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鈴木 典比古氏
国際教養大学 理事長・学長
すずき・のりひこ/1945年、栃木県生ま れ。1968年一橋大学経済学部卒業。同大学大学院経済学修士。インディアナ大学経営学博士(DBA)。ワシントン州立大学助教授、准教授、イリノイ大学 助教授などを経て、国際基督教大学準教授、教授、学務副学長を歴任。2004年、同大学学長に就任し、2期8年を務め、2012年に退任。2013年に国 際教養大学理事長・学長に就任。国際基督教大学時代から一貫して「リベラルアーツ教育」を推進している。

鈴木典比古氏からのメッセージ

私はアメリカのビジネススクールで「国際ビジネス」「マーケティング」「人的資源管理」等の講義を10年間担当していましたが、「人的資源管理」の授業の中では、日米の人的資源管理に関する比較を行なっていました。

日本企業では今でも「年功序列」「終身雇用」の雇用形態が主流です。人事部は、社員が数十年にわたって一つの企業に勤務することを前提に、複数の部門を経験して昇進していく「ジェネラリスト指向」人事を続けてきました。そのため日本企業では、従業員のエキスパティーズ(専門分野)に基づくスペシャリスト・キャリアパスを構築する、という考え方ができていません。

企業がグローバル化することは、企業内に外国籍社員が入ってくるということでもあります。日本企業がこれまでのような対外閉鎖型(クローズドシステム)を前提とした人事制度を維持しているようでは、人的資源の国際流動化の観点からも、グローバル化には限界があると言っていいでしょう。

生産拠点である子会社群はグローバル化に対応できているのに、本社だけがグローバル化から取り残されている――。本社人事制度がクローズドシステムから脱却できなければ、「企業人事のガラパゴス化」が序々に生じる可能性があります。人事の皆さんには、グローバルな視点を持ち、時代の潮流を見極めながら、人材の採用・育成・管理を行ってほしいと思います。