悩みに答えます!

人はコストではなく、投資の対象です。「人への投資」という明確な方向性をさまざまな場面で耳にするようになりました。

「人への投資」を実現していく上で、次の二つの動向が鍵を握っています。

一つ目は、8月25日に発足した「人的資本経営コンソーシアム」です。伊藤忠商事、ソニー、ソフトバンクなど、320社が集結しました。私が代表理事を務めている一般社団法人プロティアン・キャリア協会も参画を決めました。経済産業省と金融庁も設立を支援し、官民一体となって企業価値の向上に取りくむコンソーシアムは、日本企業の未来を占うきわめて重要な取り組みであると言えます。

二つ目は、デジタル人材の育成や「学び直し」を促進するための環境整備などのために、厚生労働省が2023年度予算の概算要求で1100億円程度を求める方針がかたまったことです。岸田政権は、「人への投資」を重要政策の一つとして取り上げ、今後も重点的に予算が投入されていきます。「人への投資」に必要な予算が投入され、官民一体となって動き出すこと気運が高まることは、喜ばしいことです。個人的にも大いに期待しています。

その上で、本ゼミでは、「人への投資」の「その先の未来」について考えていくことにします。まず、大切なことは、どんな未来にしていきたいのか。私たちが望む未来とは何なのかを言語化し共有していくことです。

私が創り出したい未来は、「人的資本の最大化」を持続させる社会です。「人的資本の最大化」をよりわかりやすい言葉で言い換えるならば、一人ひとりが「やりがい、働きがい、生きがい」を感じながら、充実した日々を過ごしていくことです。

「人的資本の最大化」は、ある時に、瞬間的に達成されたというのでは意味がありません。そこで私は「SDCs」という造語を使って、企業現場で「人的資本の最大化」に取り組んでいます。「SDCs」とは、持続的なキャリア開発(Sustainable Development Careers)を意味します。

年間200社以上の企業に登壇してきた私が率直に感じているのは、「人的資本の最大化」は、従来型の伝統的キャリアでは実現できないという点です。

「伝統的キャリア」と「プロティアン・キャリア」の比較表

(出典:田中研之輔2022『キャリアワークアウト』日経BP p.73)

組織がキャリアのオーナーであり、組織の中での昇進・昇格に価値基準が置かれる企業では、人は組織内で評価をうけるために働きます。新しいチャレンジをして失敗するよりも、組織内で評価されるように、仕事をそつなくこなすようになります。

しかし、仕事をこなしているだけでは、イノベーションは生まれません。企業の生産性や競争力を向上させていく起爆剤にはならないのです。

「人への投資」の「その先の未来」をみすえて、今取り組むべきことは、組織内キャリアから自律型キャリアへのCX(=キャリアトランスフォーメーション)です。自ら主体的にキャリアを形成していくキャリア自律の最新知見であるプロティアン・キャリアは、キャリアトランスフォーメーションの方法を教えてくれます。

また、企業の「壁」をこえた取り組みも欠かせません。組織内キャリアから自律型キャリアへ、キャリアオーナーシップを持つ働き方を実現していくために、私は複数のプロジェクトを立ち上げています。

「人への投資」という観点で外せないのは、「人への投資」を実行していくことで、何がどう変わるのかを可視化させていくことです。「人的資本の最大化」と「人的資本の情報開示」は、これからの人的資本経営での重要なイシューです。

ここで改めて、本ゼミで解説してきた「キャリア資本」の意義を再確認しましょう。キャリア資本の中身を構成するのは、「ビジネス資本」「社会関係資本」「経済資本」です。詳しくは、本ゼミの第4回を読んでみてください。

プロティアン・キャリア資本分析モデル

(出典:田中研之輔2022『キャリアワークアウト』日経BP p.152)

「人への投資」によって、ビジネスパーソンの人的資本がいかに蓄積されるのか、市場の変化に適合する形で、いかなるビジネス資本や社会関係資本が求められているのかを明らかにしていくのです。

キャリアオーナーシップの行動実践についても、経年で追跡調査していくことで、「人への投資」の費用対効果を確認することが可能になります。

「人への投資」の投資先が、「人的資本の情報開示」に集中してしまうのであれば、「現在の可視化」はできても、その先の未来を描くまでには至りません。「人的資本の最大化」に適切な投資が行われることで、ビジネスパーソン一人ひとりにキャリア資本が蓄積されるようになるのです。

