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野田 稔氏
明治大学専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授
のだ・みのる/一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。野村総合研究所、リクルート新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。大学院において学生の指導に当る一方、大手企業の経営コンサルティング実務にも注力。2013年に社会人材学舎を設立、ビジネスパーソンの能力発揮支援に取り組む。専門は組織論、経営戦略論、ミーティングマネジメント。著書に『組織論再入門』、『中堅崩壊』(ともにダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)など。

野田稔氏からのメッセージ

『人事の進化』

企業のその他の機能と同じく、人事も大きくその機能を変えてきた。古くは生産現場の労務管理が中心であったものが、いわゆる人事管理に変わり、今はグローバル人事へと移行しつつある。人事も変化し続けている。ただ、その変化がいつも遅れ気味だ。企業の変化に先んじて人事が変わる例はまれである。

私は人事の役割を次のように規定している。(1)同じ人件費を使いながら、最大限のやる気を社員から引き出せるような、制度・仕組み・文化・組織を構築し、現場での運用を支援すること。(2)企業の戦略にあわせ、その戦略を遂行するにふさわしい能力・スキル・マインドセットを持った社員を必要とされる人員を必要な時に当該現場に供給すること。

このうち変化スピードに関わるのが(2)である。人材が一つの組織で能力を発揮するにはそれなりの時間がかかる。たとえ中途採用でも能力全開までには数ヵ月から数年かかる場合もある。すなわち、人事は戦略実行に先んじて動き始める必要があるのだ。これからは「先んじて動く」人事へと進化することが求められているのではないだろうか。