リスキリングは自ら主体的に取り組む事柄だと、個人の責任へとつっぱねることもできるでしょう。しかし、自ら主体的な行動を続けるのは容易なことではありません。

だからこそ、組織の取り組みとして、リスキリングや社内副業・兼業などの機会を増やすことが重要なのです。組織側のペースメイクによって、個人のモチベーションと行動が持続するからです。「人への投資」は、どこかの誰かのことであり、私とは関係ない企業の取り組みだと誤解しないようにしましょう。

私たちは、「自分自身に投資」ができます。環境や制度を生かすのは、日頃からの心がけや行動です。自らオンライン講座を受講し、職場で利用できる各種のリスキリング機会を活用していく、あるいは、社内で積極的に手をあげて新たな仕事にチャレンジしていく。誰かにまかせるのではなく、私たち一人ひとりが取り組んでいかなければなりません。「自分への投資」は、「人への投資」と同等に大切なことなのです。

国際比較調査で顕著なのは、日本のビジネスパーソンの主体的な学習姿勢と平均学習量が著しく低い点です。

国際比較調査「日本のビジネスパーソンの主体的な学習姿勢と平均学習量」

「人への投資」によって制度や環境が整ったとしても、主体的なキャリア形成がなければ、何もかわりません。

その意味で「人への投資」の「その先の未来」を創出していくのは、この本連載を読み続けてくださり、企業の最前線でより良き人事制度やキャリア開発施策を実施されている人事パーソンの皆さんといっても過言ではありません。まずは、社内でのプロティアン型のキャリア開発をプロデュースしていってください。

私もできることに精一杯取り組んでいきます。
あなたは、どんな未来を創っていきたいですか?

それではまた、次回に!


田中 研之輔さん(法政大学 教授)
田中 研之輔
法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事/明光キャリアアカデミー学長

たなか・けんのすけ/博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はキャリア論、組織論。UC. Berkeley元客員研究員、University of Melbourne元客員研究員、日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学。社外取締役・社外顧問を31社歴任。個人投資家。著書27冊。『辞める研修辞めない研修–新人育成の組織エスノグラフィー』『先生は教えてくれない就活のトリセツ』『ルポ不法移民』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』、訳書に『ボディ&ソウル』『ストリートのコード』など。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』、『ビジトレ−今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』、『プロティアン教育』『新しいキャリアの見つけ方』、最新刊『今すぐ転職を考えてない人のためのキャリア戦略』など。日経ビジネス、日経STYLEほかメディア多数連載。プログラム開発・新規事業開発を得意とする。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

オピニオンリーダーからの提言

オピニオンリーダーからの提言

? このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します
フォロー

無料会員登録

フォローすると、対象ジャンルの新着記事が掲載された際に通知します。
利用には『日本の人事部』への会員登録が必要です。

メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

HR領域のオピニオンリーダーによる金言・名言。人事部に立ちはだかる悩みや課題を克服し、前進していくためのヒントを投げかけます。

この記事ジャンル キャリア開発研修

無料会員登録

会員登録すると、興味のあるコンテンツをお届けしやすくなります。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事を既読にする

無料会員登録

「既読機能」のご利用には『日本の人事部』会員への登録が必要です。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事をオススメ

あなたのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。
※コメント入力は任意です。

オススメ
コメント
(任意)
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

コメントを書く

あなたのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。

コメント
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

問題を報告

ご報告ありがとうございます。
『日本の人事部』事務局にて内容を確認させていただきます。

報告内容
問題点

【ご注意】
・このご報告に、事務局から個別にご返信することはありません。
・ご報告いただいた内容が、弊社以外の第三者に伝わることはありません。
・ご報告をいただいても、対応を行わない場合もございます。

「タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ」のバックナンバー

関連する記事

【用語解説 人事辞典】
キャリア
社会関係資本(Social Capital)
心理的資本(Psychological Capital)
キャリア自律
キャリア・オーナーシップ
キャリア・アダプタビリティ
プロティアン・キャリア
人材ポートフォリオ